はいチーズ!
(シャッター音)ありがとうございます。
じゃあこれをおわらい研究会のなかまに送ろうっと。
ちょっとちょっと人に送るならひと言言ってほしいよな。
すいません。
送っていいですか?ダメ〜!え〜!ぼくはパイプオルガンにむちゅうなんだ。
はじめて教会に行った時ミサの間中ずっとオルガンの音にうっとりしてた。
その音色がわすれられなくて大すきになった。
オルガンは楽器の王さま。
だっていろんな音色が出せるでしょ。
それに何かで読んだけど楽器の中で一番ふくざつなんだって。
ぼくはアンドラーシュ・リスティッチ。
ブレッド市に住んでる。
夢は自分でオルガンを作ること。
家の地下室で今オルガンを作ってる。
ほとんど1人でやってるんだ。
3年前にはじめてオルガンを作ろうとしたけどその時はしっぱいした。
ふいごとかストップノブとか部品から作ったけどどれもうまく動かなかった。
今回はパイプも自分で作ろうって思ってる。
何本かパイプを作ってみたけどぜんぶしっぱい。
どうしていいか分からなくなってオルガン作りの職人モチュニクさんに手紙を書いた。
そうしたらモチュニクさんはパイプの寸法を教えてくれて見本を1本くれたんだ。
こんどはきっとうまくいく。
(パイプの音)
(オルガン)ぼくが通っている音楽学校には電子オルガンが1台あるけど本物のパイプオルガンとはぜんぜんちがう。
パイプオルガンを習う生徒が8人以上いないと本物は買ってもらえない。
今は2人だからパイプオルガンは夢のまた夢。
自分でオルガンを作って学校でみんなに見せようって思いついた。
そうすればきょうみをもつ生徒がふえてパイプオルガンを買ってもらえるかもしれないでしょ?あと3か月でオルガンを完成させるつもり。
出来上がったら学校でみんなに弾いてみせようって思ってる。
ぼくはぜったいできると信じてる。
多分作るのに一番時間がかかるのは木製のパイプかなあ。
妹のアナは時々ほんとにうるさいんだよね。
まあいい子にしてる時もあるけど。
アナはピアノがとっても上手なんだ。
でもぼくたちしょっちゅう言い合いになっちゃうけどね。
ツァンカルイェウ・ドムっていう文化センターのオルガンをはじめて聞いたのはオルガンの先生タマラ先生のコンサートに行った時。
ぼくも弾いてみたいってたのんだんだけどタマラ先生も自分のコンサートでよゆうがなくてその時はむりだった。
すっごくきんちょうしてる。
スロベニアで一番大きなオルガンをついに弾けるんだ。
このオルガンで一番弾きたいのはバッハの「トッカータとフーガ」。
バッハのオルガン曲のCDをパパが図書館からかりてきてくれてはじめてこの曲を知った。
10回はくりかえして聞いたと思う。
すばらしい音楽にはしぜんと心が反応する。
だけどメロディーと曲の構成をちゃんと理解するには頭を使って考えないとダメなんだ。
作ったパイプから音が出なくてあせった。
どこが悪いのかぜんぜん分からないんだ。
オルガンを作るなんてぼくにはむずかしすぎたのかも。
プロでもないのに。
前は友だちにオルガンの話をしてたけど最近みんないやそうな顔をするんだ。
だから友だちとはあまり音楽の話はしない。
だって聞いてる音楽がぜんぜんちがうんだもん。
友だちはロックとかポップスだけどぼくはクラッシック。
ブレッド湖のまん中には島がある。
島には小さな教会があってそこのかねは3回鳴らすことができたらねがいをかなえてくれる。
すっごく力がいるんだけどね。
(かねの音)今日おねがいしたのは今作ってるオルガンのこと。
これでオルガンがちゃんと鳴れば本当にねがいのかなうかねだって分かる。
(メロディーを口ずさむ)自分で作曲もしてる。
まず頭の中でメロディーを作る。
何とかして。
そうやって頭の中で作曲したメロディーを五線紙に書いていく。
音楽理論のクラスにクラリネットをふく友だちがいてぼくの作った曲を見せたんだ。
そうしたらこう言われた。
「こんなのだれが演奏すんだよ?」だけど先生が授業中に少し演奏してくれた。
けっこういいところもあったと思う。
おじさんが司祭になった時にお祝いの曲を作曲したんだ。
メロディーが2回頭にうかんだからそれをピアノで弾いてみた。
じっさいに音にして聞いてみるといいなぁと思ったから譜面に書いていった。
曲の題名は…「天上の歌」。
このオルガンを完成させるまでにかかった時間は大体4か月くらいかな。
うまくいかないことがたくさんあってきまった日までにオルガンを完成させられるかどうかヒヤヒヤだった。
とくに大変だったのがやっぱり木製のパイプ作り。
あとからパパとぼくにもやっと分かったんだけどパイプが長すぎたんだ。
半分に切ったらとても美しい音が出るようになった。
やっと完成した。
気分は最高!教会のかねのおかげもあったかもしれないな。
もちろんぼくもがんばったけどね。
今日はいよいよ音楽学校でオルガンを披露する日だ。
学校のホールが満員になるといいんだけど。
(パイプオルガン)最後にはみんながいろんな質問をしてくれた。
きっとたくさんの人がパイプオルガンっていう楽器はおもしろいなあと思ってくれたと思う。
だからって急に明日10人の人がオルガンを習いたいって言い出すわけはないと思うけど1人か2人はいてくれるんじゃないかな。
最初にオルガンを自分で作りたいって言った時はパパもママもぼくにはむりだって思ってた。
だけどぼくはちゃんとオルガンを作ることができた。
(はくしゅ)大人になったらオルガン作りの職人になろうって考えてるんだ。
これからもずっとオルガンを作りつづけていきたい。
もっと大きなのを作ることができたらいいな。
2014/10/02(木) 09:50〜10:05
NHKEテレ1大阪
カラフル!〜世界の子どもたち〜[終]「天上の歌」[解][字]
パイプオルガンの音色に魅せられたスロベニアの少年が主人公。音楽学校でオルガンを習っているが、人気がない。そこで魅力を知らせるために自らオルガン作りに挑戦する。
詳細情報
番組内容
スロベニアに住むアンドラーシュ君(12歳)が夢中なのは「パイプオルガン」。演奏家を目指して音楽学校に通っている。しかし、学校でオルガンを習う生徒が少ないため、本格的なオルガンは買ってもらえない。そこで自分でオルガンを作ることを思いつく。学校で演奏すれば、みんな魅力に気づくと考えたのだ。しかし、挑戦直後から大きな壁にぶつかる。パイプから音がでないのだ。「自分には無理かも」と弱音になり…。
制作
〜EBU制作〜
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
趣味/教育 – 幼児・小学生
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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