戦国時代にタイムスリップした高校生のサブローは織田信長の身代わりとなり桶狭間の戦いでまさかの大勝利
その後…
(サブロー)俺美濃をとるからさ。
(帰蝶)はい。
(恒興)人の心が落ちれば城も落ちる。
調略というやつですな。
難攻不落の稲葉山城を何と戦わずして攻略
妻帰蝶の古里である美濃を見事手に入れたのでした
お久しゅうございます。
父上。
ずいぶん静かな所だね。
もうちょいにぎやかな所に移してあげた方がいいかな?お墓。
乱世を生き散っていった父にございます。
せめてこれからは静かな場所で安らかに眠ってほしゅうございます。
道三さん…俺美濃とっちゃいましたけどいいですよね?
(帰蝶)殿あれは何という鳥にございましょう?う〜ん…あっカモじゃない?池にいんのはだいたいカモでしょ?
(犬千代)あ〜殿あれは白鷺です。
白鷺だって。
(帰蝶)白鷺。
美しい鳥じゃ。
ん?ん?あ〜!?おにぎり〜!待て!俺のおにぎり〜!
(男性)うわー!
(男性)うっ…。
返してよ!俺のおにぎり!フフッ。
う〜ん…困ったな。
これたぶんピンチだ。
どうしたもんかな…。
おっ。
(ため息)
(沢彦)手荒なまねをして申し訳なかった。
(沢彦)しかしこんなにもたやすくさらわれるなどお主には大将としての自覚が欠けておる!え〜誘拐犯に説教されたくな〜い。
まあ今日のところはよい。
お主をここへ連れてきたのは会わせたいお方がおるからじゃ。
そのお方の名は明智光秀。
明智光秀?・
(足音)ん?
(信長)久しぶりじゃな。
あー!本物の信長!ハハハ!あっじゃあバトンタッチってことであとは頑張って天下とってください。
あ〜よかった。
これで信長から解放されるわ〜。
あっ。
でも俺これからどうしよう。
元の時代への戻り方分かんないしあっ何か職見つけないと。
あ…でも帰蝶もいるしあれ?何か色々めんどくさいな。
(信長)すまぬが…。
ん?わしがいまさら信長に戻ることなどできぬ。
今の織田家を築き上げたのはそなたであろう。
あ…まあ確かにいまさら入れ替わっても何かとめんどくさそうだし。
仕方ない!俺が責任持って信長続けますか。
(信長)ありがたい。
うん。
ところで何でわざわざ会いに来たの?
(信長)わしはそなたの力になりたいのじゃ。
遅ればせながらこの光秀信長さまにお仕えしたくはせ参じた次第。
どうかこれからは家臣明智光秀として信長さまの下で生きることをお許しいただきたい。
えーっと今日は皆さんに紹介したい人がいます。
明智光秀君です。
どうぞ〜!
(恒興)何なのだ?あの頭巾は。
(柴田)なぜ顔を隠しておられる。
(ミッチー)それがし肺を患っております故皆さまに病がうつらぬようこのような身なりをしておりまする。
ご容赦くだされ。
殿いったい何者なのです?ん?まあいいじゃないプライベートなことは。
ぷ?
(ミッチー)それがしは信長さまの上洛のお役に立てると思います。
(家臣たち)おお。
上洛の?そうそう明智君ね足利義昭さんと知り合いなんだって。
(恒興・柴田)えっ?
(ミッチー)義昭さまは将軍になりたがっておいでです。
そして自分を擁立し上洛をしてくれる大名を探し続けておるのです。
なるほど。
将軍後継者を擁しての上洛じゅうぶん大義名分も立つ。
(恒興)うん。
うん。
まあそういうこと。
織田家の目標はあくまでも天下統一なんでね。
そろそろ京都に上洛してもいいころかなと。
(家臣たち)おお!あんな感じでよかった?みんなへの紹介。
(ミッチー)ああ。
あとはもろもろ打ち合わせたとおり事を運んでゆくまで。
でもその覆面大変そうだね。
蒸れない?
(ミッチー)心配には及ばぬ。
何か申し訳ないですね俺と顔が同じばっかりにそんな覆面を…。
(ミッチー)いやいやわしと同じ顔なばかりにそなたは信長になる羽目になったのではないか。
ああそっか。
俺が謝ることないんだ。
あっそうだミッチーさ。
ミッチー?俺のことはサブローって呼んでね。
サブロー?俺の本名。
最近誰もサブローって呼んでくれないからさそのうち自分の名前忘れちゃいそうで…。
だからせめてミッチーはさ周りに人がいないときは俺のことサブローって呼んでよ。
分かった。
サブロー。
《ミッチーというのはわしの呼び名なのだろうか》・
(足音)ん?
(お市)兄上ー!庭で白い蛇を捕まえました!い〜よ…わざわざ見せに来なくて。
カワイイのに。
あっそうだおいっちゃん話があるんだった。
はい。
嫌です!なぜお市が近江の浅井家へ嫁がねばならぬのです!う〜ん…近江は上洛するときの通り道だからね。
近江の大名の浅井さんとは手結んどいた方がいいかなって。
(お市)フン!あっいやおいっちゃんにとっても悪い相手じゃないと思うんだよ。
浅井さんちの長政君は武将としてもなかなか評判いいし顔もかなりの男前だってもっぱらの評判で…。
男は顔ではありませぬ。
そうですか…。
とにかく!嫌なものは嫌です!お市は兄上のおそばにいるのが一番楽しいのです!えっ。
うーん…。
どうしようミッチー。
(お市)兄上ー!気持ちいいです!気を付けてよおいっちゃん。
はい!
(ミッチー)《幼かったあの妹が…何というかずいぶん伸び伸び育ったものだ》
(男性)お殿様!今日はいったい何のご用で参られたのですか?いや尾張の皆さんは元気にしてるかなぁと思って。
(男性)ご用があればいつでもお声をお掛けください。
うん。
どうもね。
(ミッチー)殿はよくこうして尾張に参られるのですか?うん。
実際見に来た方が人の様子も分かりやすいし。
天下統一するためにはまずは地元からでしょ。
(ミッチー)なるほど。
(ミッチー)慕われておりますな殿は。
(ミッチー)民をないがしろにしては国はおろか天下を治めることもできぬ。
殿はそれをよく分かっておられる。
国を守り家を守るということは決して簡単なことではない。
だからわしは殿の…信長さまのお役に立ちたいと織田家へ参ったのだ。
兄上のお役に?
(ミッチー)わしにできることは天下を目指す織田家のために自分に与えられた役目をしっかり果たすことだけだからな。
(ミッチー)いや姫さまに向かい出過ぎたことを。
お主…。
兄上に似ておるな。
声が!
(ミッチー)あっ声…。
おいっちゃ〜ん!帰るよ〜。
結構遅くなっちゃったな。
(お市)兄上!ん?お市が嫁げば兄上は助かるのですか?えっ?うん助かる。
助かるよ!おいっちゃんが嫁いでくれたら上洛できるもん。
(お市)では嫁ぎます!その浅井とやらの元へお市は嫁ぎます。
兄上と織田家のために嫁ぎます!おいっちゃん…。
(義昭)お主が織田信長なのか?
将軍後継者候補筆頭足利義昭
はい。
どうも。
初めましてこんにちは。
(義昭)わ…わしの想像ではあれだぞもっと勇ましい男らしい男を想像しておったぞ。
お主のような男が本当に頼りになるのか?えっ?男は!見た目じゃありません。
な…うっ…。
ってうちの妹が言ってましたよ。
妹?まあ見ててくださいって。
無事に京都まで行って将軍にしてもらえればいいんでしょ?あした出発します。
あっあした!?はい。
準備はもうできてますんで。
まあ義昭さんには取りあえずここで待っててもらって落ち着いたら迎えの兵をよこしますんで。
じゃあ帰蝶行ってくるね。
はい。
・
(家康)信長殿!うん?おお家康君。
ありがとね援軍出してもらっちゃって。
(家康)いえ信長殿のご上洛という晴れ舞台に参加させていただき光栄にござりまする。
しかし…それにしてもお美しい奥方さまにござりますな。
・
(恒興)殿!ん?
(恒興)全軍の準備整いましてござります。
では皆さん!いざ京都へ!
(家臣たち)おー!
(ミッチー)どうなされたのじゃ?池田殿。
明智殿は知らぬかもしれぬが織田家は少し前までは尾張の一部を有する小さな土豪にすぎなかった。
それが今…このような大軍で京を目指しておるのかと思うと感極まる。
(ミッチー)《恒興…》
(恒興)信じられぬであろうが殿は昔病弱だったのじゃ。
(ミッチーのせき)
(恒興)それがある日突然人が変わったように丈夫になられ…。
《どうも〜お待たせしました》《とうっ。
うわっ!どいて〜!》《よっしゃ〜!》《エネルギーチャージ!》《まさしく虫よけ》《信長なんかやってられるか》
(平手)《若!》
(恒興)そんな殿についてゆくのは大変であったが…。
《信長は天下をとる男だぞ!》頑張ってついてきたかいはあった。
(ミッチー)《苦労を掛けたな恒興》《しかしわしでは…わしの力量では織田家を支えることすらできなかったかもしれぬ》《あの日たまたまわしの目の前に現れた少年は天が織田家に与えた救いの神かもしれぬ》
そして京に入ったサブローは都を支配していた三好三人衆を四国阿波へと追いやりもう1人の実力者松永久秀を降伏させたのです
で義昭さんを将軍にしてもらうにはどうしたらいいの?いつもながら唐突ですな。
うん。
やはりまずは朝廷に出向くのでしょうな?
(ミッチー)いかにも。
殿が朝廷へ出向き義昭さまの名代として天皇に将軍宣下の嘆願書を奏上するのです。
ふ〜ん。
じゃ取りあえず俺行ってくるわ。
行くってどこへ?だから朝廷。
いやですからまず嘆願書を書かねば!
(恒興)それにお分かりなのですか?朝廷での作法とか。
作法?そんなのあんの?お辞儀とかしてりゃいいんじゃないの?もうじきここへちまたで噂の織田信長という男が参るそうじゃ。
(公家)どんな男なのでしょうか?
(公家)しょせんは田舎者よ。
見た目も態度も下品に決まっておろう。
古来より武士とは野蛮でむさ苦しい者どもと決まっておるのじゃ。
(公家たち)オホホホホ!ホホホホ…。
(公家)のうあのお方は誰じゃ?
(小姓)織田信長さまにございます。
(公家たち)えっ!?朝廷どうだった?面白かった?いや面白くはないが…。
将軍の件はうまくいきそう?うむそれは問題ないと思う。
そっかご苦労さま。
ありがとね。
いやしかし…まさかわしが朝廷に行かされるとは。
ナイスアイデアでしょ?うん?こういうときこそ同じ顔を活用しないとね。
ってことでこれからも朝廷とのやりとりはミッチーお願いね。
(ミッチー)分かった。
とこのようにして室町幕府第十五代将軍足利義昭が誕生しました
わが父よ!わしのために尽力してくれたこと誠にありがたく思うぞ!オッホホ〜。
わしはそなたの力量に大いに感動した!あ〜あの…聞き間違いかもしれませんけど今「わが父」っておっしゃいませんでした?うん?言った。
言ったぞ〜。
わしはそなたを敬意を込めて父と呼ぶことにしたのじゃ!いや勘弁してください。
え〜!?あっそうじゃ!そなたに副将軍の地位を与える!どうじゃ?小躍りするほどうれしかろう?ホッホ〜!あ〜俺…別にそういうのいらないっすね。
なっ!?なぜいらぬ!副将軍じゃぞ!まあでも俺が狙ってるのは天下なんで副将軍とかいらない。
じゃあまあそういうことで美濃に帰ります。
帰る!?帰るのか?もう?はい。
取りあえずやるべきことは済んだし。
わ…わしはどうするのじゃ?そなたがいなくなって京は大丈夫なのか?うん…あとは自分で何とかしてください。
将軍さんなんですし。
かくして織田軍は瞬く間に京を去ることに
あっ!本能寺だ。
(ミッチー)この寺が何か?ここね信長が殺される場所なんだよ。
本能寺の変とかっていう結構有名な事件でさ…。
殿…。
(恒興)また訳の分からぬことを。
《本能寺の変…》でね犯人はね…。
あ…。
(ミッチー)あ?あ…あ…。
(ミッチー)あ?あれ?誰だっけ?忘れちゃった。
(ミッチー)もし本当にその本能寺の変とやらが起こるというのならわしが止めまする。
誰にも殿を殺させなどいたしませぬ。
おお!心強いねミッチー。
こうして二人の信長のコンツェルトが始まったのです
ここは信長の妹お市の嫁ぎ先近江小谷城
夫浅井長政との間にはすでに姫君も生まれ…
(乳母)姫さまお待ちください!
(長政)おおっと…。
(乳母)茶々姫さま!お待ちください!
(長政)もうあれほど動き回れるのか茶々は。
(お市)長政殿似にございまするな。
(長政)ん?いや…どう考えてもあれはそなた似であろう。
(お市)そうでしょうか?りりしい眉は長政殿にそっくりにございます。
ああ眉はな。
・
(家臣)殿。
(家臣)大殿さまが参られております。
父上が?
(家臣)重要なお話があるとのことにござります。
分かったすぐ行く。
ではお市も挨拶に。
いやその必要はない。
そなたはここにいなさい。
やっと捕まえました。
なぜ…将軍がこのような文をよこすのです!
(サブロー)えーお集まりの皆さんこんにちは!えー本日は遅ればせながら浅井さんちに嫁いだおいっちゃんの出産祝いとことしも無事お米の収穫を終えられた領民の皆さんに感謝を表し織田家家臣による相撲大会をご覧にいれたいと思いまーす!
(一同)お〜!
(サブロー)家臣団の皆さん!もちろん本日は無礼講です。
優勝者には賞金を差し上げますので頑張ってください!
(家臣たち)おー!
そして始まった相撲大会
何やかんやで取組は進み…
森可成
前田利家
(藤吉郎)いや〜お強い。
完敗じゃ。
そして佐々成政が勝ち残りました
(恒興)森殿のお相手は…?ああここは俺です。
(恒興)えっ…殿!?今からにござりますか?少々ずるくはありませぬか?いいんです。
殿様にはシード権があるんです。
(恒興)しいど?
(森)殿。
(森)本日は無礼講でしたな?もちろん。
・
(蘭丸)父上!
(森)ん?
(蘭丸)お殿様に勝つなどまずいです。
もしご機嫌を損ねでもしたら父上の首が吹っ飛びまするぞ!蘭丸…。
父上に死なれたらわれらの生活はままなりませぬ!父上。
ここはしっかりと負けておくのが利口な大人の生き方というものではありませぬか!?本当の意味での勝利というのはこの乱世を生き抜いてこそ。
(長可)ふん!
(蘭丸)うわっ!
(長可)黙れ蘭丸。
兄上はそうやってすぐ腕力に物を言わせ人をねじ伏せようといたしまするがそれでは立派な武将にはなれませ…。
(殴る音)
(蘭丸)あっ…!息子が無礼なことを…。
お許しくだされ。
蘭丸君!勝負事とは真剣にやってこそ価値があるのだ!覚えておきなさい!はい。
ということで決勝トーナメント開始しまーす!
(森)《やはり今までの相手とは迫力が違う》《体格ではわしの方がよほど有利だが…油断はできぬ》はっけよーい…のこった!うわっ!
(恒興)のこ…!
(森)ぬ…おりゃー!
(落ちる音)ああ…飛んだわー。
殿!申し訳ありませぬ。
思わず力いっぱい投げ飛ばしてしまいました。
アハハ…いやいや。
しかし目の前で手をたたくというのは意表を突かれ申した。
まあ大きい人に勝つには工夫が必要かな〜と思って。
負けちゃったけど。
じゃあ可成さん優勝目指して頑張ってください。
はっ。
ありがたきお言葉にござります。
不利な相手にも臆することなく立ち向かってゆく。
さすがお殿様じゃ。
学ばねばならぬ。
準決勝第2試合は前田利家対佐々成政
粘るな〜…2人とも。
もう10分近くやってんじゃないの?・うっ…はい!おっ!
(恒興)前田利家!
この結果決勝戦は森可成と前田利家の対決となりました
しかし…
(利家)あれっ!?
佐々成政との試合で疲労困憊の前田利家はあっさりと敗北
(恒興)森可成!優勝おめでとうございます!
(森)はっ。
(子供たち)アハハ!父上!
(ミッチー)殿。
ん?
(ミッチー)大和の大名松永久秀殿がお目通り願いたいと参っておりまする。
ねえ。
松永久秀さんってさ俺が京都に着いたとき真っ先に降伏の使者を送ってきた人だよね?
(ミッチー)いかにも。
噂では大層変わっていると聞きまするが…。
前の将軍を殺した男であります故くれぐれもお気を付けくだされ。
うん。
・
(恒興)困りまする松永殿!そのような格好でおられては…。
恒ちゃん?どうしたの?
(恒興)殿!
(ミッチー)あっ。
えっ…。
(松永)おう。
お前が織田信長か。
何だ何だ思ってたよりずいぶんと甘っちょろい顔した若造じゃねえか。
俺はこんなやつに降伏したのか?
(ミッチー)なぜ背中にあれほど精巧な絵が…。
おっ度肝抜かれてやがるな。
そうだろう!これはよう選ばれた男だけに与えられる紋章よ。
天に選ばれた男だけにな。
偽りを申すな!ただの絵であろう!絵じゃねえ!洗ったって落ちねえよ。
これは体に刻み込まれたもんよ。
一生消えねえ。
(ミッチー)まさか…絵の刻まれた体で生まれてきたというのか!?
(松永)おうよ!真に選ばれた男にだけ授けられる体よ。
てめえらにあるか?おう?信長さんよ。
あんたはどうなんだ?それ入れ墨ですよね?あっ…。
(ミッチー)いれずみ?そう!よくヤクザの人とかがやってるやつ!すっげ〜俺こんなの生で見たの初めてですよ!
(松永)面白え。
その反応は予想外だ。
気が合いそうだな信長さんよ。
あっ…。
日を改めて2人きりで話がしてえ。
はあ…。
(ミッチー)松永殿!いいかげんにしていただきたい。
殿に触れるなど無礼極まる!まあそう怒るな。
俺がここへ来たのは別に背中を見せびらかすためじゃねえ。
土産を持ってきたのよ。
何それ?将軍からの密書だ。
何て書いてあんの?「信長を討て」だ。
(恒興)なっ!?
(松永)ひでえ話じゃねえか。
え?将軍に仕立ててやってよ立派な御所まで建ててやってその揚げ句が「信長を討て」だと。
恩も何もあったもんじゃねえなぁ。
まあその手紙はあんたに預けておくぜ。
今んとこ何の力もねえ将軍に呼応する気なんざねえからな。
今んとこ…ですか?ああ。
今んとこだ。
(長政)まさか父上はこの密書に従う気にございまするか!?織田を討てという…。
わが浅井と織田はわしとお市の婚姻によって同盟関係にあるのです。
それを…破れと!?
(久政)青臭いことを申すな長政!
(久政)同盟などあってないようなものではないか。
(久政)このままあの男をのさばらせておけばいずれ増長した信長はこの浅井に臣従を迫ってこよう。
そしてもしそれを断れば…。
浅井は滅ぼされる。
(久政)いずれにしてもどうすべきかを決めるのは浅井の当主であるそなたじゃ。
何て読むんだっけその字…。
(沢彦)岐阜じゃ。
あっ岐阜か。
あっ岐阜県の岐阜だ!えっでも何で突然岐阜?
(ミッチー)井ノ口という名を改め岐阜と命名してはいかがかと思うてな。
和尚が考えてくれたのだ。
井ノ口ってこの稲葉山城の城下町の名前だよね?えっ岐阜にすんの?
(沢彦)お主は天下を狙っておるのであろう?井ノ口という名少々迫力に欠ける。
えっ?えっ?もしかしてその岐阜って俺が名付けちゃうの?そなたは領主だからな。
土地の名を改めるのも役目。
いや〜まさか俺が岐阜県の名付け親になっちゃうなんて…。
ちょっと感動なんですけど。
じゃあ今日からここら辺は岐阜県ってことで!「けん」はいらん。
岐阜じゃ。
「けん」とは何じゃ?和尚あれを。
(沢彦)うむ。
(沢彦)お主にこれを渡しておこう。
天下を狙うお主にふさわしい印を作らせておいた。
はんこ?
(ミッチー)天下布武と読む。
武をもって天下を治めるという意味じゃ。
へぇ〜カッコイイじゃん。
天下布武!
(お市)それ高い高い!やはり眉は長政殿そっくりじゃ。
活発なところは…。
兄上似じゃな。
フフフフ…もう一回!
(利家)4軍団?
(丹羽)ああ。
4人の大将を任命しその者を中心に軍を動かしてゆくということらしい。
4人の大将か。
わし選ばれるかな?
(佐々)ハッ。
(利家)なぜ笑う?いや。
大将には大将にふさわしい器というものがあろうと思ってな。
あるぞわしには大将にふさわしい器。
自分を買いかぶってもろくなことないぞ。
何!?ああ?あっ!?何だ?あっ?
(佐々・利家)あっ?あっ?
(森)お〜お〜。
相変わらず仲が良いのう。
お主らは。
森殿。
(森)大将か…。
ハハッわしかな。
相撲大会の見事な勝ちっぷりは記憶に新しい。
いや…。
(利家)相撲は関係ないじゃろ。
柴田勝家さん。
丹羽長秀さん。
明智光秀君。
そして木下藤吉郎君。
(一同)お〜。
以上!この4名を軍団長に任命したいと思います。
殿がお決めになった人選じゃ。
深い考えがおありなのだろう。
うん。
うむ…相撲は関係なかったか。
殿!それがしのような下賎の者がこのような大役を仰せ付かるとは…。
藤吉郎君は戦のとき積極的だし動きも身軽で仕事も早いからね。
遊撃隊長的な感じで活躍してもらおうと思ってますんでよろしくね。
(藤吉郎)恐れ多いお言葉恐悦至極に存じまする。
つきましてはそれがしこの大役にふさわしい名に改めたいと思うのですが。
ん?何?改名すんの?はっ。
恐れ多いことではございまするが丹羽長秀さまの「羽」柴田勝家さまの「柴」そして明智光秀さまの「秀」最後はそれがしの名の「吉」を残し羽柴秀吉と名乗りとうございまする。
ふ〜ん。
ご立派なお三方の名を頂くことでそのご威光に少しでも近づくことができたらと。
(柴田)《まったく調子のよい男じゃな》
(ミッチー)《何というか抜け目ない男じゃ》「丹」ではなく「羽」か。
羽柴…丹柴…。
秀吉?
(藤吉郎)はっ。
っていったらすごい有名人だよね?歴史上の人物で。
その人と同じ名前じゃん。
うんいいんじゃない?秀吉君これからも頑張ってね。
(秀吉)はっ!それがしは無知故存じ上げませぬが歴史上の偉大なお方と同じ名とは光栄なことにござりまする。
名に恥じぬよう精進いたしまする!うん。
じゃあ早速だけど秀吉君には朝倉討伐の先陣をお願いします。
(一同)おー!
(秀吉)はっ!おお!いきなりの大仕事。
殿は羽柴殿を信頼しておいでなのじゃな。
(秀吉)《信長お主は甘いのう》《ここまでくればあとはわしに忠誠を誓う臣下を増やし機を見て織田家を乗っ取ればよい》《たかが一匹の忍びにすぎなかったこのわしが天下人となる日も近い》
(ミッチー)殿そろそろ。
あっそうだ。
みんなに紹介しなくちゃいけない人がいました。
半兵衛君!えー光秀君の推薦で織田家に仕えることとなった竹中半兵衛君です。
(どよめき)ずいぶん前からうちに来てってお願いしてたんだけどようやっと来てくれました〜。
パチパチパチパチ…。
あれが殿ですら手を焼いたこの難攻不落の稲葉山城をたった16人で奪い取ったという…。
(柴田)天才軍師…。
ほら拍手!パチパチパチ…。
・
(松永)ホントに1人で来るとはな…。
俺に殺されるかもしれねえとは思わんのか?いや今んところは。
ていうか何でその格好?てめえに昔の俺を見てもらいたくってよ。
つっても中身は昔と変わんねえ。
俺は力こそが全てのヤクザもんよ。
それにしても戦国時代に来てお巡りさんとヤクザさんに会えるとは…。
何ぶつぶつ言ってやがる。
てめえはいつから来た?何者だ?俺は高校生のときにタイムスリップしてきました。
高校生?まあ今はもう高校生じゃないですけど。
そんながきのころにこっちに来たのかよ。
はあ…。
でどうよ?戦国の世は。
はあ…。
俺は気に入ってるぜ。
ケンカに強い者が生き弱い者が死ぬ。
血筋も生い立ちも学歴も肩書も意味なんかねえ。
強ければどこまでものし上がっていける。
こんな生きがいのある世はねえぜ。
はあ…。
おいてめえはどうなんだよ信長。
この戦国の世は生きがいがあんのかよ。
俺は…。
信長になっちゃったからには天下とらなきゃと思って生きてきましたけど。
天下?織田信長っていやぁ学のねえ俺でも知ってる名だ。
はあ…。
そうか。
信長ってのは歴史上天下をとった男なのか。
俺はそう思ってるんですけど…違うんですか?俺が知るわけねえだろ!とにかく俺天下とるつもりなんで今日はそれを松永さんにもちゃんと伝えとこうかなと思って来ました。
お…おう。
(久政)すでにその方らの耳にも入っているであろうが信長が朝倉へ進軍を開始した。
信長を討つべし。
(長政)あっ…。
…とわしは考えておる。
(遠藤)同盟相手の織田を裏切ると?
(久政)信長との同盟は破ることになろう。
が…。
信長を討つことは将軍さまのご意向でもある。
(磯野)将軍さまの!?
(久政)さよう。
将軍は逆臣織田信長を討てという密書を各地の有力大名に送っておられるのだ。
そうした大名が将軍の命に従うとすれば…。
信長はいずれ孤立し窮地に立たされるのではないか?うむ。
それがしは信長を討つことに賛成にござりまする。
(家臣)将軍さまの命となればわれらに正義があるということじゃ。
(家臣)おおそうじゃ。
朝倉と共に信長を討ちましょうぞ。
(お市)茶々〜!茶々〜!
(お市)どこじゃ〜?茶々!
(久政)長政。
まさか奥方に遠慮をしておるのではあるまいの?今回の朝倉攻めで信長がいかなる男か分かったであろう。
自分の意に従わぬ者は滅ぼす。
その矛先が浅井に向く日が来るやもしれぬ。
そうであろう。
(久政)答えよ長政。
(お市)また子ができました。
(長政)お市…。
そうか。
子が…。
子を産むのは大変だからやです。
そんなことを言うな。
お市わしは…。
ん?いや…。
またそなたに似た元気な子が生まれるとよいな。
また?茶々は長政殿似です。
ハハッ…あの子がわしに似ておると言うのはそなただけだぞ。
(お市)あっそうじゃ長政殿茶々を知りませぬか?いや。
またいなくなったのか?
(お市)はい。
あの子はすぐいなくなるのです。
まったく…そこら中動き回るところは兄上そっくりじゃな。
(お市)茶々どこじゃ〜?茶々どこじゃ〜?
(長政)すまぬ…。
茶々どこじゃ〜?
(長政)お市…。
(お市)茶々〜。
(久政)今回の朝倉攻めで信長がいかなる男か分かったであろう。
(久政)自分の意に従わぬ者は滅ぼす。
その矛先が浅井に向く日が来るやもしれぬ。
そうであろう?答えよ長政!
(長政)本日よりわが敵は…。
織田信長である。
(お市)茶々〜!茶々〜。
あっ。
いた。
(お市)茶々起きよ。
茶々!フゥ…。
(お市)変な顔。
・
(家臣)しかしよく殿は決断なされたな。
・
(家臣)うむ。
織田を破り信長の首をあげたとなれば浅井の評判はとどろくぞ。
・
(家臣)昔今川義元を討ち名を上げた信長を今度は浅井が討ち名を上げるのじゃ!
(家臣)うむ。
前後を挟み撃ちにすれば必ずや討ち取れる。
信長を袋のねずみにできるのだからな。
兄上が袋のねずみ?あの者たちはいったい何を申しておるのじゃ。
(ミッチー)思った以上に朝倉勢は手応えがありませぬ。
城を落とすまでもう少し時がかかると思いましたが。
(サブロー)うん何かさ朝倉の人たちはよろいが重そうだったよね。
(半兵衛)確かにわれらよりは多少古風な具足を身に着けておりましたな。
(サブロー)もっとさ軽量化すればいいのにね。
そうすればもっと兵の動き良くなるのに。
(ミッチー)殿敵兵の動きが良くなっては戦いにくうなりまするぞ。
あっ確かに。
(半兵衛)殿明日は金ヶ崎城を攻めるのですね?うん。
でもまあ本当は降伏してほしいんだけどね。
今日の戦いを見てれば兵力の差も明らかだしそれは朝倉も分かってると思うんだよね。
だから使者送って降伏促してみるつもりだけど…。
(ミッチー)最善だと思いまする。
金ヶ崎城を攻略すれば木ノ芽峠を越え朝倉本拠一乗谷へなだれ込むことができる。
朝倉討伐も目前ですな殿。
うん。
・
(足音)お市。
どこへ参るのですか?
(長政)早々に伝えようと思っていたのじゃが何かと慌ただしくての。
実はこれより信長殿の援軍に参るのじゃ。
援軍?武運を祈ってはくれぬのか?いつも祈っておりまする。
長政殿と…。
兄上に。
(長政)行ってまいる。
(長政)織田の大軍にひるむことはない!狙うは信長の首一つ!
(一同)うおー!!
(秀吉)殿思った以上に順調な戦運びにござりまするな。
(秀吉)こうも簡単に朝倉が降伏するとは。
でもまあ油断はしないようにね。
(秀吉)はっ!重々肝に銘じておきまする。
(佐々)殿!ん?
(佐々)小谷のお市さまからこのような物が。
おいっちゃんから?何これ?
(佐々)中身はアズキのようにございまする。
アズキ?何でアズキ?
(佐々)さあ?あっそういうことか!
(ミッチー)ん?
(ミッチー)《何じゃ?このにおいは》いやー砂糖がなかったのは残念だったね。
やっぱあんこは甘くないとなぁ。
いや塩味もおいしゅうござりまする!うーん…。
まあ汗かいてるから塩分取った方がいいしね。
はい。
(ミッチー)殿いったい何を?ああミッチー!おいっちゃんがアズキ送ってきたからさ食べて元気になってねってことかと思って。
(ミッチー)お市さまが?
(ミッチー)《陣中見舞いにしてはずいぶんと少量な…》
(ミッチー)殿他に何か文などは入っていなかったのですか?いやアズキだけだよ。
(半兵衛)変わっていたといえば。
うん?アズキ袋の両端がしっかりと結ばれていた。
ということくらいでしょうな。
(ミッチー)両端が?何か含まれておるとお思いか?竹中殿。
(半兵衛)「袋のねずみ」という暗示だとすれば大ごとにござりまするな。
(ミッチー)袋のねずみ…。
どういうこと?浅井が裏切った…ということです。
(ミッチー)確かにもし今近江の浅井が攻め寄せれば北に朝倉南に浅井と挟み撃たれ退路を断たれた織田軍はこの敵地に押し込められる。
すなわち袋のねずみ。
むろん確証などありませぬが。
(佐々)浅井の裏切り…。
(恒興)まさか!うーん袋のねずみ…。
分かりにくい。
・
(利家)殿ー!
(利家)浅井の軍勢がこちらに向かっておりまする!浅井長政殿裏切ったと思われまする!
(恒興)いやしかしにわかには信じられぬ!このアズキとて誠にお市さまからの物かどうか。
いやこれはおいっちゃんからでしょう。
だってヘビ柄だよ?こんなの使うのおいっちゃんくらいでしょう。
(ミッチー)殿いかがいたしまするか?
(佐々)一乗谷は目前だというのにここで引いてはあまりに惜しい!何とかここで浅井を迎え撃つ策はないのか!?無理じゃ。
小谷城は近い。
もはや陣を移す猶予など…。
・
(物音)
(恒興)殿…何を!?身軽な方が速いでしょ?この戦は負け!ってことで俺は逃げる!全軍撤退!
これが後に「金ヶ崎の退き口」と呼ばれ戦国史上に刻まれることとなる退却戦の始まりでした
(秀吉)殿!あっ何?秀吉君。
それがしにしんがりをお任せいただけませぬか?ああしんがりね。
忘れてた。
(秀吉)それがしにお命じいただければこの命を賭して浅井朝倉軍を食い止めてみせまする!羽柴殿…自らしんがりを買って出るとは。
この状況で大軍のしんがりとなれば生きて戻るは難しいぞ。
(恒興)ああ。
分かった。
しんがりは秀吉君に頼む。
はっ!生きて戻ってね。
はっ!ありがたきお言葉。
(柴田)浅井が裏切ったというのは誠か!?
(ミッチー)柴田殿…と丹羽殿。
(柴田)殿はもうここにはおられぬのか?
(ミッチー)はい。
浅井の裏切りの知らせを聞きすぐさま撤退を告げられ駆け出してゆかれました。
(柴田)相変わらずあきれるほどの素早さじゃな。
で兵はどの程度連れてゆかれた?あの殿のことじゃこういうときは少ないであろう。
500…いや300か?
(ミッチー)10騎ほど。
(柴田)そうか10…。
10騎!?そ…そんな少人数で危険ではないか?
(ミッチー)兵が多いほど動きが鈍り敵の目にも付きやすいのは事実。
(半兵衛)ここは迅速さを優先し少人数で動かれた殿のご武運を祈るしかありませぬ。
(丹羽)そうとあらばわれらも一刻も早くこの金ヶ崎を脱し京へ向かうことを考えましょうぞ。
(柴田)うん。
皆おのおの兵を率い即刻退却いたそう。
しかし問題はしんがり…。
(秀吉)しんがりはそれがしにござる。
先ほど殿に掛け合い許可を頂き申した。
(柴田)さようか!苦しい戦になろうがお頼み申す!
(秀吉)お任せくだされ!方々のご武運を祈っておりまする。
(秀吉)ではそれがしはこれにて。
最も過酷を極めるしんがりだというにずいぶん余裕を感じるのう。
(丹羽)無理をしておるのか。
それともしんがりとしての戦に自信でもあるのか…。
羽柴秀吉。
あの男もよく分からぬ男じゃ。
(秀吉)《今の信長の立場》《まさにかつての今川義元公じゃ》《しんがりのわしが裏切れば織田は壊滅》《信長今度はお前が滅びる番よ》《義元公を討たれたあのときの屈辱》《今晴らしてやるわ!》・
(ミッチー)羽柴殿。
・
(ミッチー)話がある。
・
(伝令)殿!いかがした?
(伝令)織田軍こちらの動きを察し退却の準備を進めておる様子にござります。
(遠藤)何!?
(長政)退却…!?誠に退却か?
(伝令)はっ。
《早い…》《こんなにも早く退却の決断を下すとは…》《信長にとってここは朝倉を滅ぼすまたとない好機のはずじゃ》《それを全て捨て退却とは…》《普通の男ならばできぬ決断》
(遠藤)殿。
急ごういずれにせよ兵を動かすには時がかかる。
信長の居所はつかめておろうな?それが本陣に信長らしき男の姿は見当たらぬのです!何!?信長が…。
消えた!?
(恒興)許せぬ!殿は浅井殿を心より信用しておられたというに!まあね。
それがしも悔しいでござる!裏切り裏切られこれが戦国の世でござるか…。
何最後に笑うのはわが殿じゃ!
(秀吉)撃てー!引け!これ以上の間は詰められるな!鉄砲にひるむな!馬上の男の首をとれ!くそっ…このままでは危うい。
・うぉー!!
(秀吉)おっ!おおっ。
竹中の美濃兵か。
さすが強い。
鉄砲弓用意!撃てー!下がれ!敵兵との距離を保て!《くっそ…織田を裏切るはずのわしがなぜ必死に織田のしんがりを務めねばならん!》
(ミッチー)《話とはわれらもしんがりに加わらせていただきたいということじゃ》
(秀吉)《な…!》
(ミッチー)《細かく言えばわしの軍はしんがりの二番手として羽柴殿の軍を背後から援護いたす》《構いませぬな?》
(秀吉)《いや明智殿…!》《微力なれどそれがしが率いる美濃兵は羽柴殿の軍に加わらせていただきたい》《兵の数は少しでも多い方がよかろう》《いやーありがたい!》《お二人の心遣い胸に染みまする!》《がお二人とも分かっておられよう》《しんがりには多くの犠牲が付きものじゃ》《何もわざわざその犠牲を増やすことはありますまい》《明智殿はまだまだ織田家には必要なお方じゃ》《ここはわれら羽柴軍の力を信じてお任せくだされ!》
(ミッチー)《羽柴殿》《これは何も羽柴殿への厚意で申しているのではない》《われらも織田家のために殿をお守りするためにこの力尽くしたいのじゃ》《この思い…》《羽柴殿も同じであろう?》
(ミッチー)《共に戦いましょうぞ》《中に竹中後ろに明智》《これでは裏切れぬではないか!》《くっそ…やつらわしの思惑を感づいておるのか?》《だとすればこちらが妙な動きを見せた瞬間襲い掛かってこよう》《そうなればわしの軍は逃げ道を失い全滅する!》《もはや生き残るすべは死に物狂いでこの退却を成功させる以外ないではないか!》くそーっ!撃てー!!
(義昭)何!?信長が帰ってきた?
(家臣)はっ。
昨夜京に到着したとのことにござります。
し…しかしそれはちとおかしいのではないか?浅井長政が裏切り信長を挟み撃とうとしておるという知らせを聞いたのはつい昨日のことだぞ。
それなのにもう信長は帰ってきたというのか。
あん!?
(家臣)おそらく裏切りに気付いたと同時に退却を決断なされたのかと。
ええ!?あっ…。
(秀吉)《ハァ…さすがに疲れたな》・お〜い!おかえり!ご苦労さ〜ん!大手柄だよ秀吉君!
(秀吉)ありがたきお言葉に存じまする!よく戻ったね。
はっ。
(ミッチー)どう思われた?
(半兵衛)別段怪しい動きがあったようには思えませぬ。
必死にしんがりを務めておったように見受けられ申した。
(ミッチー)あの男を危険と思うはわれらの杞憂であったろうか…。
さあ。
あの男の真意はまだ図りかねまするな。
(家臣たちの笑い声)
(磯野)信長の慌てぶりが目に見えるようじゃ。
信長の失墜は確実じゃ!ああこの戦われらの完勝ぞ!
(笑い声)・
(床をたたく音)
(久政)ぬぅ…!何を浮かれておる。
信長の首を逃したことの重大さをそなたらは分かっておらぬのか?
(久政)この戦の目的はただ一つ。
信長の首をあげること!雑兵数千の首を討ち取ったところで何にもならぬわ!父上。
(久政)ん?皆分かっておりまする。
しかし今はどうぞ皆をねぎらってやってくださりませ。
殿!南近江を平定しすぐに浅井攻めに取り掛かりましょうぞ!裏切り者を放置しておけば新たな裏切りを生みまする。
殿のご意見は?俺さ…天下に近づけば近づくほど敵は減っていくもんだと思ってたんだけど何かそうじゃないみたいだね。
むしろその逆。
それじゃあいつまでたっても終わんないんじゃないかな。
殿!!おお…はい。
(恒興)そのようなことをおっしゃられては困りまする!殿はいつだって自信に満ちあふれた顔で「天下をとる」とわれらを前におっしゃってきたではありませぬか!
(利家)そうですとも!殿のその揺るぎない自信と自信どおりの成果に魅せられわれらはずっと殿に付いてまいったのです!
(森)そのような弱音を吐かれるは殿らしゅうないと存じまする。
あ…あれ?いや弱音を吐いたつもりは…。
ちょっと感想を言ってみただけなんだけど。
・
(柴田)殿!われらはもう後には引けませぬぞ。
ここで止まれば織田家はつぶされまする。
止まるわけにはゆきませぬ。
走り続けねば天下などとれませぬぞ!分かってるよ。
別に止まる気なんかないよ。
浅井と戦って勝つ。
俺は天下とらなきゃいけないからね。
(柴田)殿。
ん?浅井と戦うはもちろんのことにござりまするが一つ気掛かりが…。
おいっちゃんのこと?お市…。
そなたは嫁いできたころから申しておったな。
「兄上の方が面白い」と。
敵にしてみて初めてその意味が分かった気がする。
確かに信長とは面白き男じゃ。
そなたの兄は単騎で戦場を逃げ出したらしい。
家臣も兵も置き去りにして…。
信長は賭けたのじゃ。
大軍の兵力より少数で逃げ切る速さに。
そして信長は賭けに勝ち生き延びた。
お市。
そなたの兄はよほど運が強いとみえるな。
兄上には勝てませぬ!兄上には勝てませぬ。
(長政)分からぬ。
現に今回はわれらが勝った。
でも兄上は生きておりまする。
確かに信長を討てなかったのは痛い。
だが…これからだ。
(長政)これからだ。
(お市)長政殿…。
(長政)お市信長からそなたを戻すように文が届いておる。
戻る気はありませぬ。
長政殿を説得します!2014/10/02(木) 02:18〜03:57
関西テレビ1
アニメ・信長協奏曲[字]【小栗旬・柴咲コウの月9ドラマは10月13日からスタート!】
意外な人物が登場!サブロー一派は次期将軍に足利義昭を擁立し2度目の上洛を果たす。帰途につくサブロー一行は、信長暗殺の地、「本能寺」に立ち寄るが。。。
詳細情報
番組内容
月刊漫画雑誌「ゲッサン」(小学館)で2009年から好評連載中の大人気漫画「信長協奏曲」(のぶながコンツェルト/石井あゆみ著)を映像化。まず「テレビアニメ」を放送、2014年10月から「連続ドラマ(実写)」、さらにその後、「劇場映画(実写)」と展開していく超大型プロジェクト。
月刊漫画雑誌「ゲッサン」(小学館)で好評連載中の大人気漫画「信長協奏曲」は、「マンガ大賞2012」、
番組内容2
「このマンガがすごい!2012」、「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」など、数多くの賞にノミネートされる人気作で、現在コミックス1〜10巻が発売中。
勉強が苦手で歴史についても無知という、どこにでもいそうな高校生のサブローが、突然、戦国時代(1549年)にタイムスリップしてしまい、そこで出会った自分の顔とそっくりな本物の織田信長に、
番組内容3
「病弱な自分に代わって、織田信長として生きてほしい」と頼まれ、天下統一を目指すという物語。
出演者
サブロー:宮野真守
織田信長:梶裕貴
帰蝶:水樹奈々
木下藤吉郎:中村悠一
お市:悠木碧
池田恒興:興津和幸
柴田勝家:小山力也
前田利家:浅沼晋太郎
佐々成政:三宅健太
丹羽長秀:高橋伸也
沢彦:緒方賢一
徳川家康:福山潤
竹中半兵衛:櫻井孝宏
浅井長政:木村良平
森可成:杉崎亮
森長可:吉野裕行
森蘭丸:村瀬歩
足利義昭:杉田智和
【ナレーション】
小栗旬
スタッフ
【音楽】
横山克(『荒川アンダーザブリッジ(アニメ)』シリーズ、ドラマ『福家警部補の挨拶』)
【プロデュース】
尾崎紀子(『四畳半神話大系』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』など)
【監督】
冨士川祐輔(映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」タイトルバックディレクター、『オデッサの階段』総合演出)
スタッフ2
【脚本】
高橋ナツコ(『もやしもん(アニメ・実写)』シリーズ、ドラマ『サザエさん』、『一休さん』)
ご案内
【公式サイト】
http://www.fujitv.co.jp/nobunaga−concerto−anime/
【ツイッター公式アカウント】
@nobuconofficial
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:17062(0x42A6)