真相報道 バンキシャ! 2014.09.14

皆さん、こんばんは。
真相報道バンキシャ!です。
さて、ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が、iPS細胞を発見してから8年。
医学は新たな一歩を踏み出しました。
体中のさまざまな細胞になることができるiPS細胞を使って、世界で初めて、人への移植が行われました。
今回、iPS細胞を使って行われたのは、目の手術です。
世界に先駆け、このプロジェクトを進めたのは、STAP論文問題で揺れる理化学研究所の一人の女性研究者でした。
きのう、バンキシャが出会ったのは、藤原哲朗さん。
まもなく70歳を迎えるという。
10年ほど前から、右目に異常が出始めたという。
縦にきれいにこう、並んでますよね、格子が。
それが膨らんで、こう見えるっていうか。
簡単に言うと、こんな感じに見える。
藤原さんの病気は、加齢黄斑変性という目の難病で、最悪の場合、失明のおそれもある。
国内では、50歳以上のおよそ1%の人が、この病気に苦しんでいるという。
グラフィックデザインの仕事をしているという藤原さんは、実際に自分が見える様子を再現してくれた。
右目で見ると、こういうふうに見えて、左目で見ると、こういうふうに見える。
右目で見ると、中心部分がゆがみ、黒くなるという。
加齢黄斑変性とは、眼球の内側にある網膜、その中心にある黄斑と呼ばれる部分が、年齢を重ねることなどが原因で劣化する病気。
おととい、この難病克服に向け、大きな一歩が踏み出された。
iPS細胞を使った世界で初めての手術が、この手術室で行われた。
この世界初の偉業に挑んだのは、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーが率いる研究チーム。
よかったというのが、もう一番ですね。
研究者として世界のトップを走る高橋リーダー。
その素顔とは。
高橋さんがギターで、僕がベース弾いて。
おととい、バンキシャは兵庫県神戸市へ。
移植手術が行われる病院が見えてきました。
手術が行われるのは、先端医療センター。
午後2時過ぎ、70代の女性に対し、iPS細胞を使った世界初の移植手術が始まった。
高橋リーダーらが行った手術。
患者の腕から皮膚の細胞を採取し、iPS細胞を作製。
そして、iPS細胞から、網膜の細胞を作り、シート状に加工し、移植するというもの。
これがその細胞シート。
これを長さ3ミリ、幅1.3ミリに加工する。
手術では、網膜の劣化した部分を取り出し、iPS細胞から作った細胞シートを移植した。
手術はおよそ2時間で無事終了。
患者さん方の期待、希望、思いに、一つの答えをお渡しできたかなと思って、それがすごくうれしいところです。
iPS細胞の生みの親、京都大学の山中教授も、その功績をたたえた。
高橋政代先生をはじめとする理化学研究所や、先端医療センターの、これまでの長い努力の結晶、たまものであります。
会見で、山中教授の隣に一人の男性が現れた。
高橋リーダーの夫、高橋淳氏だ。
山中教授のもとで、iPS細胞を使ったパーキンソン病の治療を研究している。
けさ、普通に行ってくると言って、普通にいってらっしゃいというふうに言いました。
割りとふだんは僕、結構、厳しいことを、大体周りが、彼女を甘やかすので、僕は一応厳しいことを常に言ってたんですけども、近づいてきて、だんだん緊張が高まってくるのが分かってきましたので、そうすると、あんまり厳しいことは言わずに、ずっと励ますようなことを言ってきました。
自宅でも、仕事の話ばかりしているという高橋夫妻。
終わったときには、携帯でメッセージを送って、よかったねっていうのを返事、もらっています。
同じ再生医療の分野を研究する夫は、どういった存在なのか。
一番、嫌なところをついてくる人でもありますので、けんかになったりもしますけれども、ですから、私たちのプロジェクトの危ないところであるとか、もっと研究をしっかりしないといけないところですとか、そういうところを全部指摘してくれたりとかですね、やはり非常にプロジェクトには重要な人であったと思います。
ここに一枚の写真がある。
今から28年前に撮られた、京都大学医学部の卒業生の写真。
その中に、眼鏡をかけた高橋リーダーの姿が。
同じ写真には、夫の淳氏もいた。
大学の同級生と結婚した高橋リーダー。
どんな人物なのか。
バンキシャが訪ねたのは、高橋リーダーの母校、京都大学。
大学時代の同級生で、京都大学で再生医療を研究している、河本宏教授。
高橋さんは大学のときは、テニス部をすごく頑張っていまして、今も、高橋さんのご主人、高橋淳先生も、テニス部で非常に活躍してはりまして。
夫の淳さんとは、テニス部で一緒だったという。
河本さんは、高橋リーダーの意外な特技を覚えていた。
同級生の中で、バンドを組もうかという話が出たときに、高橋さんがギターで、僕がベース弾いて、僕の記憶が正しければ、それがディープパープルのハイウェイスターという曲をやってたんですけれども、高橋さんはツインリードギターのところをすごく上手に弾いていたと思います。
1970年代に、一世をふうびしたイギリスのハードロックバンド、ディープパープルの曲を演奏していたという。
スポーツもできて、勉強ができて、音楽もできて、あと、それから、何を言うても美人でしたからね。
それだけ恵まれてたら、もっともっと偉そうになってもいいのに、全然そういうことがなかったと。
河本教授は、一枚の写真を見せてくれた。
それは、2年前の同窓会で撮った高橋夫妻との写真。
いよいよ再生医療をしようと、実現化に向けてのプロジェクトが走ってましたんで、言うたら、この2人に挟まれて、僕もご利益にあずかろうというか。
このころ、高橋リーダーらの研究は、順調に進んでいたという。
そして去年2月、高橋リーダーらは、厚生労働省に臨床計画を申請。
7月に承認された。
その後、着々と準備が進んでいたが、ことしに入り、思いがけないことが。
同じ理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが発表したSTAP細胞の論文問題が起きたのだ。
組織改革を迫られた理研。
高橋リーダーが所属する組織の解体論まで飛び出した。
臨床研究を控えていた高橋リーダーは、7月1日、ツイッターでこうつぶやいていた。
理研の倫理観にもう耐えられない。
STAP問題での理研の対応を批判したのだ。
さらに追い打ちをかけるかのように、
先月、世界初のiPS細胞を使った移植手術を控えていた、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダー。
その大事な時期に、理研の上司、笹井芳樹元副センター長が自殺したのだ。
笹井氏と高橋リーダーは大学時代の同級生。
大学時代からの友人である同級生は。
やっぱり笹井先生のことがあって、もしかすると、今回のこの網膜の臨床応用にストップがかかるんじゃないかとか、いろんなことを仲間内では心配していたんです。
実は、高橋リーダーの今回の研究の原点は、笹井氏だった。
かつて共同研究をしていて、再生医療研究の第一人者である笹井氏の技術が、iPS細胞を使った研究に発展したのだという。
笹井先生に、最初に、ES細胞から出来た網膜色素上皮を見せていただいたときから始まったプロジェクトです。
ですので、きょうこの日を迎えることができたことは、とてもうれしく思っております。
皆さんが治療できるような状況になって初めて治療と呼べるんだと思います。
ですので、そこまで行き着くまで、さっき10年以上と言いましたけど、そこまでの道のりもまた、非常に長いのが見えておりますので、標準治療にしていくために、絶対、頑張ろうと決意を新たにしました。
ではここで、こよいのご意見番をご紹介いたします。
まずはプロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんです。
こんばんは。
こんばんは。
そして、流浪に剣心でおなじみ、映画監督の大友啓史さんです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
よろしくお願いします。
このiPS細胞の生みの親、山中教授も高橋リーダーも、これからが大事だと語っておりますが、このプロジェクトは今回の手術後、iPS細胞から作られたシートが、拒絶反応や、がん化することなく、患者の体に定着して、初めて成功したと言えるわけです。
結果、まだまだ先のこととなるわけなんですが、とはいえ三浦さん、世界で一番最初にこの人体に応用できたのが、この日本人の研究チームだというのはうれしいですよね。
今、世界中が、これが一番、競争が激しい分野ですから、医学のね。
これができた第1号というのはすごいですよ。
三浦さんご自身も、難病というか、心臓病を患って、手術されてましたけれども、そういった部分にも。
今回、7回目でしたから。
8月4日に。
手術が?
手術が7回目。
そういったね、難病を患っている方にも朗報と。
僕もこれがまた生きる希望と、次の何か夢の大きな足がかりになりますよ。
そうでしょうね。
さあ、そのiPS細胞の研究の今後ですが、ご覧のような目標が立てられているんです。
2年後にはパーキンソン病の治療のための神経細胞、3年後には、心不全などの治療のための心筋、心臓の筋肉の細胞の移植、そして4年後には、脊髄損傷患者への神経細胞移植が予定されています。
このうちこちらのパーキンソン病については、今回のプロジェクトを進めた高橋政代リーダーの夫の高橋淳教授が手がけているものだということです。
ことしは、再生医療がさまざまな物議を醸しましたが、大友さん、こうした中での今回の成功、どうご覧になりますか?
でもやっぱりね、理研は日本が代表する研究機関ですからね、いろんな失敗とか、ありましたけれども、これをきっかけに、なんていうんでしょう、組織の再生に今回の件を使うのではなくて、むしろ研究者が純粋に、研究に打ち込めるような環境作りとか、そういうほうに向かっていくといいかなと思いますけどね。
そうですよね。
手術を受けた患者は、見え方が明るくなったと話しているということですが、病院側は、移植の成果が出ているのか、経過を見ながら慎重に判断していくということです。
それでは続けてまいりましょう。
福島第一原発の事故当時、吉田所長の命令に反して、所員の9割が撤退したとする、世界にも衝撃を与えたスクープ記事は、実は誤報。
さらに、慰安婦報道で、戦争中に女性を強制連行したとする証言記事の訂正が遅かった。
木曜日、朝日新聞の社長が、異例の謝罪会見を行いました。
現役やOBの朝日新聞の記者は、この謝罪をどう受け止めたのでしょうか。
木曜日、東京・築地の朝日新聞本社前には、大勢の記者やカメラマンが集まっていた。
混乱を警戒してか、警察官の姿も見える。
急きょ、開かれることになった記者会見。
玄関前では。
記者が朝日新聞の担当者に詰め寄っています。
なぜ新聞社側が、報道機関を選ぶんですか?
会場の関係と、警備の関係です。
会場の都合で人数が制限され、中に入れない記者もいた。
混乱のうちに始まった記者会見。
読者および東電の皆様に、深くおわびを申し上げます。
朝日新聞の木村伊量社長。
東京電力福島第一原発事故の、いわゆる吉田調書を巡り、ことし5月に、所員の9割が命令に違反して撤退したと報じたのは誤報だったとして、記事を取り消し、謝罪。
みずからの辞任も示唆した。
さらに、先月掲載した慰安婦報道の検証記事についても、訂正やおわびが遅れたことなどを初めて謝罪。
慰安婦報道の取り消しを巡っては、ジャーナリスト、池上彰さんのコラム掲載を、一時、見送ったことも間違った判断だったとした。
一連の騒動について、朝日新聞の現役記者は。
朝日新聞ですと名乗ることが、すごく恥ずかしくなってしまって。
きのう、バンキシャは都内の住宅街へ。
新聞をオートバイに積む1人の男性。
朝日新聞の配達員だ。
こんな声を聞いたとか、こういうのが営業所にあったとかって、そういうのって?
止まった理由が朝日新聞だからとか、そういうことですかね。
正直、謝罪会見が遅かったなとは思いましたね。
出したときに、その翌日あたりにやっておけば、ダメージはもっと少なかったんじゃないかなとは思いますけどね。
配達員も誤報の影響を受けていた。
異例ともいえる新聞社トップによる謝罪会見。
朝日新聞の現役社員は、どう聞いたのか。
こちら、会見直後につぶやいています。
朝日新聞は、ホームページ上で、現役社員のツイッターアカウントを公開している。
そのアカウントで、複数の社員が感想を述べていた。
朝日の9・11になりました。
記者は事実の前で謙虚になるべき。
バンキシャは、朝日新聞のOBで、テレビ朝日のニュースステーションに出演していた高成田享氏に話を聞いた。
何人かの現役の記者の人と話しましたけども、やはり池上問題については、すごいショックを感じていると。
自由な意見を載せるという空間を新聞は確保すると、それがやっぱり、新聞の使命ですから、池上さんの原稿を載せないという、いったんは載せないという判断をした。
私は、これが万死に値すると思っているんですね。
さらに先月まで雑誌、アエラで働いていた長谷川煕氏81歳は。
朝日新聞社の歴史の上でも、極めて深刻な事態だと思うんです。
この先般8月以来、起きていることは。
1961年に朝日新聞に入社。
その後、アエラの創刊に関わり、定年後もアエラ編集部で記事を書き続けてきたという長谷川氏。
先月の慰安婦報道の検証記事に不信感を抱いたという。
これは一体、どうしてそういうことが起こってしまったのかという、その根本のところの追及というか、検証が全くないわけです。
この問題は、自分で検証し、世に問いたい。
そう考えた長谷川氏は、先月、アエラ編集部を去ったという。
記者歴50年以上の名物記者もが、朝日新聞を去る事態。
何が起きているのか。
バンキシャは、今も現役で取材をしている朝日新聞の記者からも、匿名を条件に話を聞くことができた。
すると。
朝日新聞ですと名乗ることが、すごく恥ずかしくなってしまって、たぶんこの気持ちは、現場の記者はみんな持っていると思うので、露骨にもう、朝日新聞という名刺を出したら、朝日はいいからって、取材を断られたり。
さらに誤報の原因をきちんと検証してほしいとも話す。
少なくともペーパーを全部入手をしていたら、現場の記者は、完全なミスリードだっていうのは、絶対に分かると思うんです。
どこかの段階で誰かが、それじゃあ、おもしろくないから、もっとエッジを立てろみたいな声があったのか、なかったのかはちゃんと調べてほしいです。
NNNがこの週末に行った世論調査によりますと、吉田調書と慰安婦報道を巡る朝日新聞社の対応について、評価すると答えた人は6.4%、そして、訂正・謝罪は評価するが遅すぎるが63.6%に達しました。
そして評価しないは、23.3%となっています。
そして、朝日新聞社は信頼を回復することができると思うかという問に対しては、思うが21.5%に対して、思わないが60.4%に上っています。
今回のこの問題では、みずからの主張に沿った形で記事を書こうとしていたのではともいわれているわけなんですが、NHKご出身で報道機関にも長く携わっていらした大友さん、この問題、どうお考えになりますか?
僕はね、あくまでドラマを作っていた人間ですけれども、少なくとも1次情報をつかまえるというのは、すごく時間もかかるし、大変なこと、しかもその1次情報をどういうふうに読み解いていくかというのも、すごくやっぱり時間、労力、最新が要求されるというか、その中でどうしてもね、少し自分の理解できるように読み解きたいとかね。
やっぱり演出ですよ、ある意味、演出したいという気持ちは、現場の人間、どっかでね、特に時間が迫られている、締め切りもある、スピードも問われるという中で、やっぱりそういうことがすごくあると思うんですよね。
だから一方で、若い記者なんか、僕も友人、いっぱいいましたけど、忙しいですからね、だから、そこまでの仕事をやろうと思うと、やっぱり24時間、寝食を忘れてやらなきゃいけない仕事だし、そこまでのことにやっぱり若い人たちが耐えられるかっていうことも含めてね、やっぱり今、VTR見ると、朝日新聞っていう名前に誇りを持てないとか、すごく心配ですよね。
一転、誇りになる、よりどころになるのは、ジャーナリズムという正義とか、ジャーナリズムという概念に対する信頼とか、そういうのがやっぱり働くね、モチベーションになっているはずなんですよ。
だからそれが崩れちゃうと、すごく心配です。
三浦さんはいかがお考えですか?
結局、記事そのものが国益を損なう、あるいはね、日本のイメージを本当に世界的にダウンさせると、そういうことでやっぱりあり、社内でも検討してやるべきだったんじゃないでしょうかね。
何ゆえ、こうした誤報が起きたのか、私たちも報道に携わるものとして、事実に対して謙虚に、そして誠実に、気を引き締めてまいりたいと考えております。
続いてはこちらです。
この1週間、突然猛烈な雨が降り、日本各地であっという間に道路が冠水する事態が相次ぎました。
東京都心や大阪、北海道、そして宮城。
冠水した道路では、水につかって動かなくなった車が続出。
なぜ多くの車が水の中で動けなくなってしまったのか。
そのとき運転手にはどんな風景が見えていたのか。
車に取り付けられていたドライブレコーダーが、克明にその瞬間を捉えていました。
水曜日、東京・江東区では。
うぉー!もう海だ。
突然、東京都心を襲った猛烈な雨。
江戸川区でも、道路が冠水し、タクシーなど9台が立往生した。
もう、入った瞬間、もうお客さんは、すぐ避難してもらいたいと思って、すぐドア開けてもらって。
怖かったですね。
車は60センチほど浸水。
水圧でドアが開かなくなり、救助を待ったという。
全国各地で降った猛烈な雨で、車が水につかる被害が相次いでいた。
宮城県石巻市でも、冠水した道路に取り残された車。
波をたてながら進む車。
ここにも、水につかった車が。
さらに仙台市では。
こちらの現場では、大雨による冠水により、車が6台、水につかっております。
なぜ、多くの車が動けなくなったのか。
タクシーの車載カメラが、その瞬間を捉えていた。
止まっちゃったかな、やっぱり。
そもそもなぜ、道路はこれほどまでに冠水してしまったのだろうか。
鍵となる現象が、東京・秋葉原で目撃されていた。
これは男性が水曜日に撮影した映像。
マンホールの隙間から噴き出した水。
男性によると、その高さはビルの2階まで及んだという。
ごーとか、ぼーとか、ゾーとかいうような結構、すごい音がしましたね。
大阪府豊中市でも、道路が冠水。
ここでもマンホールの隙間から水が噴き出していた。
なぜこのような現象が起きるのか。
そのメカニズムを実験施設で検証した。
これはマンホールの下の下水道管を再現した装置。
画面左が上流の水槽、右は下流の水槽。
その間にマンホールを設置。
激しい雨が降ったと想定して、上流から下流へ、大量の水を流すと、どのようにマンホールから水が噴き出るのか実験した。
それではよろしくお願いします。
それではスタートします。
水は上流から下流の水槽へ、勢いよく流れていく。
これは下流の水槽の内部。
徐々に水がたまり、水位が上がっていく。
この時点でマンホールに変化はない。
水はさらに下流の水槽に流れていく。
下流の水槽の水はますます上昇。
そして、下水管の位置より水位が上回った。
すると。
今、水が逆流し始めています。
行き場を失った水と空気は、逆方向へと流れだした。
下水道管の空気は圧縮され、上にあるマンホールは、がたがたと音を立てて動き始めた。
そして。
あー、今、水が噴き出しました。
すごい勢いです。
行き場を失った水と空気が、一気にマンホールから噴き出した。
この下水道管の中の、計画水量ですね、計画水量を超えて雨が降ってしまったとき、処理がしきれずに、あふれ出てしまうという現象が一つあります。
こうした現象も、冠水の原因の一つ。
車の水没につながったと見られる。
実際に、江戸川区の道路で車が水につかる被害に遭ったタクシー運転手の霜鳥隆雄さん。
おととい、霜鳥さんの車が水につかった現場を案内してもらった。
そこは緩やかな下り坂。
一見しただけでは水がたまるようには見えない。
5時台、4時台も通ってますけど、若干、大体やっぱ、5センチぐらい、初め、たまってたんですけど。
大丈夫かなと思ってました。
そのとき、一体何が起きたのか?タクシーが水につかるまでの状況を、車載カメラが捉えていた。
水曜日、午後6時9分、霜鳥さんは江戸川区小松川で客を乗せ、葛飾区の新小岩方面に向かった。
激しく降る雨に、霜鳥さんは。
道路が水浸しになっていますからね。
京葉道路とか、ところどころに水がたまっちゃってますから。
前のタクシーが走り出す。
なぜか、ハザードランプをつけたまま止まっているワゴン車。
前のタクシーが急に止まった。
そのとき、異変に気付いた。
個々もう、ちょっと水がいっぱいなので、ごめんなさい。
目の前から押し寄せてくる水。
すでに道路は川のようになっていた。
前にも水につかった車が。
止まっちゃったかな、やっぱり。
しばらく進むと車は停止。
車載カメラの映像はここで途切れた。
そのタイミングでエンジンも切れた。
行けるかなと思いましたね。
ここからは、あっちの横断歩道は見えてました。
思ってた以上に深かったんですね、結果的に。
霜鳥さんのタクシーはエンジンに水が入り、修理に多額の費用がかかるため、廃車にすることにした。
車が水没した原因について専門家は。
水がたまっている所を、車が通過する際に、水を巻き上げまして、空気を吸い込む口なんですけれども、こちらから水を吸い込んでしまったことによってエンジンが損傷してしまうケースだと思います。
水はフロントグリルや、ボンネットとライトの隙間などから入るという。
これは冠水した道路を走り切れるかを検証した映像。
セダンタイプの車で、まずは水深30センチ、時速10キロで走行した場合。
フロントバンパーの部分まで水につかるが、エンジンには水が入らなかったため、走り切ることができた。
今度は水深60センチを、時速10キロで走行した場合。
水を高く巻き上げた。
フロントガラスまで水がかぶる。
水はフロントグリルの高さまでつかっていた。
しばらく走行すると、途中で止まってしまった。
エンジンを再起動してみるが。
完全に動かなくなってしまった。
水深が深ければ、水を巻き上げる量が多くなり、エンジンルームに大量の水が入る。
それによって、車が動かなくなるのだ。
各地で見られた車の立往生。
ドライバーは、冠水した道路に遭遇した場合、どうすればいいのか。
水位が、水の深さが分からないような場合は、入らないことが得策だと思います。
もし入ってしまった場合は、極力ゆっくり動いていただく、
ことしは1時間に100ミリを超す猛烈な雨も降っていますが、こちらは気象庁が、1976年以降、1年間で、1時間に50ミリ以上の大雨が降った回数をまとめたものです。
大雨の回数は、このように年ごとに、増えたり減ったりは変動が大きいんですが、傾向としては、このように、赤い線で示したとおり、年々増加傾向にあるとしています。
一方で、東京や名古屋市、大阪市の大雨の対策を見てみます。
東京都では、一部の重点地域で50ミリや75ミリの雨に対応するため、去年、緊急対策を始めたばかりで、完成までに、まだ数年かかるとしています。
そして名古屋市中心部などでは、1時間に60ミリの雨に対応できるよう、今、整備を進めているそうですが、100ミリもの雨では、浸水被害が出てしまうということです。
増え続ける局地的な大雨に対策が間に合っていないのが現状です。
大友さん、いかがでしょうかね。
やっぱり今見ると、都市機能とか、交通機能のもろさっていうのを、ちょっと改めて感じますよね。
それと、やっぱり今までの防災基準とかね、そういうこちら側の基準値というのを、改めて変えなきゃいけないんじゃないかなっていう印象を受けましたね。
さて、三浦さんは、今回、特別警報が出た北海道で、この雨に遭遇されたということでいかがでした?
札幌にいたんですけど、夜中にもうとんでもない稲妻。
雷で、一晩中、寝れないぐらいがんがんだった。
ただし、やっぱりこれも、僕は札幌も50年以上いますけども、初めてですね、こんなん。
今まで、経験したことなかったことが起きますね。
山でも、異常気象というのは増えてるんでしょうかね?
ことしのエベレスト、あれ、とんでもない大きな雪崩が起きて、あれも温暖化ですね。
続いては上田さんのニュースコーナーです。
お伝えします。
NNNがこの週末に行った世論調査によりますと、安倍内閣の支持率は50.9%と、4か月ぶりに50%台を回復しました。
世論調査によりますと、安倍内閣の支持率は50.9%で、内閣改造前の前の月より、6.5ポイント上昇しました。
5人の女性大臣が起用されたことについては、52.0%の人が、評価すると答えました。
また自民党の幹事長から起用された、石破地方創生担当大臣について、期待するが56.4%に上りました。
一方、第2次安倍内閣が発足してから1年8か月の間で、景気がよくなっていると感じるか尋ねたところ、あまり感じないが46.0%、全く感じないが30.4%となり、7割以上の人が景気回復を実感していないことが分かりました。
韓国のユ・ビョンセ外相はきょう、ソウルで開催された日韓の民間文化交流イベントに出席し、日韓関係の改善に取り組む姿勢を強調しました。
ユン外相は、ソウルで開かれた日韓交流まつりに、韓国の外相として初めて出席。
その後、別所駐韓大使と初めて会談し、冷え込んだ関係の改善に向け、双方が努力することで一致したということです。
ユン外相は、日本の歴史認識問題に強硬な立場ですが、日本と中国が首脳会談の可能性を模索する中、日本との対話を拒んでいないとの姿勢を示した形です。
戦時中、李香蘭の名で活躍した元女優の山口淑子さんが、先週の日曜日、東京・千代田区の自宅で心臓病が原因で亡くなりました。
94歳でした。
大正9年、旧満州、今の中国東北部で生まれた山口さんは、日本人であることを伏せて、中国人女優、李香蘭として一世をふうびしました。
戦後は山口淑子として、2014/09/14(日) 18:00〜18:55
読売テレビ1
真相報道 バンキシャ![字]

今週のバンキシャ!は