広島の家族との夕食の場。
エリーが初めて経験する日本の食卓です。
(亀山政春)親父は?
(島爺)お帰りは明日の朝がんす。
政春早よ座りんさい。
あ〜…。
エリーの膳は?家族でない者と食べる道理はない。
あっその人の膳はほれ。
後で女中らと一緒に食べてもらいんさい。
エリーはわしの嫁じゃ。
あんたの嫁は亀山の嫁じゃ。
その人には務まらん。
もうええ。
もうわしらは部屋で食うけん。
島爺。
(島爺)へっ?…はい。
島爺。
はい?持っていかんでええ。
(亀山エリー)政春…。
心配せんでええ。
でも…お母さん怒ってる。
スコットランドと同じ。
ママも政春との結婚に大反対した。
スコットランドでも日本でも誰も「おめでとう」言ってくれない。
回想結婚して日本に行く事は許す事できません。
なぜ?「なぜ」?あなたはスコットランド人政春は日本人よ。
同じ人間よ。
私たちすごくうまくいってる。
外国で生きていくのは簡単じゃない。
文化習慣も全く違う国で差別されたりいじめを受けるかもしれない。
肌の色髪の色が違っても心は通じる!人と人は必ず分かり合える!どんなに頑張ってもあなたは日本人には絶対になれないのよ。
わしが必ず嫁として認めさしてみせるけん。
本当?うん。
エリーはな〜んも心配せんでええ。
・「なつかしい人々なつかしい風景」・「その総てと離れてもあなたと歩きたい」・「嵐吹く大地も嵐吹く時代も」・「陽射しを見上げるようにあなたを見つめたい」・「麦に翼はなくても歌に翼があるのなら」・「伝えておくれ故郷へここで生きてゆくと」・「麦は泣き麦は咲き明日へ育ってゆく」
(英語での歌声)おはようございます。
(英語での歌声)エリーさん!おはようございます。
何をしとんさりますか?お掃除です。
や…やめてつかぁさい。
坊ちゃんに怒られますけん。
このお水…どうする?今から打ち水を。
ウチミズ?こうして水を打ちゃほこりが立たんようになる。
昔から伝わる日本人の知恵がんす。
私やります。
えっいやいや…。
いけんですわい。
これはねわしの仕事ですけん。
大丈夫私やります。
いや…駄目駄目…ああっ!
(亀山政志)あっおおっ…。
ごめんなさい。
(島爺)旦那様!申し訳のがんす!あっ…ごめんなさい。
もうええもうええ。
すぐに田んぼに出るけん準備してくれ。
はい。
お父さん?はい。
大変じゃ大変じゃ。
(早苗)嫁として認めんのはもちろんこの家の跡取るのはお前しかおらんいうて政志さんからも言うてつかぁさい。
分かっとる。
ちょっと田んぼに行ってくる。
ごはんは?後で食うけぇええ。
政春のお父さんは亀山酒造に婿養子で入り以来酒米の世話から仕込みに至るまで日本酒造りに没頭する毎日を送っていました。
息子の政春と会うのは3年ぶりの事でした。
親父!ただいま。
おお。
どがいな?今年の米は。
今日のとこ順調じゃがのう明日は分からん。
米も生き物じゃけぇのう。
秋まで毎日毎日か…。
気の長ぁ話じゃのう。
ハハッ。
何でウイスキーなんね。
何で日本酒じゃいけんのじゃ。
わしが子どもの頃親父よう言いよったじゃろう。
「灘・伏見に負けん日本酒を造るんじゃ」言うて…のう。
親父が婿に来た頃は広島の柔い水ではうまい酒が造れんいわれとった。
じゃけど親父は頑張って柔い水でもうまい酒を造る方法をこの土地のみんなと築き上げた。
(「もとすり唄」)・「廻ればヤレ七里ヨーホイ」・「ああ浦はヨーホイ七浦のヨーホイ」・「七浦のヨーホイ」・「ヤレ七恵比寿」わしも親父みたいに新しい事に挑戦してみたいんじゃ。
ウイスキーはそがにうまいんか?初めて飲んだんはのう二十歳の時じゃ。
世の中にこがいにうまい酒があるんかとハハッ…驚いたわ。
スコットランドに行ってその造り方を勉強してわしゃ決めたんじゃ。
まだこの国で誰もやった事がない新しい事に挑戦してみよういうて。
命を懸けるんか?ウイスキー造りに命を懸ける覚悟があるかと聞いとるんじゃ。
(英語での歌声)
(岡崎千加子)女中さんらが困っとったよ。
お姉さん。
これ…すごく使いやすい。
何ていうのですか?
(千加子)タワシ。
タワシ…タワシタワシタワシ。
お母ちゃんも意地悪して反対しとるんじゃないんよ。
お母ちゃんの役目は亀山の家を守る事じゃけん。
それにお母ちゃんはこの家の嫁がどがいに苦労するかよう分かっとるけん。
じゃけん…うちのしゃべっとる事意味分かる?はい…。
私早くお母さんに認めてもらえるようにもっとたくさん頑張ります。
回想どんなに頑張ってもあなたは日本人には絶対になれないのよ。
政春のためなら私は日本人になってみせる!私頑張る。
いよいよやって来た法事の日。
(亀山すみれ)お兄ちゃんええよ。
おお!よう似合うとる。
だけどちょっと苦しい…。
ハハハハハッ!
(すみれ)初めての時は誰でもほうよ。
でもお兄ちゃん親戚にエリーさんを認めてもらういうてどうするん?まずはのう…和尚に認めてもらうんじゃ。
(すみれ)なるほど。
和尚さんはこの町の長老じゃしお母ちゃんも子どもの頃から世話になっとるけん頭が上がらん存在じゃもんね。
ええ考えじゃろうが?でも和尚さん偏屈じゃけんね…。
あっ?あっうちも着替えてくる。
ありがとうございます。
エリーさんまた後で。
うん。
政春。
うん?私和尚さんに認めてもらう。
おお…。
わしがうまい事紹介するけん。
エリーはニコニコ愛想よう挨拶するんじゃ。
着物で挨拶どうやる?ちいとやってみるか。
はい。
のう。
ふつつか者でございますがどうぞよろしくお願い致します。
こちらこそよろしくお願いします。
いやいやそんなご丁寧にもうやめて下さいって違うわい!フフフッ…。
違う!エリーがやるんじゃ!アハハハッ…。
私?おお。
わしがやったとおりに。
座って。
分かりました。
はい。
手ついて。
ふつつか者ではございますが。
フシュシュカ…。
フシュシュカじゃない。
「ふつつか」!フフフッ…!ふつつか者でございますが。
ふつつか者でございますが。
どうぞ。
どうぞ。
よろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
日本の作法はどれも難しいものばかり。
それでもこうして愛する政春と一緒に頑張る事はエリーにとってたまらなく幸せな時間でした。
そして初めての日本の法事。
頑張ってエリー。
2014/10/01(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 マッサン(3)「鬼の目にも涙」[解][字][デ][再]
エリー(シャーロット)のことで政春(玉山鉄二)と早苗(泉ピン子)は対立を深める。政志(前田吟)に夢への覚悟を問われる政春。そして運命の法事の日がやってくる。
詳細情報
番組内容
エリー(シャーロット)のことで政春(玉山鉄二)と早苗(泉ピン子)は大げんか。エリーは結婚を認めなかった母の姿を思い出すのだった。何とか好かれようと奮闘するがうまくいかないエリー。一方、ウイスキーづくりとエリーとの結婚を認めてもらおうと父・政志(前田吟)に思いをぶつける政春。そんな政春に政志は、ウイスキーづくりを命がけでやる覚悟はあるのかと厳しく問いかける。そんな中、運命の法事の日がやってくる。
出演者
【出演】シャーロット・ケイト・フォックス,玉山鉄二,泉ピン子,前田吟,西田尚美,早見あかり,高橋元太郎
原作・脚本
【作】羽原大介
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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