亀田音楽専門学校 第1回「J−POP ギター学〜主役編」 2014.10.02

まさにもう…「亀田音楽専門学校」シーズン2がスタート!J−POPにおけるギターの役割をゲスト講師布袋寅泰さんと共に考えます。
布袋さんが教えてくれる名曲に隠された取って置きの秘密とは?そして亀田校長がJ−POPの聖地を訪ねる新企画「亀さんぽ」もスタート!今回はアーティストが憧れる日本武道館の魅力に迫ります。
更にスペシャルバンドでの生演奏も!それでは「亀田音楽専門学校」開校です。

(拍手)こんばんは。
「亀田音楽専門学校」校長の亀田誠治です。
よろしくお願いします。
そして助手の中村慶子です。
よろしくお願いします。
さあピアノ演奏でお手伝い頂くのは助手の皆川真人さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
この番組のテーマはズバリ「J−POP」です。
僕たち私たちが愛してやまないJ−POPは音楽のあらゆる魅力が詰め込まれた総合芸術です。
この番組ではJ−POPがなぜ人々の心を捉えるのかJ−POPの名曲を題材にその核心に迫っていきたいと思います。
去年のファーストシーズンからなんと放送時間も内容も更にパワーアップしてセカンドシーズンをお送りします。
そして記念すべきセカンドシーズン第1回目のゲスト講師としてなんとこの方をお招きしました!布袋寅泰さんです。
(拍手)こんにちは。
どうも。
(2人)よろしくお願いします。
今回のゲスト講師は…BOWY解散後はソロとして活動し数々のヒット曲を世に送り出します。
更に音楽プロデューサーとしても精力的に活動。
さまざまなアーティストに楽曲を提供してきました。
現在はイギリスのロンドンに活動拠点を移し世界に向けて音楽を発信し続けています。
実は亀田校長と布袋さんは音楽仲間。
2008年KREVAさんと共にユニットを結成し音楽を通して熱い交流を続けています。
お久しぶりですね。
お元気ですか?セカンドシーズンスタートおめでとうございます。
その第1回目のゲストなんて光栄です。
よろしくお願いします。
それではそのセカンドシーズン第1回目の講義のテーマにまいりましょうか。
今日はね…布袋さんですよ。
布袋さんをお呼びしてこのテーマでやるしかないでしょう!え〜っとギターが主役?当たり!ボーカルではなくてギターが主役?ギターが主役!ギターが主役?僕ですね。
でね最初のこのテーマは主役の一番の活躍のしどころがある訳。
イントロでどんだけギターが活躍しているか。
まずはこちらをお聴き下さい。
・「Iwantyou!」まさにもうギターギターギター!ギターという楽器は今全部の楽曲の名曲たちのイントロに使われてたんですけど…。
何かイントロ当てクイズみたいに流れた瞬間に「あっこの曲だ!」「あのアーティストだ!」ってその興奮や笑顔や全てが目に浮かぶような…。
やっぱインパクトありますよねギターの音はね。
ごめんなさい。
私初心者素人としてはですねギュイ〜ンとかチュイ〜ンとか…。
チュイ〜ンって何だろうな。
いろんな音の種類があるように感じたんですけれども。
それは何と言ってもエレキギターだからですね。
ちょっとチュイ〜ンとかキョイ〜ンとかって…早速ですけど。
チュイ〜ンキョイ〜ンできるかな…。
中村君。
布袋さんをつかまえてチュイ〜ンとかギュイ〜ンとかこれはなかなかすごい事だよ!エレキギターは電気回線を通ってサウンドを増幅させて空気を振動させて非常にアコースティックとは違うインパクトのある音が出ますよね。
チュイ〜ン。
チュイ〜ン?チュイ〜ンだ!ギョイ〜ン。
ギョイ〜ン。
あとはジャカジャ〜ン!…ができたりビートも…刻めたりもしくは…。
何か踊りだしたくなるようなものが弾けたり…。
とにかくギターという楽器が全部無限ですけれどもエレキギターにしかないきらめきひらめきそして気持ちのいい部分というのがたくさんあると思う。
僕らは意外と何も気にしないで弾いてるところがあるので…。
アーティストの方はね作る時にはもう感覚のまま…。
もしかしたらチョイ〜ンという感覚がチョイ〜ンになっちゃったのかも…。
もうね気持ちいいってだけで弾いてますからね。
気持ちいいっていうね。
今日はそこら辺をじっくりとひもといていきたいと思います。
という訳でイントロが印象的な名曲があります。
ちょっとこの曲を聴いてみましょう。
・「もてあましてるFrustrationYou’vegotaneasyday」言わなくても皆さんお分かりだと思いますけれども今お聴き頂いたのは「MARIONETTE」。
懐かしいですね。
懐かしいですか?はい。
だって僕…これ作ったのってもう30年前ぐらいですよ。
あっそんなたちますか?20代の前半ですからね。
でも今聴いても本当にもうイントロから歌いだしたくなるような。
いい事言いましたね。
この曲のイントロのギターのフレーズっていうのは実はサビのメロディーなんですよ。
サビのメロディーをモチーフにしてるんですよ。
これちょっとせっかく布袋さんいらっしゃるのでちょっとこのイントロのフレーズを弾いて頂いてもいいですか?緊張するな。
何か間違えると…。
…ですね。
(拍手)この曲はここから作ったんです。
ここしかなかったっていうか。
サビから作ったせい?それをギターでお作りになったんですか?そうです。
もう…。
なるほど!ず〜っとこれを…その当時アパートですね。
アパート暮らしでしたけどず〜っとギターを抱きながら何か面白いフレーズそして印象的なそして歌えて何かギターも面白い…。
テクニックじゃなくてちょっとトリッキーなちょっと耳新しいフレーズないかなといつも探してる訳ですよね。
…でまずこれが浮かんで。
ギターがこのイントロのメロディーを取るという事によってバンドなんだ。
我々はバンドサウンドなんだっていう事をまずその決意表明みたいなのを感じるんですよ。
イントロの出だしの1つのフレーズを聴くだけでこれがBOWYの楽曲だと。
バンドの楽曲だ。
バンドサウンドなんだっていう事を聴く人に印象づける事ができる。
ほかの楽器だと同じメロディーでもまた全然違う印象になってしまうものなんですかね?そうじゃないですかね。
あ〜なるほど!例えばこの「MARIONETTE」のギターのイントロをピアノでやったらどんな感じになるのか。
ちょっと聴いてみましょうか。
ちょっと物悲しい感じが…。
あと何かクラシカルな…。
ああそうですね。
ちょっとバロックっぽくね…。
バロック音楽的な感じになるんですね。
でもまさにこのサビのメロディーを曲の頭に持ってきてるという事はもう本当にショートケーキで言うところのイチゴですよね。
なるほど。
一番おいしい…。
人によってはこれを最後まで取っといちゃうんだけどそれを頭に持ってくるっていう…。
イチゴ?イチゴ!ギターが主役になっている曲の多くは…更に…布袋さんのイントロ術というのはほかにもあるんですか?もちろんあるんですよ。
本当たくさんあって紹介しきれないぐらいなんですけれどももう一曲選びました。
こちらをお聴き下さい。
Let’sGo!お聴き頂いたのは布袋さんのソロ曲「バンビーナ」ですね。
この曲ね何がすごいかって言うと…メロディーを取らずしてコードストロークだけでイントロの印象…この曲の入り口イントロ曲の顔として全責任を担ってグイッと曲の中に引き込むんですよ。
メロディーを取らずに。
さっきの「MARIONETTE」は…弾いて頂いてもいいですか?はいはいはい。
メロディーがあるじゃないですか。
ところが「バンビーナ」は…ちょっと弾いて頂いていいですか?はい。
なんとぜいたくな講義なんでしょう!これを鍵盤でやったらどうなるんだろうか。
かわいそうに…。
さあ皆川助手頼む!つらいっす。
まず単純に奏法上に無理がありますね。
ギターっていう楽器の…こうやってストロークで弾ける感覚ともう鍵盤はたたくしかないですからね。
でもギターの特徴であるこうやって返しが利くっていう。
アップダウンね。
でもやっぱりギターの持ってる音色と何でしょうね…この醸し出すスピード感。
そうだね。
あと音の長さとか音の強さとか。
僕は結構比較的その全ての音同じ粒でダダダダダダダッともう本当にシュレッダーにかけるように同じビートで重ねていくのが好きなので…。
これが僕の特徴でもありますけどね。
ある意味コードをかき鳴らしてるっていうかね。
そういうスピードを出してリズムを出してコードを弾くだけでグッと楽曲の中に引き込む事ができる。
それをいとも簡単にやってのけるのがギターが主役の時。
イントロで印象的なメロディーやコードを奏でる事で曲の方向性を決める事ができるエレキギター。
実はエレキギターの楽器としての機能にも主役になれる大きなヒミツがあったんです。
それではこちらの曲をお聴き下さい。
・「手のひらで震えた」いわゆるMyLittleLoverもYUIちゃんもそうなんだけどJ−POP的なサウンドがあるんですよ。
アコギが鳴ってストリングスが鳴ってピアノが鳴ってみたいな…。
そういう景色の中でもエレキギターの持っている力っていうのは決してほかの楽器に負けないで埋もれないでちゃんとメロディーであったりフレーズを主張する事ができる。
例えばちょっとひずんだよく伸びる音って出してもらっていいですか?はい。
これはねいろんなエフェクターが入ってますけど伸びる音…。
伸びる。
例えばピアノでポ〜ンと弾いても…。

(ピアノ)タ〜ンタン。
ピアノで弾くとね…ソファミレだっけ?うん。
エレキギターで強いひずみで弾くとここがず〜っとこの音量が保たれるんですよ。
同じ強さが…。
ところがピアノとかで弾くと自然減衰といってだんだん音がちっちゃくなっていっちゃうの。
えっどうしてですか?あっ自然と?そう。
エレキギターは機械的に増強する事ができるので。
実際はちょっとずつは下がってきますけど。
もう一回布袋さん飛び切りの伸びるやつにしてもらっていいですか?飛び切りの伸びるやつ…。
これまだ伸びますからね。
スキージャンプの最後ぐらいの…。
伸びしろが長い訳。
ず〜っと伸びるでしょ?はい。
タタタ〜ン。

(ピアノ)いやピアノはピアノで趣はありますけれどやっぱりエレキギターはこうやって機械で増幅する事によってず〜っと音が伸びてる時間を長くする事ができるんですね。
パワフルになるって事ですか?パワフルって事ですね。
だからほかのいろんな楽器がここでストリングスが鳴ってたりアコギが鳴ってたりいろんな楽器の音で埋もれがちになりそうな中でもエレキだけはずっとこの幅を持ってメロディーを奏でる事ができるのでイントロやいろんなどんな場所に持ってきても負ける事がなくほかの楽器の音に埋もれないでメロディーを取る事ができる。
例えば「Hello,Again」とかは…。
ほら音が伸びてるでしょ?ああそうですね。
・「ナーナーナーナナナナナ」なのでイントロで印象的なフレーズを弾くのにギターが主役になる。
いろんな楽器の中でも負けない音作りに貢献するっていう事ですね。
それではここで布袋先生にもギターイントロの名曲選んで頂きましたのでお聴き頂きましょう。
知ってる?あっ知ってる人は知ってる。
懐かしい!Charさんの「闘牛士」お聴き頂きましたけれども。
これは僕が中学生の頃だったと思いますけどCharさんや世良さんや原田真二さんやGODIEGOさん。
いわゆる日本のロックの創成期夜明けというか…。
彼らがでもテレビに出るようになって全国の子どもたちや若者たちが初めて本物のロックの生音をテレビを通じて感じる事ができた時代なんですよね。
エレキギターを本番でいきなりジジジジジっていう音まで入る中で「ワンツースリーフォー!」と言ってこのカッティング…。
ハードロックでもないただひずんでるんじゃなくて非常に軽快なカッティングから始まってCharさんがかっこよく歌うというのはとっても衝撃的でCharさんのテレビを見ていたというのも僕がギターを始めたきっかけの一つですよね。
では布袋さんのお薦めの曲もう一曲お聴き頂きましょう。
かっけえ!知らないだろうなあ…。
もう日本のデヴィッド・ボウイですよね。
そうですね。
沢田研二さん。
彼も本当に艶やかで色っぽくて…。
・「チュッチュルチュルルチュチュルル」曲が終わったあともず〜っとそこを口ずさみたくなるようなそういう印象的な…。
僕は小学校の低学年でしたけどこの曲大ヒットしててまんまと「チュッチュルチュッチュル」やってました。
口ずさんでました。
ランドセルしょって?ランドセルしょった少年が・「チュッチュルチュチュルチュチュチュル」って…。
ロックとかまだそういったジャンルとかそういった事じゃなく単純にギターの音っていうのがもう印象に残ってますよね。
マジかっこいいよね?ねえ。
・「君はFunkyMonkeyBaby」キャロルですね。
8小節?8小節の間に完結してますもんね。
すごいですよね。
これは布袋さんはいつごろ出会った曲ですか?これもやっぱ中学生高校生の頃ですね。
リアルタイムですか?リアルタイムギリギリですね。
ヒムロックがキャロルのコピーバンドやってて…。
(2人)へえ〜。
今日はもう古いのばっかりでご存じない方もたくさんいると思うけれどもでも言ってる事分かると思うんですよね。
イントロから何かウキウキ。
ん?心つかまれて歌がガンと入った時にその時にはもうボーカリストにスポットがバ〜ンと当たってる。
イントロから華やかな曲ですよね。
今回3曲を布袋さん選んで下さったと思います。
これみんな知らない人は是非こういう曲もいっぱいあるんだよという事で聴きましょう!さあ一旦講義をブレークしてここからは課外授業にまいります。
校長と助手の私がスタジオを飛び出してJ−POPゆかりの場所を訪ねてまいりました。
題して…「亀さんぽ」?「亀さんぽ」です。
意気込んでる割にはちょっと緩めです。
それではVTRどうぞ。
校長第1回目の「亀さんぽ」はどちらへ?これだよ!全てのアーティストの憧れの場所日本武道館!日本武道館!来ました!お〜来ましたね!やっぱりここは特別な場所なんですか?もうアーティストの方は一度はここのステージに立ちたい。
そう思って小さなライブハウスからスタートするんじゃないの?あれっ校長いきなり何を撮ってらっしゃるんですか?武道館のあの看板だよ。
武道館の看板…。
今回は僕たちの課外授業の熱さを伝えてみたくてさ…。
ほら…。
あっ本当だ!「亀田音楽専門学校」ってちゃんと書いてありますね。
亀カメ。
亀カメ?亀カメと呼んで下さい。
校長先生から見た武道館。
校長先生から見た…中村君。
ちゃんと撮れてない。
という事で新コーナー「亀さんぽ」。
記念すべき1回目は日本武道館。
亀カメを片手にアーティストたちに愛される武道館の魅力を探っていきます。
まずこれからいこうか。
はい。
そもそも武道館の「ぶどう」は武道ですよ。
剣道柔道…。
日本武道館が誕生したのは1964年。
東京オリンピックの会場として造られました。
武道館が音楽的に注目されたのは…世界的アーティストのコンサートがきっかけとなりその後数々のアーティストがこの舞台を目指すようになります。
中でも矢沢永吉さんはこれまでに通算127回。
最多の公演数を誇ります。
もちろんゲスト講師の布袋寅泰さんも武道館の経験者。
亀田校長も去年ゆかりあるミュージシャンたちと一緒に武道館でライブを開催。
武道の聖地は今やアーティストにとっても目指すべきライブの聖地になっているのです。
ちなみにステージに立たれた事はあると思うんですけれども見に来た事はあるんですか?もちろんです!オフコースのコンサートを見ましたね。
その時どの辺りの席に座ってらっしゃったとか…。
なかなか覚えてないですかね。
何かねここら辺の上の方だったような気がする。
という事で亀田校長が高校生の時に初めて武道館でオフコースを見た客席を探しに行ってみました。
あっバッチリバッチリ!何かやってますね。
ステージはこの日の夜に行われるKREVAさんのコンサートの準備中。
特別にお邪魔させて頂きました。
(マイクチェックの声)見れないです見れないです!もうちょいこっちだな。
ここら辺かも。
こんな感じでしょうかね。
この辺りから小田さんを見て?そう!叫んでたんですね。
黄色い声援に混じって。
自分の席撮っていい?どうぞどうぞ。
ここの席に来るのは久々ですか?その時以来だよ。
今涙をこらえてるからね。
当時どんな感じで座ってらっしゃったんですかね?何かこんな感じですかね。
今ほどすぐに最初から最後まで立つみたいなそういう習慣がない訳。
ライブって初めの方はみんな座ってる訳。
…で座ってちょっとてれくさい訳こうやって。
…でアンコールとか最後の方の盛り上がる所になってようやくこうやって我を忘れてっていう。
でも本当にじっくり歌を聴くという感じだったんですかね。
あ〜こんなふうにステージが見えるんですね。
はいチーズ!ここから見た景色は変わらないね。
客席が360度に配置されているのも日本武道館の特徴です。
ちょっとちょっと!何ですか?何ですか?中でも校長オススメの客席があるという事で行ってみると…。
ほら。
うわっ近い!もうこれステージ!ステージだよ!これステージ!すっごい近いですね!いろんな照明だったりいろんなミュージシャンだったりいろんなスタッフが動いてるのも見える訳。
何かさコンサートのチケットを取る時って正面の一番いい所。
正面のなるたけ近い所がいいような感じがするけれど意外とこういう席で見るのも…。
穴場ですね。
そう!ここから見るとミュージシャンになりたいと思うかも!…ですよね!更に武道館の魅力を感じる事ができる席があるという事で向かったのはステージから一番離れた客席。
うお〜来たぞ!お!ほら。
一番上まで。
え〜!?見えますね!見えるね。
思ってた以上に近いですね。
一番遠くてもこんなに見えるものなんですね。
そう。
これぐらいなんですよ。
実験?アリーナに?そう。
…でこっちに手振ってみて。
分かりました。
アリーナってステージのすぐそばですもんね。
ちょっと一番前まで行っちゃいます。
あそこに立つ訳ですもんね。
近い!ちょっとじゃあここから…。
ほぼアーティストの方と同じぐらいの位置から。
あっ亀田さん!校長!もうはっきり見えますねお顔!あっ声も聞こえる!校長!はっきり見えます。
こんな近いんだ。
(拍手)布袋さんはどうご覧になりました?武道館を僕も何度かやらして頂きましたけど独特ですよね。
大きいのに近いっていうね。
そうなんですよね。
僕ねちなみに布袋さんのライブを一番初めに見たのは武道館です。
そうですか。
僕が一番初めに武道館で見たのはKISSというバンド。
いくつぐらいでですか?中学生ぐらいでしたかね。
びっくり。
何かロックの解放感と武道館ももちろんの事ロックの大きさに圧倒されましたけどね。
何回も武道館のステージに立たれている布袋さんにとってこれは忘れられないライブみたいなのはあります?やっぱ初めての武道館ですかねBOWYで…。
その時にヒムロックがステージから言った…名言ですよねもう。
あれはもう僕たちバンドの気持ちを本当にひと言で彼が表してくれたなっていう。
大きなとこに行ってもライブハウスでやってるこの気持ちは忘れたくないし…。
ゴールでもあったけどまた新しいスタートでもありましたよね。
それでは講義後半戦にまいりましょう。
校長続いては?ここまではイントロ。
曲の顔に注目してきたんだけどもここから先は間奏に登場するギターソロ…主役ギターについて掘り下げていってみたいと思います。
まずはこちらをお聴き下さい。
・「思い出して」・「いつになれば湘南」・「プライド」優しかったり激しかったり。
いろいろ間奏でも…。
そう間奏の中で使われてるギターソロですね。
J−POPにおいて間奏のギターソロにはどんな役割とか特徴があるものなんですか?ちょっとねこれ図解していいですか。
まずさっきやってたのはこれだね。
イントロ。
J−POPの基本構造として…例外もあるよ。
大概はって事ね。
AB来た!…でサビ来た!そのあとに間奏が来る。
今日の「ギターが主役」っていう事で言うと…まずここでさっきたくさんここで主役として活躍するギターの姿を見た。
ここはボーカルですよね。
ここも歌。
主役を譲るんですね。
はい。
歌。
…で間奏でもここで主役を取ったギターが主役になるんですよ。
ならざるをえない。
ならざるをえない?ならざるをえない。
もちろん一番初めに布袋さんが氷室さんの事もおっしゃってましたけどあくまでも歌が主役。
音楽の中でセンターにいるというのは間違いないんですけどもこの歌とこのギターとの関係。
これが一曲を通して表情をつけていくもの。
最強のコンビなんですね。
…はい。
バトンを渡して…よし歌った。
Aメロ歌った。
Bメロでちょっと落とした。
サビで盛り上げた。
よしイントロでのろしを上げてくれた。
ギターお前もう一度頼むぜみたいな…。
熱い?熱いね。
そういう事だと思うんですよね。
起承転結で言うところの「転」になってもいいし「承」になってもいいんですよ。
ここまでボーカルが作ってきた世界を受けてもいいしここで思いっきり変えちゃってもいい。
それでここに大サビが来るというケースが…方程式が出来上がるんだな。
布袋さんは間奏でのギターソロで心掛けている事ってありますか?やっぱりその前のサビが更に大きくなってそれこそ亀田君が言ったように大サビに行ったり戻るところが更にこう…。
そうね。
バトンを受け取った以上はちょっとリード許していたらもう一回巻き返してもう一回リードするぐらいの気分ですよね。
ここでもう一回上げるぞと?取り返すぞと?うん。
この大サビへ導くすごく大きなフックになるというね。
そうですね。
ギターソロが大サビへの…。
本当にジャンプ台なんだよね。
「来るぞ!」っていう?そう!「曲よバンドよ音楽よ行け!」というふうにギタリストが指揮者のようになって導いていくっていう。
逆に亀田君が言ったようにもしもこれがJ−POPの基本構造だとしたら予定調和にならないようにやっぱそこで何かすごく変化をもたらして今までの曲とは全然違う方向に一瞬転換する。
転回というか転換というか…。
それによってまた次のサビなり戻った場所が新鮮に聞こえるような…。
チャレンジングな場所ではありますよね。
ものすごく大事なんですねこの間奏って。
間奏でのソロのアプローチっていうのはすごく大事で…。
だから苦言を呈す訳ではないですけれども何となくギターソロが入ってる間奏って…たまに聴く事があってそれはちょっとやっぱり使い方としてもったいないなっていうふうに。
もっと主役に抜擢したんだから主役のよさを引き出してそしてその楽曲全体を際立たせていこうよっていう。
作り手の方はそういう気概で作ってほしいとは思いますね。
そしてまあねイントロもやって間奏もやって主役としてギターが引っ張ってる中で布袋さんはこの歌の部分もギターで奏でている。
つまりインストゥルメンタルな楽曲も手がけています。
最近は僕は海外での演奏の機会も増えましたけどこの曲は世界中のどなたもみんなご存じですね。
僕がやってる事を知らないので皆さん。
コンサート終わったあとに「君なかなかよかったよ。
あの『キル・ビル』のカバーが」。
失礼な!ご本人なのに…。
そのぐらいこの曲はインストゥルメンタルでありながらとてもイントロが始まった瞬間に「おや?聴いた事あるぞ。
何だこれは?この不穏な雰囲気は?ムードは?」。
でも何か戦う…世界中でスポーツの番組やそういった機会に使われる事も多いし何かファイティング・スピリットをかきたてる。
非常に爆裂的なリズムとメロディーを持った曲ですよね。
この曲聴いてるとねさっき布袋さんが海外で演奏されていてもすごく反応があるとおっしゃっているじゃないですか。
「キル・ビル」のテーマにもなったこの曲にもし海外から見て日本らしさを感じる部分があるとしたらどういうものだと思われますか?でも何か日本的な響きはあると思いますね。
例えば?多分このタララン…。
これがちょっと…。
津軽三味線みたいな?ちょっとね…。
何かちょっと三味線っぽくベエベン。
そんで…。
ここがちょっとポンポンポンじゃないけども…。
和太鼓?これですか?和太鼓。
ポンポン。
ドドドンドンコドンストドンドン。
やっぱちょっとだから和的なリズム。
間っていうか弾かない間もギターを…。
音が途切れてる間もギターを感じてもらえるような曲だと思うし。
でもその間も何かあれかもしれないね。
日本人的な何かあるかもしれないですね。
居合じゃないけどねこうね。
それではこれから布袋さんと校長率いるバンドの皆さんに生演奏を披露して頂きます。
曲は今ね話題にも上りました。
「BATTLEWITHOUTHONORORHUMANITY」です。
校長これどういった点に注目して聴いて頂きたいですか?もうギターが曲の最初から最後まで主役であり続けます。
そこを思いっきり堪能してもらいたいと思います。
「亀田音楽専門学校」第1回は「J−POPギター学〜主役編〜」と題してお送りしてきましたけれども布袋さんいかがでした?はい。
主役の布袋でした。
いや今の楽曲もたくさんすばらしいのあるけれども主役になろうとするギターのフレーズっていうのはひょっとしたらちょっと減ってきてるかもしれませんね。
今もうちょっとアンサンブルっていうかバンドで一つの絵…世界を見せるっていう。
それもそれですばらしいんだけどいきなりキュキュキュキュキュキュキュキュって「俺だぜ!」っていうのは昔の方がパッと思い浮かぶから。
確かに。
J−POPっていうのはちょっとそういった意味合いだといろんな要素が…一番初めにおっしゃったように総合芸術とまで言いたくなるような…。
まあその中でちょっとギターが主役だっていうのが見えづらくなってるかもしれないから僕は逆に「ギタリスト諸君もうちょっと頑張ってよ」という気はありますよね。
チャンスかもよ?はい。
時代は主役を待ってるような気がしますけどね。
主役ギターにして曲作ってみるとひょっとしてひょっとするかもよ。
という訳で校長総括お願いします。
時に口ずさめるメロディーはまるでボーカルのような表現力も持っている。
だからこそメロディーやわびさびを大事にしているJ−POPの中でギターっていう楽器が主役となって永遠に使われ続けていくんじゃないのかなという事を確信した授業でした。
さあこれで本日の講義を終わります。
布袋さん亀田校長そして皆川さんありがとうございました。
どうもありがとうございました。
(拍手)2014/10/02(木) 23:00〜23:45
NHKEテレ1大阪
亀田音楽専門学校 第1回「J−POP ギター学〜主役編」[字]

時代の先端を走る音楽プロデューサー・亀田誠治が、J−POPのヒット曲に隠された音楽の秘密を解き明かす亀田音楽専門学校。初回講師に布袋寅泰を招き、今年もスタート!

詳細情報
番組内容
今回のゲスト講師は、日本が世界に誇るギタリスト・布袋寅泰。2回にわたって、J−POPにおけるギターの効果や意義について迫る。初回は「J−POPギター学・主役編」。エレキギターの構造から、ギターイントロがもたらす楽曲の印象、間奏のギターソロが持つ意味合いなどを、布袋さんやBOOWYの楽曲などを引き合いに出しつつ、講義を行う。そして布袋さん&亀田校長の共演でお届けするのは、映画「キル・ビル」のテーマ!
出演者
【ゲスト】布袋寅泰,【出演】亀田誠治,中村慶子

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
音楽 – 国内ロック・ポップス

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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