シリーズ世界遺産100「ベルリンの近代集合住宅群〜ドイツ〜」 2014.10.02

(テーマ音楽)カラフルでユニークなデザインの家々。
労働者の理想の住まいを目指して造られました。
ドイツ・ベルリン郊外。
20世紀初め労働者のために造られた6つの集合住宅が世界遺産に登録されています。
当時技術革新によって鉄やガラスコンクリートなどの大量生産が可能になりました。
その新しい素材を駆使した近代建築の代表作です。
世界の住宅政策や都市計画に大きな影響を与えたことも評価されました。
20世紀初頭のドイツは急激な工業化の真っただ中。
都市の労働者の住環境は劣悪でした。
下水道もない不衛生なアパートに大家族がひしめき合い結核もまん延していました。
そうした状況を改善しようと立ち上がったのがブルーノ・タウトを中心とする建築家たちです。
ここはタウトが最初に設計したファルケンベルクの団地。
公共住宅は建設費用を抑えるため画一的にならざるをえません。
しかしタウトは独創的な色づかいやデザインによって同じ造りの家にも個性を持たせようとしました。
広々とした庭も造られました。
住まいとは建物だけでなく周囲の環境も含めて住む人を心豊かに幸せにするものでなくてはならない。
タウトの住宅造りの根底には当時としては先進的な考えがあったのです。
こちらはベルリン中央部から車で30分。
ブリッツの団地です。
タウトの思想の集大成と言われるブリッツ。
馬蹄形をした建物があふれんばかりの緑の中庭を囲んでいます。
心を癒やす緑を団地に住む誰もが平等に分かち合えるようにと建物を湾曲させたのです。
建設当初から80年近く住んでいるシェーンフェルトさんです。
狭いアパート暮らしだった両親が少々無理をして借りた部屋は65平方メートル。
リビングには日がたっぷりと差し込みます。
独立したキッチンは当時の労働者向けのアパートでは考えられない画期的なものでした。
清潔なバスタブとトイレも人々のあこがれでした。
世界遺産でありながら家賃は相場より安い5万円ほど。
両親との思い出が詰まった家です。
(シェーンフェルト)ご覧ください。
すばらしいでしょう?中庭にサクランボの木がありました。
夏休みのころになると実がなるので父は木によじ登ってたくさん取ってくれました。
母と私はよく2人でベランダの日だまりに座り父がもいでくれたサクランボの実から種を取ったものです。
2人してエプロンを着けてね。
住む人の幸せを考えた設計。
都市の便利さと豊かな自然の融合。
その先進性は今も変わらず人々の心を引き付けています。
2014/10/02(木) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ベルリンの近代集合住宅群〜ドイツ〜」[字]

労働者のユートピア ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
労働者のユートピア ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

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