きょうの料理 若手シェフ10人 メニューにのせない極うまレシピ「さば」 2014.10.01

(後藤)
「きょうの料理」。
今回はとあるお店を訪ねたのですが…
中国料理店という事なんですがなんか静かですね。
あれ?どなたもいらっしゃらない?あっ!いらっしゃった。
こんにちは。
こんにちは。
後藤でございます。
なんだかおいしそうなものを召し上がってらっしゃいますね。
今ちょうどまかないだったんで。
これチャーハン…。
何のチャーハン?実はさばを使ったチャーハンなんですよ。
さば?はい。
ちょっと珍しいですよね。
そうですね。
あんまりやらないですね。
メニューにものせてないので。
「メニューにのせない極うまレシピ」。
まかないの「さばチャーハン」!これは是非食べてみたい!

味覚の秋
(與芝)
魚がおいしい季節の到来ですね。
そこで…。
私與芝と…
私後藤が…
今注目の若手シェフにメニューにはない取って置きの魚料理を突撃取材!
素材の魅力を引き出す華麗な技と…
若い感性が光る驚きの発想が旬の魚をありそうでなかった絶品メニューに大変身させます!
本日のテーマは…
脂が乗った秋の「さば」。
みそ煮や塩焼きだけじゃありません。
さばの新たな魅力満載です!
最初に訪ねたのはこちら。
東京・中野にある中国料理店です
とても落ち着いた雰囲気なんですね。
すてき!
そうなんですよ。
おしゃれですよね。
こちらがシェフの…
確かな技が買われ調理師学校で講師を務めた事もあるんです
今日は皆さんが食べていたこのお店のまかないレシピ「さばチャーハン」の作り方を教えて頂きます
まず何から始めましょうか?
(宮田)まず主材料となるさばですね。
魚焼きのグリルとかで焼いた塩さば。
皮をまず外してもらって手でいいんで粗くほぐしてもらう感じですね。
この時骨とかがもしもちょっと残っていれば骨はちょっと取っといて頂いて。
次はチャーハンといえば卵を絶対使うと思うんですけども。
卵2コ使うんですけど別々に割りほぐして頂いて。
どうしてまた別々に?このあとの作業でそれは分かるんでその時に説明させて頂きます。
気を持たせますね〜。
フライパンをよく熱してもらいます。
ここに油。
サラダ油で大丈夫です。
しょうがを。
まずはしょうがですか。
はい。
そうですね。
ここで最初に油でしょうがを炒めて頂いて…。
香りがたってきますね。
そうですね。
次に卵。
まず1コめですね。
しょうがと一緒にまずは…。
そうですね。
すぐ混ぜて頂いて半熟状になったら一回火を止めて頂きます。
卵の上に温めたご飯を確実に。
ここで2コめの卵を上から。
卵のサンドイッチ状になるわけですねご飯が。
こうやって2回に分けて頂いた方が早くご飯に卵がコーティングできるんで。
ご飯に卵がコーティングされるといわゆるパラッパラなチャーハンが…。
パラパラチャーハンになります。
ここで火をつけて頂いて。
ここで…ほぐれました。
ここでさばですね。
ここでさばが入りますか。
さばを入れます。
お塩とこしょうを少々。
ここでシェフが取り出したのは隠し味に使うという黒いソース。
一体これは?
隠し味にオイスターソースですね。
ほんのちょっとでいいんで。
隠し味なんで。
使っているのがさばなのでやっぱり海の海産物を加工した調味料と相性がいいので。
なるほど。
味がつながっていくという事ですね。
魚を炒めてあげる事によってだんだんさばの香りがたってくる。
確かにそうですね。
ねぎを入れます。
このチャーハンのねぎっていうのもいいんですよね。
ねぎも少し炒めてあげる事によって香りがたってくるので。
少し鍋肌に薄〜くご飯を広げてあげて…。
しょうゆを鍋肌に少しかけてあげて下さい。
これでしょうゆの香ばしさが…。
香ばしさがたってきました。
お酒ですね。
お酒を入れる事によって少し炒めてとんじゃった水分をお酒でカバーしてあげてお米がふっくらしますね。
なるほど。
ふっくらとね。
最後にしそとごま。
これを入れて頂いて。
これはもうほんとに混ぜるぐらいで大丈夫です。
しそは炒め過ぎると香りがとび過ぎてしまうのですぐに火を止めて頂いて。
これで完成です。
うわ〜ほんとにパラッパラですね。
そしていい香り。
特別に作り方を教えてもらったまかないの「さばチャーハン」の出来上がりです
うわ〜おいしそうですよね。
メニューにのせないなんてほんともったいない!
そうですよね。
でもね作り方はシンプルですから自分でも作れそうでしょう?
ですね
お待たせいたしました。
どうもありがとうございます。
待ち遠しかったんです。
いいですか?早速。
はいどうぞ。
いただきます。
さあ…。
う〜ん!パラパラなのにふっくらとしたご飯で。
そこにさばが存在感示してますね。
(宮田)ありがとうございます。
いわゆるクセっていうのは全く感じませんね。
それにしそやごまが次から次といろんな香りをね出してくれますね。
なんか私あの…踊りだしたくなってきました。
(笑い声)
失礼いたしました。
隠し味のオイスターソースと青じそとごまの香りがポイントです。
さばのおいしい今こそ是非作ってみて下さい

続いては東京から足を延ばしてこの街へ
やって来ました。
尾張名古屋!名古屋名物といえば…おいしいものいろいろありますよね〜。
名古屋といえばアツアツの…
そしてこちら
あ〜みそカツだがね〜。
どえりゃあうまそうだであかんわ!
みそを使った料理でおなじみの名古屋ですから今日のさば料理もひょっとしてあのお料理かもしれませんね。
あ〜あれだがね?
さあどうでしょうか?
(井)いらっしゃいませ。
こんにちは。
どうぞよろしくお願いします。
訪ねたのはこちら…
11年間東京で修業を積み今年7月から出身地の岐阜に近く食材が豊富な名古屋で腕を振るっています
四季折々の食材を生かした季節感あふれる日本料理を信条とする井さん
あ〜秋らしいですね!
そして自慢の料理の中には「八丁みそ」を使ったものも
という事はやっぱり…?
みそ使わないんですか?はい。
お〜てっきりみそ煮だと思ってたんですけども何で煮るんでしょうね?
それはこのあとのお楽しみです。
では作り方を教えて頂きます
まずさばの表面にバッテンで切り込みを入れます。
味が…。
染み込むように。
あと箸を入れた時にですねほぐれやすい食べやすくなります。
こちらに軽くお塩をふります。
これ使ってらっしゃる塩が…。
岩塩です。
岩塩だとサラサラしてて魚に塩が回りやすいんですよね。
溶けやすい性質があります。
そして低い位置からパラパラパラパラッと表面に塩をふっていきます。
そして返してまた上から塩をふっていきます。
塩をする事によって身をしめるのとあとは下味魚のクセを取ってあげます。
このまま15分おいておきます。
15分たつとだいぶ水分が出てきているんですね。
岩塩を使う事によって塩の回りが早いんです。
普通のお塩だと…?普通の塩だと大体30分ぐらいはかかるんですけれども岩塩を使う事によって15分。
さばに合わせるのはひげ根をとったもやしにねぎとしいたけ。
サッとゆでてから水にとります
更に…
このお湯でさばを霜降りにします。
同じ鍋でいいんですね。
はい。
火を止めちゃっていいんですか?はい。
止めちゃっていいです。
全体的に白くなってきたら引き上げていきます。
必ず霜降りはした方がいいですか?あとから余計なアクが出ないのですっきりとした仕上がりになります。
この丁寧な仕事が仕上がりを左右します。
表面の汚れもしっかりと取り除きます
少し見て頂いたら分かるんですが汚れがやっぱりあるんですね。
確かに脂ももちろん浮いてますし…。
これが煮たあとの嫌な味になってくるので霜降りする事によって雑味が少なくなったりもします。
水けを拭いたら皮を上にして鍋に入れしいたけとねぎも加えます
この中におだし…。
火をつける前にはい。
お水加えていきます。
お水…。
はい。
少しだしをお水で割ってあげる事によってさばからねぎからしいたけからだしが出るのであんまり濃くしないっていうのが。
あとこちらにみりんとおしょうゆ入れていきます。
そしてある調味料を加えていきます。
みそじゃない調味料は…?何でしょう?お酢を。
そうみそ煮ではなく「酢煮」だったんです
へ〜酢煮!
はい。
酢を加えたら…
お酢を入れるとどんないい事があるんですか?酢は素材を柔らかくする効果があります。
短時間で煮る事ができるなのでさばもパサつかない。
そして秋さばというのは脂が乗ってますので脂のうまみを残しつつさっぱりと食べれるという。
これが酢煮の良さになります。
井さん自慢の「さばの酢煮」。
実は思い出深い料理でもあります。
日本料理店で修業したあと料理研究家として活躍していた井さん。
初めての料理教室で緊張しながら教えたのがこの「さばの酢煮」だったんです
生徒の反応っていうのは?やはり酢っていうので「えっ酢で煮るの!?」っていうそういう驚きまたさっぱりと食べれるあと簡単というのがやはり一番いいと。
とっても評判が良かったという事ですね。
はい。
今ちょっとグラグラッと沸いてきましたけど…。
ひと煮立ちしてきたら一回ここで火を弱めます。
薄切りにしたしょうがを加えていきます。
しょうがっていうのは基本的に苦くなりやすいのであんまり煮込むとえぐみが出てしまうので最後にサッと入れる事によって香りもしょうがの良さも引き立ちます。
へ〜そうなんですか。
そしてあとは弱火でねぎが柔らかくなれば出来上がり。
煮る時間というのも3分ぐらいですね。
3分で…?はい。
ねぎがこうやって柔らかくなればいいですね。
こう押さえて…。
押さえて柔らかくなればもうこれで完成です。
わ〜早い。
仕上げにゆでたもやしを煮汁に浸したらあとは器に盛りつけるだけです。
「さばの酢煮」。
あっという間に出来上がりました。
後藤さんおいしそうでしょ
ね〜。
「酢」てき!
あ…
でも3分しか煮てないのにさばにどれだけ味が染みているのか気になりますね
はい
いただきます。
う〜ん!あんな短時間なのにすごく味が染みてます。
全然パサつきはないですよね。
ほんとにふっくらしてますしさっぱり。
酢で煮たらこんなにおいしく出来るものなんですね。
脂が多い魚だったらその脂をさっぱりするためにお酢を使うとか短時間に煮るためにどうするのかっていう。
それをやっぱり考えてますね。
酢で煮る事でさばがふっくら。
脂もさっぱり。
料理教室でも簡単だと大好評だった「さばの酢煮」。
是非お試し下さい
東京・恵比寿にやって来ました。
どうも今日はおしゃれなビストロだという事なんですけれども。
お店はこの辺りなんですよね。
(クラクション)あっ!與芝さんこんにちは。
平尾さんこんにちは。
え〜どちらから?今築地に行ってきました。
この格好で?そうなんです。
このレトロなオートバイで毎朝仕入れに?そうなんですよ。
どうでしたさばは?さばは脂の乗ったいいものを買ってきました。
楽しみにしたいと思います。
お願いします。
おしゃれな若手シェフが作るメニューにはないさば料理。
期待が高まります!
どうぞ。
お邪魔します。
こんにちは。
こんにちは。
シェフ…。
妻の有紀です。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
二人でやってらっしゃるんですか?はい。
なんかお店もすごくすてきだし奥さんもかわいらしくて。
ありがとうございます。
さすがですね。
持ってますね。
宝くじに当たりました。
あ〜!すてき。
そんなふうに言って下さるご主人もすてきですね。
幸せいっぱいの平尾シェフはパリの名店で腕を磨いた本格派。
フレンチのテクニックでさばを大変身させるというのですが…
サヴァ!
あっフランス語
さばの塩焼きとみそ煮を融合させたフレンチ風のさばに仕上げてます。
塩焼きとみそ煮が融合してフレンチになる?そうです。
確かにさばといえば塩焼きとみそ煮ですがフレンチで融合って想像できます?
できません!
塩をふるんですけども見てもらったら分かるんですけど身の厚いところと薄いところがあるので厚いところは少し多めに薄いところはちょっと塩を少なめにして下さい。
じゃあフライパンを温めてオリーブオイルを入れます。
フライパンが温まったところにさばを入れます。
皮から…。
皮からですね。
入れた時にちょっとこのジューッてする音が必要です。
火が弱すぎると魚から水分が出て魚がきれいに焼けないので。
あんまり強すぎても…。
駄目です。
火を弱めでじっくり焼いてあげる事によって皮をすごく香ばしくパリッと焼けてなおかつ身はすごくジューシーに焼けます。
見て分かるんですけども魚から出てきた余分な脂が…。
魚から脂が出てきますのでその脂は基本的に取ってあげます。
脂が焦げてきれいに焼けないっていうのと脂が焦げてしまうと臭くなってしまうのでこの脂は取ります。
ここでフレンチならではの極うまテクニック。
それはひっくり返さない事なんです!
ウィマダム!
見てもらったら分かるんですけど横から見ると大体この辺まで火が入ってきてるんですよね。
真ん中よりちょっと上ぐらい。
色が変わってきてますよね。
この時点でもうほぼ火が入ってます。
えっ!?これ今からひっくり返さないんですか?基本はひっくり返さないですね。
ふたは?ふたもしないです。
え〜大丈夫?これででも全部火が入るんですか?火がもうこの時点でほぼ入ってますのでフライパン動かさないで弱火のままあとほんとに数秒ぐらいですね。
え〜!それで…大丈夫なんですか?大丈夫ですね。
もしご家庭でやる時は心配な時はひっくり返して5秒ほど焼いて下さい。
「心配です」と。
どうしても心配だったら…。
5秒ほどです。
1・2・3・4・5。
これで上げて下さい。
OKです。
え〜。
なんかまだ赤いんじゃないかと思う不安もあります。
少し赤いんですけどもこのまま魚が余熱で火が入っていくのでこのまま魚をお皿に盛りつけてソースをかけるまでに完全に火が入ってます。
ちょうどよく。
さばが焼けたら続いてはソース作りです
じゃあ作り始めます。
赤ワインを入れます。
赤ワインをそのまま使ってしまうとアルコールもありますし酸味もあるのでちょっと赤ワインを煮詰めますね。
3/3になるぐらいまで煮詰めてあげます。
だいぶ煮詰まってきます。
ここで最大のポイント!驚きの調味料を加えるんですが後藤さん分かります?
もしかしてあれですかね?
そうなんです。
さばといえばこれ。
みそを加えるんです!
う〜ん!
みそと砂糖は一緒でいいと思います。
赤ワインにみそ…?みそと赤ワインが意外に合うんですよ。
へ〜。
それシェフどこで発見したんですか?さばのみそ煮食べてる時に色が似てるなと思って。
なるほど。
さばのみそ煮から。
ワインにしてもいいんじゃないと?そうです。
赤ワインを煮詰めて砂糖とみそを入れてあげる事によって赤ワインに濃度と艶が出てきます。
確かに艶が出てきました。
ソースの仕上げはフレンチらしくバター。
風味とコクをプラスします
バターを入れたら火を止めてもう沸かさないで下さい。
沸かすと分離してしまうので。
分離しないように。
はい。
なんかすごいフレンチのソースっぽいんですがこの中は実はみそが入って…。
そうです。
出来上がりです。
もうこれで?はい。
香ばしく焼いたさばにみそが入った赤ワインソースをたっぷり回しかければ…
メニューにはない平尾さんの自信作。
「さばのソテー赤ワインみそソース」の出来上がり!
おいしそう!
塩焼きとみそ煮をフレンチと融合させた一皿です
赤ワインにも合うと思いますので。
まさにフランス料理。
あっこれきれいな色ですね。
いただきます。
う〜ん!おいしい。
いいとこ取りですねこれ。
赤ワインとみそと。
和とフレンチのほんとに融合。
確かにみそ煮なんですがものすごく上品であっさりしてる。
お魚の焼き方一つでこんなに違うものかと。
(平尾)焼き過ぎると魚なんて絶対おいしくないんですよ。
肉もそうなんですけど。
香りもおいしいのでいただきます。
うわ!もう最高。
(笑い声)いや〜この若手シェフ100人でも行きたいんですけど。
與芝さんおしまいですって
あ〜残念
メニューにはのらない隠れた逸品。
魚がおいしい季節に是非作ってみて下さいね
私たちも挑戦してみます

(テーマ音楽)2014/10/01(水) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 若手シェフ10人 メニューにのせない極うまレシピ「さば」[字]

秋は魚がおいしい季節。注目の若手シェフ10名が、お店では出さないけど味には自信アリの「魚の裏メニュー」を紹介する特集。最終日のテーマは、脂がのった秋のさば。

詳細情報
番組内容
さばと言えば「みそ煮」だが「さばの酢煮」をすすめるのは、名古屋の日本料理店の若き店主。脂っぽさが適度にぬけ、やわらかく仕上がる。おしゃれなビストロで腕を振るうフレンチの若手シェフは「さばのソテー赤ワインみそソース」。みそを加えるとソースのコクと深みが増す。「さばチャーハン」は、中国料理の若きシェフのまかないメニュー。塩焼きのさばをほぐしてメインの具に。青じそとごまの風味でさばのクセをやわらげる。
出演者
【講師】日本料理店店主…