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「引きこもり」するオトナたち

発達障害の当事者自らが考えた
引きこもりの6分類40タイプを一挙紹介!

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第215回】 2014年10月2日
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 高村さんは、こう説明する。

 「インターネットでも、“半ひきこもり”とか“プチひきこもり”とかのタイトルでブログを書いている人がいる。そういう状況の人たちもいるんだって…。いろいろな診断名があるなしにかかわらず、誰でも引きこもりの可能性も、そうなるきっかけもあって、引きこもりの人たちが特別じゃないんだよ、ということに気づいてほしいんです」

 もっと自分のことを知りたかったし、周囲の人たちも、これ以上苦しんだりしないで、うまく生きていけたらいいなという思いがあった。

 そして、高村さんが、自分を見つめ直し、何かの役に立ちたいと、まず初めに向き合ったのは、「自分のやるべきこと」を書き出す作業だったという。

 書き出すたびに、「やるべきこと」や「やり残したこと」「やりたいこと」が、たくさん混在していることに気づいた。

実はあなたも当てはまる?
引きこもりの6分類40タイプ

 そんな高村さんが、「もっと引きこもりを身近に感じてもらうために」作成した分類は、大きく分けると、次の6つのタイプだ。

(1)社会に適応できないのは、生まれ持った素材にあるという【適応困難型引きこもり】

(2)自分で大体の性格がわかったうえで、予防的に気持ちを操作して引きこもるという【特性擁護型引きこもり】

(3)トラウマなどを持っていて、自分の気持ちのうえで、心理的にブロックをかけてしまう【心の縛り型引きこもり】

(4)自分の気持ちと現実のギャップが激しいタイプ。何をやっても空回りしてしまって、意欲があってもうまくいかず、周囲の評価が低くなってしまう【ジレンマ型引きこもり】

(5)天気が悪くなって急に具合が悪くなってしまう。苦手な人がいるから行けない。薬や化学物質などの影響も含めた【環境影響型引きこもり】

(6)いずれのタイプにも当てはまらない、あるいは、いずれも当てはまるといった【複合型引きこもり】

 高村さんは、これらの6つのタイプについても、傾向を書き出すと、次の40もの型に分けられるという。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

1962年生まれ。大学卒業後、通信社の勤務を経て、フリーに。雑誌やネットメディアなどで、主に「心」や「街」をテーマに執筆。1997年から日本の「ひきこもり」現象を追いかけ始める。東日本大震災後は、被災地に入り、震災と「ひきこもり」の関係を調査。著書は、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)、『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)、『ふたたび、ここから~東日本大震災、石巻の人たちの50日間~』(ポプラ社)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)などがある。最新刊は『石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する』(ポプラ社)。池上正樹 個人コラム『僕の細道』はこちら

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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