NHK高校講座 化学基礎「原子量・分子量〜原子や分子の質量を表す〜」 2014.10.01

(3人)こんにちは。
ケミカルシスターズのリホです。
ナオです。
カナです。
今日の「化学基礎」は「原子量・分子量」です。
原子量・分子量って一体何だろう。
原子の量だから原子の数の事かな?それとも原子の重さとか量とかを調べるのかな。
え?原子とか分子とかって目に見えないくらい小さいんだから重さとか量とかなんて調べられないんじゃないの?そうかなあ。
確かに原子とか分子とか目に見えないぐらい小さいんだけどちゃんと重さ…正確には質量があります。
原子量・分子量とはつまり…。
はい。
こういう事です。
ジャン。
原子量・分子量というのは原子とか分子の質量を表しているんですね。
そうなんです。
これを見て下さい。
元素の周期表ですね。
この周期表を見て何か気付きませんか?元素記号の下に数字が書いてありますね。
(ナオ)本当だ。
今まで見てきた周期表にはこんな数字は書いてなかったよね。
うん。
実はこの数字は今まで学習してきた原子番号でも質量数でもないんです。
じゃあその数字は何なんですか?はい。
この数字が原子量なんです。
これが原子量。
そうなんです。
この数字の意味が今日の「化学基礎」で分かるようになりますよ。
え〜でも数字苦手なんだけどな。
大丈夫。
私得意だから。
お!よし。
頑張ろうっと。
それではケミストリーの世界に入りましょう。
は〜い。
は〜い。
ナオちゃんいろいろ助けてね。
任せなさい。
頼もしい。
「任せなさい」って。
最初のコーナーは「原子の相対質量」です。
カナちゃん相対質量って何ですか?その前にちょっと復習ね。
2人とも原子がとっても小さいというのは知ってるよね?はい知ってます。
目に見えないくらい小さいんだよね。
そのとおり。
じゃあ炭素原子1個の質量ってどれぐらいだったっけ。
えっと…すっごく小さいから0.0000000…gってたっくさん0が並ぶんだよね。
そう。
炭素原子1個の質量がどれくらい小さいかと言うと…。
はいリホちゃん。
はい。
ナオちゃん。
ナオちゃん手伝ってあげてね。
これが炭素原子1個の質量。
0.00000…と0が23個ついて199g。
こんなに0が並ぶんだっけ。
やだ。
じゃあこれは?ん?これって…。
これも炭素原子1個の質量を表しているの。
この巻物の長〜い数字もこんなふうに書く事もできるの。
それでもよく分からないな。
分かんないね。
炭素原子1個の質量はとってもとっても小さいからグラムで表そうとするとどうやっても分かりづらい数字になってしまうんです。
このままだととっても不便。
そこで原子の相対質量というのを使うんです。
ではこちらを見て下さい。
これは質量数12の炭素原子と質量数1の水素原子それから質量数16の酸素原子です。
リホちゃん質量数って何だったか覚えてる?はい。
そう。
質量数っていうのは陽子の数と中性子の数を足したものでしたね。
その質量数12の炭素原子1個の質量は…そして質量数1の水素原子1個の質量は…それから質量数16の酸素原子1個の質量は…そしてここが肝心です。
原子の相対質量では質量数12の炭素原子の質量を12とするんです。
そしてこの12を基準として水素原子酸素原子などほかの原子の質量をその比として表します。
ん?どういう事ですか?分からない。
じゃあ例えばこの質量数1の水素原子の相対質量を求めてみましょう。
はい。
この質量数12の炭素原子の質量とこの質量数1の水素原子の質量をこんなふうに何対何という比例の式で考えてみます。
はい。
すると1.99×10g:1.67×10gは…ほぼ1.0。
なるほど。
これと同じようにこの質量数16の酸素原子の相対質量も求めてみますね。
1.99×10g:2.66×10gは12:16.0になります。
このように質量数12の炭素原子の質量を12とすると質量数1の水素は1.0に質量数16の酸素は16.0になります。
ちなみに相対質量は質量の比だから単位はつけないので注意してね。
分かりました。
ところでこの3つの原子の相対質量が出ましたけれども実は相対質量ってとっても便利な事があるんです。
この3つの原子の質量の関係がとっても分かりやすくなっているという事なんです。
どんなふうに?このグラムという単位で表された面倒な数字だと原子の質量の関係…例えば炭素原子と水素原子とを比べてどっちがどれだけ重いとかどれだけ軽いとかって分かりにくいでしょ。
うん。
分かりにくい。
でもこの121.0っていう原子の相対質量で考えたらどうでしょう。
12:1.0だから炭素原子は水素原子の質量の12倍って事?そうなんです。
炭素原子1個と水素原子12個で釣り合う。
炭素原子1個は水素原子12個とほぼ同じ質量だっていう事が相対質量だとすぐに分かるんです。
なるほど。
このように原子の相対質量だととっても分かりやすくなるんですよ。
相対質量って分かりやすい。
このコーナーのケミカルポイント!このコーナーのタイトルは「原子量」です。
カナちゃん原子量って何ですか?原子量っていうのは前に学んだ同位体が関係してくるの。
同位体って覚えてる?え〜っと…。
リホちゃん忘れちゃったかな?はい。
同位体というのは…思い出しました。
思い出した?ではこれを見て下さい。
これは塩素の同位体です。
天然に存在する塩素にはこんなふうに質量数35と質量数37のものが交じって存在しています。
そしてその存在比は質量数35の塩素がおよそ75%質量数37の塩素がおよそ25%の割合で存在しています。
そしてこのような同位体の存在を考えて計算すると塩素の原子量は35.5になります。
ではさっきの周期表を見てみましょう。
塩素の所を見て下さい。
どうですか?35.45と書いてある。
そう。
ほぼ同じだよね。
これが塩素の原子量なんです。
こんなふうに原子量というのは…分かりました。
化学の勉強楽しいな〜。
次の元素はと…。
あっ3時だ。
おやつは何だろう。
え〜っとPはリン。
PはリンPリンPリンPリンPリンPリンPリン…!プリン!最後のコーナーは「分子量と式量」です。
ではこれを見て下さい。
これは水の分子です。
この水分子で分子量を考えてみましょう。
はい。
分子量というのは…なるほど。
じゃあ水の分子量を求めるにはどうすればいいかな。
えっとHOだから水素の原子量の2倍と酸素の原子量を足せばいいんじゃない?正解!周期表の値だと桁数が多くて計算が大変だから原子量はこの値を使いましょう。
リホちゃん分子量はいくつになる?え〜っと。
HOは水素の原子が2つと酸素の原子が1つだから…。
はい!水素の原子量は1.0。
酸素の原子量は16。
1が2つと16で18。
水の分子量は18です。
おっ。
ナオちゃん正解で〜す。
やった!このように分子量というのは分子を作っている原子の原子量を足したものなんです。
分かりました。
じゃあもう一つの式量っていうのは何なの?はい。
では今度はこちらを見て下さい。
これは塩化ナトリウムの組成式です。
水は分子だから分子量なんだけど塩化ナトリウムは分子じゃなかったよね。
イオンでできている物質です。
そう。
分子じゃないから分子量とは言わないんです。
こんなふうに組成式で表されるものは式量っていいます。
式量の求め方も分子量の時と同じで塩化ナトリウムを構成している原子の原子量を足せばいいんです。
それではリホちゃん。
はい。
この塩化ナトリウムの式量を計算できるかな?塩化ナトリウムを構成している原子の原子量を足せばいいんですよね?そのとおり。
またこの表を見て計算してみてね。
えっと…Naの原子量は23。
そしてClの原子量は35.5だから。
はい!23+35.5で58.5。
塩化ナトリウムの式量は58.5です。
ナオちゃんずるい。
ナオちゃん正解です。
やった!塩化ナトリウムの式量は58.5です。
やったね。
ではこのコーナーのケミカルポイント!先生こんにちは。
リホちゃんこんにちは。
原子量・分子量の事は分かったようですね。
はい。
ではここで原子量を実験から求めてみましょう。
計算からじゃなくて実験からですか?そんな事できるんですか?はいできますよ。
ではこのパターンに実験の結果を記録してもらえますか?分かりました。
少し危険な実験ですからちょっと下がってもらえますか?は〜い。
こちらがナトリウムです。
化学式はNa。
このように銀色をしています。
これを電子天秤の上に載せて質量を量ってみたいと思います。
じゃあお願いします。
はい。
0.3256です。
そしてこちらが…無色透明をしています。
これをナトリウムに加えます。
気体を発生しながら溶液が白くなってきたのが分かりますか?はい分かります。
これはナトリウムNaが塩化水素HClと反応して塩化ナトリウムNaClができているんですね。
反応が終わったようです。
これを塩化ナトリウムだけにするために加熱して塩化ナトリウム以外を蒸発させます。
それではこちらで加熱をします。
ではバーナーを入れて加熱して蒸発させます。
あっ蒸発してますね。
蒸発が終わって白い固体が残りました。
これが…先ほどのNaナトリウムと塩化水素HClが反応して塩化ナトリウムNaClができたという訳なんですね。
では冷えたようなので質量を量ってみましょう。
お願いします。
はい。
では実験の結果を整理してみましょう。
反応前のナトリウムNaの質量は0.3256gでした。
反応後に生じた塩化ナトリウムNaClの質量は0.8268gでした。
化合した塩素Clの求め方は反応後のNaClからNaを引けば求まる訳ですからこちらの値からこちらの値を引き算するとこちらの値0.5012gになります。
原子量の基準は質量数12の炭素だったんですがこの実験ではナトリウムを基準にしてみます。
ナトリウムの原子量23それから求める塩素をと置きます。
式を立てると反応前のナトリウムの質量……という式ができます。
こちらのを求めてあげるとこのような値35.4となります。
この値を周期表の原子量と比較してみましょう。
どうですか?ほぼ同じ値になってますよね。
本当だ。
このように化学反応をさせた時の質量の変化から原子量を求める方法があるんですよ。
そうなんですね。
先生ありがとうございました。
今日は…今日は数字がたくさん出てくるからどうなるかと思ったけど…。
私がいるから大丈夫だって言ったでしょ。
ありがとうございます。
助かりました。
カナちゃん。
これからも数字って出てくるの?はい出てきます。
でもその分ナオちゃんの出番がこれからまだまだあるって事。
そっか〜。
ナオちゃんよろしく。
よ〜し頑張るぞ。
2014/10/01(水) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 化学基礎「原子量・分子量〜原子や分子の質量を表す〜」[字]

化学基礎は平成24年度から新たに設けられた科目で、中学校から高校への橋渡しの役目をする内容です。基礎をしっかり学んで、本格的な化学の学習に役立ててください。

詳細情報
番組内容
原子量・分子量は、原子や分子の質量を表したものだ。しかし、原子1個・分子1個は、非常に小さく、質量も非常に小さいものなので、原子1個の質量をg(グラム)という単位で表すと扱いが大変だ。そこで扱いやすくするために、相対質量を使う。基準となる原子を決め、その原子との質量の比を表す方法だ。この相対質量から原子量・分子量・式量について学習する。
出演者
【解説】東京都立青山高等学校教諭…吉田工,【出演】高田里穂,吉田奈央,横畠加奈子,【語り】伊倉一恵

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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