気体では自由に激しく飛び回っている。
…という事なのだ。
(関口)しかし石っちゅうのも味わい深いもんですなぁ。
かんらん岩。
キラキラキラ。
(垣内)隊長こんにちは。
私もすっかりジャン!岩ガールになってきましたよ。
ハンマーが似合うようになってきましたね。
危ない危ない。
危ないから振り回さないで下さいな!飛んできたらどうすんのよ。
大丈夫ですよ。
あっそう?今日はもっと地球の深い所のお話をしましょう。
深い?マントルですか?もうやりましたよ。
今日はちょっと違うんだな。
ん?こちらなの。
はい。
ケーキですか。
はい。
食べましょう。
食べる?違うわ!食べちゃ駄目なの。
何でですか?動かすんだから。
動かす?隊長。
ケーキとマントルってどう関係があるんですか?まずは今日のキーワードいきますかね。
はい。
はい。
はい。
そんでこれ。
まずはおさらいしますか。
そうですね。
地球内部は物質の違いで地殻マントル核に分けられるってのはやりましたわね。
やりました。
これは地球の内部を物質の違いで分けた訳よね。
でも物質の違いだけじゃなくて物質の性質の違いで区分する事もあるのね。
物質の性質って何ですか?例えば固体と液体とかさ。
ああ固体とか液体とか…。
そういえば地球の中にも固体と液体がありましたよね。
ここの外核は溶けていて液体だって教わりましたけどそれの事ですか?それだけじゃないんだね。
地球の内部にはほかにも長い目で見た場合は液体のように動く部分ってのがあったりするんですよ。
うん。
そこで地球の内部がどんな性質なのか地球内部の区分を調べてきたまえ。
地球内部の区分ですね。
分かりました。
ラジャー!よいしょ。
行ってしまいました。
垣内隊員が向かったのは…こんにちはよろしくお願いします。
(横山)こんにちはよろしくお願いします。
こちらではどういう研究をしているんですか?こちらは深い海深海の研究ですとか地球の内部の研究をしている所になります。
例えば地球深部探査船ちきゅうは海の上から海底を掘って地球内部の構造を調べています。
でも掘れるのは地下7,000m程度までなんです。
じゃあ地球の中がどうなっているのかはどうやったら分かるんですか?いろいろな方法があるんですが地震波の伝わり方で推定する事ができるんです。
地震波で地球の内部を調べる方法以前に学びましたね。
覚えてますか?地震波の速さが伝わる物質によって変化する事を利用するんです。
実は地震波の観測結果を詳しく調べるとマントルの上の方には地震波の速さが少し遅くなる部分があるんです。
この部分温度が高くてやわらかいので地震波が伝わる速度が遅くなるのだと考えられています。
マントルのこのやわらかい部分はアセノスフェアと呼ばれています。
これに対しアセノスフェアより上の部分地殻プラスマントルの一番上の部分はリソスフェアと呼ばれ温度が低く固くなっています。
うんこれもうちょっと簡単な言葉で言えないんでしょうか?とっても難しいんですが……という意味でこの言葉でしか言う事ができないんです。
なるほど。
頑張って覚えるしかないですね。
はい。
何をさっきから呪文みたいにず〜っと言ってんの?リソスフェアにアセノスフェア間違わないように覚えてるんです。
隊長も一緒にさんはい!「リソウの固さリソスフェア」。
「リソウの固さ」…そうじゃなくて次いきましょうよねっ。
ん?チェックしましょうちゃんと。
そうですね。
これね。
この地球表面を覆う固い部分が…。
ほら出てきた「リソウの固さリソスフェア」。
そうなんですけどもさ。
でその下が…。
「アセかいてやわらかいアセノスフェア」。
アセノスフェアってやわらかいんですよね。
やわらかいんですよそうなんですよ。
そしてこの固いリソスフェア。
別名プレートとも呼ばれてますね。
うん聞いた事あります。
それで…なんと動く訳ですな。
「プレートは動く」。
どういう事ですか?教えてあげます。
そこで登場するのがこのケーキだった訳。
うん!食べられるんですね。
いや違うんだっちゅうの。
例えなのこれがそれの。
これですか?あのね上のチョコレート載ってるこの部分ねここが固いリソスフェアな訳ですよ。
その板チョコみたいな部分ですね。
そうそう。
でその下もちょっと黒いじゃない。
ここがアセノスフェアな訳よ。
つまりかちかちに固い上のチョコレートの部分のプレートの下がやわらかくなってる訳よねアセノスフェアで。
そうですね。
だからプレートが動きやすいっつう話になる。
なるほどそういう事か。
そう。
でも動いているといっても…えっそんなにちょっとずつですか。
このプレートが動いてるっちゅう事は今ではもう常識ですけども20世紀の中頃までは大地が動くなんてとんでもないですよってみんな思ってたんだって。
そりゃそうでしょうね。
だって私も信じられないですよ。
それをひっくり返しちゃった人がアルフレード・ウェゲナーって人なんですね。
ウェゲナーさん。
ふ〜ん。
そこでお送り致しましょうウェゲナー物語。
1880年ドイツで生まれたアルフレード・ウェゲナーは気球を使った観測などで有名な気象学者でした。
そんなウェゲナー1910年のある日世界地図を見ていてひらめいたんです。
大西洋を挟んで南アメリカ大陸とアフリカ大陸の海岸線がよ〜く似ている。
この2つの大陸もしかしたらもともと1つだったのでは?これがのちの大陸移動説のきっかけになりました。
その後ウェゲナーは研究を重ねもともとは大陸がつながっていたといういろんな証拠を見つけたんです。
例えば同じ氷河の跡が両方の大陸にある事などもともと大陸がつながっていたと考えればつじつまが合う事実が明らかになったのです。
ウェゲナーはもともと1つだった超大陸を……と名付けました。
でもその当時ウェゲナーのこの説は受け入れられませんでした。
彼の専門が気象学だったため地質学者には認めてもらえなかったともいわれています。
しかし彼の死後1950年代以降になると海底の地形が本格的に研究されるようになりました。
すると海底で地球規模の大山脈が見つかったのです。
これこそがプレートが生まれてくる場所。
大陸が動いている証拠だったのです。
ウェゲナーの死後30年ほどたってようやく大陸移動説は認められたのでした。
現在ではプレートの動きから地球の変動を解明しようとする……と呼ばれる研究が更に進められています。
ウェゲナーの発見は地球の歴史解明の重要な手がかりを私たちに教えてくれたのです。
ウェゲナーさんってすごいでしょう。
うん。
でも認められないうちに亡くなっちゃってかわいそうですね。
そうだねぇ。
私たちもウェゲナーの大発見をたどってみますか。
そうですね。
これだねこれ。
これですか?これ…うん。
これをさこうやってジャジャジャジャンとくっつけてみようとすると…。
おっ!これアフリカと南アメリカは海岸線がここそっくりですね。
ぴったり合う。
そうなんだよね。
さすがウェゲナーさん。
すごいですね。
そうですねぇ。
でもこんなすごい発見をしたウェゲナーさんが明らかにできない事があったんですね。
何ですか?あっそうか。
何かが引っ張ったり押したりしないとプレートは動かないですもんね。
ねっ。
ではではプレートが動く原動力は?原動力は?それは何なのか簡単な実験で考えてみましょう。
用意するのは耐熱ガラスの容器に入れた洗濯のりとホットプレートです。
洗濯のりでマントルの対流を再現してみようというのです。
対流とは暖かい流れが上昇し冷たい流れが下降して熱が伝わる事です。
ホットプレートで熱を加えていくと温められた洗濯のりは軽くなって上昇し海面に当たると横に広がり冷やされて重くなり沈んでいきます。
高温高圧の地球内部ではこの洗濯のりのようにマントルが対流していると考えられています。
上昇する流れをホットプルーム下降する流れをコールドプルームと呼びます。
上昇した流れが横に広がって水平に流れている所がプレートに相当します。
ここは空気や海水で冷やされるので固くなっているのです。
地球内部のマントルは動いております。
それが大陸を動かしてるんですね。
そうです。
かちかちのリソスフェアとやわらかいアセノスフェアはマントル対流の一番上の部分の流れなんですね。
うんでも隊長。
マントル対流ってすごい深い所の話ですよね。
そうです。
そんな深い所の事が何で分かるんですか?そりゃあんたCTスキャンみたいなものがある訳ですよ。
CTスキャン?CTはコンピュータ・トモグラフィーの略でコンピュータを使った断面図という意味ですな。
うん断面図。
じゃあ垣内隊員。
地球のCTについて調べてきてくれたまえ。
うん任せて下さい。
行ってきます。
任せるわもう。
場所いつも聞かないで。
再び海洋研究開発機構。
ここはその中のスーパーコンピュータルームです。
ここでは地球環境のさまざまなデータを取り込んでシミュレーションを行うという研究が進められています。
そして地球内部の構造を詳しく調べるために使われているのが…地震波の伝わり方を解析して地球の断面図を作っています。
赤い部分がホットプルームそして青い部分がコールドプルームです。
地球科学者の深尾良夫先生はこの研究の第一人者です。
…という現象があるとそういう事を見つけました。
大陸の下に沈み込んだプレートをスラブといいます。
このスラブがプレートの下にたまっているのです。
深尾先生はプレートが沈み込んでいる地球上のいろいろな場所を調べスラブの活動の研究を続けています。
…という現象だと思います。
たまったスラブが落下するとそれまでマントル深くにあった熱い物質が押しのけられて上昇します。
こうしてマントルが大きく対流するとマントル表層の水平の流れがプレートの動きとして観測されるのです。
このマントルの対流は一様ではなく途中でたまったり一気に落ちたりするのです。
…というふうに考えていますね。
最先端の研究に触れた垣内隊員大満足!どうもです。
(渡来)こんにちは。
ねっ先生。
はい。
スラブ?こんなのがあるの?そうですね。
沈み込んだプレートがここでたまったものがスラブです。
で落ちてくの?はい。
するとここを刺激されてこっちからチュドンといくんですよね。
そうですね。
これ大変な事じゃないですか?天変地異とかになっちゃったりするんですか?そうですね。
長い時間感覚で見ると天変地異ともいえるようなダイナミックな動きが見られるというふうに考えられてます。
ですよね。
はい。
ここ最近でもしかしたら来るかもってとこあるんですか?急にというのはないと思うんですがここに…そんなにかかるの?…ぐらいといわれています。
だけど今ここまで行ってるスラブがあったらそろそろ来る訳ですよね?その可能性もありますが落ちたからといって数年単位でポンと上がるような一瞬な動きではないので。
またここが長い時間が?そうですね。
ちなみにこの一周が1億年ぐらいといわれますのでその1億年ぐらいのスケールで見てやらないといけない。
今このサイクルの2,000万年目とか3,000万年目だと安心ですね。
そうですね。
それだと安心なんですけども。
今9,990万年ぐらいたってる時だとかいう話になってくると…。
ちょっと心配になるかもしれませんがそれを第一線の研究者の方々が一生懸命調べて下さってますので注目したいと思います。
まだ答え出てないからここ何千万年の間はないよとも断言できないんですか?断言は避けておきます。
あぁ…そこ聞いてんのにね!「アセかいてやわらかアセノスフェア」。
もう実験終わったから食べていいみたいよ。
いいんですか。
やった〜わ〜い!頂きます。
それにしてもさ…。
私どこから食べよう。
この上のプレートにいるんでしょ私ら。
そうです。
で下が動くから…ここがね。
だからバラバラになってく訳でしょパンゲアからさ。
でもまたくっつくんだよね。
何がしたいのかね?この下の層たちは。
あれですね。
そんな何億年とかもあとだったら人類がいるか分からないですけど日本がくっつき方によってはすごい大きくなったりとか。
そうだね。
国がめちゃめちゃになっちゃいますね。
そこまで日本人頑張って生きてきますか。
世界の大国を目指して。
目指して。
まっいいや食おう!地球内部は物質の性質特に流動のしやすさによっても区分できます。
それぞれのプレートは別々の方向に動いています。
2014/10/01(水) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地学基礎「地球内部の動き」[字]
「地球」は私たちにとってかけがえのない存在です。その地球を、「宇宙の中の1つの星」「地球という物体」「地球の歴史」そして「環境」という視点から学んでいきます。
詳細情報
番組内容
現在のような日本列島が形成されたのは、新生代に入ってから。数千万年、またはそれより長い時間間隔で眺めると、大地は刻々と位置や姿を変えている。今回は、その理由を探る。地球内部の流動のしやすさを調べてみることで、地球内部がどのように活動しているのか、さらに、その活動が大地の動きとどのように関係しているかについて、理解が深まる。【出演】関口知宏、垣内彩未【講師】渡来めぐみ
出演者
【講師】茗渓学園中学・高等学校講師…渡来めぐみ,【司会】関口知宏,垣内彩未,【語り】市川展丈
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:5243(0x147B)