サキどり↑「被災地だからこそ新ビジネスを!」 2014.09.14

この夏宮城県気仙沼市に一大観光スポットがオープン。
中では地元で水揚げされたマグロの解体ショーに…自慢の海産物がずら〜り!味はもちろん…。
町の観光復興の起爆剤として地元の期待は高まります。
東日本大震災で甚大な被害を受けた東北の水産業。
しかし「サキどり」が出会った海の男たちは逆境をバネにビジネスへの意識を高めていました。
そしてこの夏販路拡大を目指し関西に打って出た。

(2人)おはようございます。
東日本大震災から3年半がたちました。
9月11日でという事になりますよね。
まずはこちらをご覧下さい。
これ被災地に関連するあるものなんですが何だと思いますか?日本の総人口の比率で言うとおよそ100人に1人っていう数ですよね。
実はこれは被災した岩手宮城福島3県で活動したボランティアの方の数なんですね。
相当な数ですね。
述べ138万人。
でもこの数実は各地のボランティアセンターが把握している数なので実はこれよりももっと多くの方が被災した沿岸部隅々まで回られて活動していると考えられますね。
まさに復興の大きな力になったわけですよね。
ただボランティアの方が果たした役割これだけではないんです。
ビジネスに対しても大きな役割を果たしているんです。
というのも被災した皆さんとボランティアの方が触れ合う事で地域の人も地元の魅力を再発見。
それを新たなビジネスにつなげています。
漁船で沖に向かうのは高校生の皆さん。
引き揚げられたホタテ貝に興味津々です。
このホタテはですね…。
養殖施設を見学するこちらのツアー。
ガイドを務めるのは…去年始めた観光漁業に大きな手応えを感じています。
高橋さんが観光漁業に取り組むきっかけをくれたのは復興のために全国から訪れたボランティアでした。
高橋さんが暮らす人口4,600の歌津地区。
白い砂が自慢のビーチは夏には毎年3万人の海水浴客でにぎわっていました。
しかし震災で地盤が沈下。
ビーチは無くなりました。
高橋さんも高さ13mを超える津波によって養殖施設と作業場全てを失いました。
南三陸町には震災直後から大勢のボランティアが駆けつけました。
高橋さんのもとにも500人を超えるボランティアが訪れワカメ漁の再開を助けてくれました。
「何かお礼がしたい」。
漁船に乗せワカメを振る舞ったところその反応は思いも寄らないものでした。
三陸の海の魅力に可能性を感じた高橋さん。
漁のかたわら観光客の受け入れを始めました。
この日はフィッシングがお目当ての家族連れです。
皆さん初めて挑戦する船釣りに期待が高まります。
この辺りの海は知り尽くしている高橋さん。
「初心者でも必ず釣らせます」と言っていましたがそう簡単には…。
えっきた?釣り糸を垂らす事僅か5分。
立て続けにヒット。
お〜!評判は口コミで広まり去年は300人だったお客さんが今年は既に500人を超えました。
高橋さんの観光漁業は町の人たちを巻き込んで広がっています。
こちらの食堂では釣った魚を無料で調理してくれます。
豪華料理に早変わり。
釣りの楽しさ倍増です。
お店にとっても魚以外の注文が入るので大歓迎。
南三陸町から北へおよそ50kmの岩手県大船渡市。
ここにも三陸の海産物の力を信じて追求してきた人がいます。
その方を久しぶりに「サキどり」スタッフが訪ねました。
おかげさまで。
「サキどり」は震災直後から八木さんの取材を続けてきました。
津波で漁船の9割が流されたとも言われ大きな被害を受けた大船渡市。
八木さんも事務所や商売道具を全て失いました。
近所の葬儀屋の一角を借りて始めた会社の再建。
大震災から僅か1か月で八木さんは新たな挑戦に打って出ました。
それは漁の様子の生中継です。
漁の様子をインターネットで配信。
取れた魚をネット上で全国販売したのです。
新たなビジネスを模索する八木さんが特に注目したのが漁師町の伝統料理です。
この煮ダコ。
煮汁は30年間つぎ足しつぎ足し使い続けてきたものです。
伝統の味に加工すれば生のタコの5倍の値段で販売できます。
加工品作りのための本格的な施設が必要だと考えた八木さん。
全国の個人投資家に出資を呼びかけました。
説明会のあと八木さんのもとには多くの賛同者が。
僅か半年で2,500万円を集める事ができたのです。
去年8月念願の加工施設が完成しました。
この日さばかれていたのは何ともグロテスクなカジカ。
でも漁師が好んで食べる魚です。
こちらはドンコ。
鍋の具材としておなじみですがたたきにしてみそとねぎと合わせると絶品なんだとか。
更に鮮度を保つために八木さんにはある秘策がありました。
調理済みの食材を運ぶ先は大型冷凍庫。
でもただの冷凍庫じゃないんです。
食材は特殊な技術によって外側も内側も一気に冷凍。
すると細胞が壊れにくく解凍しても風味が保たれるんだとか。
こちらが解凍したドンコのたたき。
いかがですか?これなら浜の漁師料理を全国どこへでも届ける事ができます。
八木さんの取り組みは漁師たちの意識も大きく変えています。
この日八木さんを呼び出した漁師の熊谷さん。
新しい調理法の煮ダコの提案です。
熊谷さん付加価値をつける漁業への転換にやる気満々です。
八木さんが取り出したのはあのグロテスクな魚カジカの刺身の冷凍サンプル。
商品化のアイデアをくれた熊谷さんに食べてもらうためです。
漁師たちも惜しみなく自分たちの知識を提供して八木さんを支えます。
震災から3年半。
浜が元気を取り戻しつつあります。
いや〜八木さん本格的なスタートという事で。
でもこの展開力すばらしいじゃないですか。
何だかこちらが元気をもらうような。
パワーすごいですね。
さあ現地にも赴いた事があるという益子さんです。
(3人)よろしくお願いします。
すごい展開ですよね。
いや〜ほんとですね。
「フィーバー」っていう言葉も久しぶりに聞いたりして。
震災前よりももっともっとパワーアップしてアイデアを生かして消費者のもとにっていう。
何だかほんとに元気ですね。
パワーがあって。
VTRでご紹介した料理をスタジオにご用意いたしました。
まずはそのフィーバー。
カジカのお刺身。
(益子)では…ちょっと見た目がねグロテスクで。
お刺身になるとさあどうでしょう?うん。
どうですか?全く臭みもないし新鮮なこの…。
何でこんなおいしいもの今まで隠してたんですか?そしてカビラさんのドンコ。
現地ならではって事なんですが。
いただきます。
うん!みそとの相性バッチリですねこれ。
朝から恐縮ですけれども一杯頂きたくなりますよね。
でもこれ冷凍されてたわけでしょ?はい。
ほんとに取れたてそのもの。
さあスタジオにはもうお一方です。
復興庁の調査官を務めた経験もあります。
復興コーディネーターの藤沢烈さんです。
お願いいたします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
しかし140万人近い皆さんがボランティアとして現地で支えをお互い手を取り合ってという事なんですけれどもいろんな「気付き」があってそれがビジネスにつながるって事ですか?ボランティアの方に話を伺うと仕事もそこそこに現地の方に大量のごちそうを用意されたって言って申し訳なさそうにおっしゃるんですけれどもそこで現地の料理だったりを観光客じゃない形で楽しまれて大喜びされて。
その事が一瞬元気を失われていた東北の皆さんにとって全国の皆さんにこれほど喜ばれるんだなって事を気付きを与えられて。
それでこういう新しい取り組みをしようというふうな一番の原動力に138万人のボランティアの方はなったんですね。
まさに現地の皆さんが普通に楽しんでいるものを召し上がってというその気付きですよね。
はい。
その気付きから単に取るだけじゃなくて作って売っていきたいと。
さっき稼げる漁師になりたいみたいな事も言ってましたけど自分で売っていきたいという気持ちに大きく変わってきてると。
実はこれが復興の大きなキーポイントになってるんですね。
益子さん自身も何度も被災地に行ってやっぱり魅力に気付いたところありますか?やっぱ賄い料理とか漁師さんって船の上でどんなもの食べてるんだろうとか。
そっちの方をやっぱり興味がありますよね。
やっぱりそうやってアイデアを提供したり一緒になって考えたりこれからもっともっとそういう事が必要なんじゃないかなというのは今気付かされましたね。
それが非常に重要でして今東北の水産業ですねなかなか回復してないんですね。
震災前以上に売り上げを伸ばしたところというのは2割だけなんです。
ただその2割を見てみると必ず新しい販路を生み出したり新しい商品を生み出してるところが震災前以上に伸びてるんですね。
ですのでまさにこういった消費者の目線を持って新しい商品作りをするというのが今の復興において鍵になってるんですね。
八木さんもおっしゃってましたが震災前に戻すのではなくてそれをやっぱり超えるっていうあの気概ですよね。
7月大阪・梅田の一等地に被災地を支援するためのアンテナショップが誕生しました。
「東北わくわくマルシェ」。
中をのぞくと石巻産の炙り牡蠣に気仙沼のさんまの缶詰。
東北各地ご自慢の絶品グルメが勢ぞろい。
東北にとって距離が遠くこれまで縁の薄かった大消費地関西に販路を広げていこうという試みです。
(テレビの音声)「岩手県の南の魚ですね」。
建物の一角こちらの部屋から何やら聞き覚えのある声が…。
おやっ!大船渡の八木さんじゃないですか。
テレビ電話を使って商談中の八木さん。
実は関西に進出する足掛かりとしてこのアンテナショップに大きな期待を懸けているんです。
ここでは東北の食材に関心のある飲食店の料理人などに情報を提供。
更に困っている事や探している食材などさまざまなニーズをくみ上げます。
八木さんが注目したのがこのニーズです。
飲食店ごとの課題や新たな戦略を把握。
それに応える食材や調理法を検討します。
ニーズに合わせて提案するいわば「海産物の御用聞き」ビジネス。
これで新たな販路を効率良く掘り起こすねらいです。
岩手県大船渡市の八木さんを訪ねてみると…。
相棒の内田さんと2人大阪のタコ焼きチェーンに送る試作品作りの真っただ中でした。
まず八木さんが選んだのは夏に取れる小ぶりのスルメイカ。
これを食べやすいよう縦に開いて串焼きで提案です。
そこであの冷凍庫の出番。
産地ならではの味をそのままにとじ込めて遠く離れた大阪に届けます。
もう一つ選んだのがツブ貝の一種…この調理法にも漁師さんが取って置きのアイデアをくれました。
機械で蒸す事およそ10分。
出来上がりを試食するのは浜の女性たち。
浜の女性たちも大絶賛。
殻蒸しの採用が決定。
そして迎えた商談当日。
八木さんそして殻蒸しのアイデアを出した漁師の瀧澤さんも駆けつけました。
こちらが大阪タコ焼きチェーンのご一行。
まずはあの殻のまま蒸したツブ貝を試食。
早速食いついたバイヤーさん。
気になるのはお値段です。
値段にも納得した様子。
早速注文をゲット!お次は夏のスルメイカ。
しめしめ食べやすいように串刺しにした事が成功?…と思いきや。
互いに意見を出し合いながら新メニューを作り上げていきます。
軌道に乗れば月に100万円を超える取り引きになりそうです。
益子さんとどまるところを知らないですよね。
一人商社ですよ。
大阪の方たちを相手に「できますか?」「できます」すごい。
返答が考える間もなく。
その岩手・大船渡の八木さんたちと中継がつながっています。
八木さ〜ん。
(八木)こんにちは。
よろしくお願いいたします。
ほんとに拡大の端緒はついたという感じそういうイメージがあるんですが実際どうですか?手応えは。
ようやく戦略を立てられる状態にまで持ってこれたのかなっていうのが今の実態ですね。
いよいよこれから攻めに出るというところですね。
八木さんツブ貝を貝のまま蒸すとかっていうのはやっぱり漁師さんたちのアイデア?飲みの時に呼び出されて説教が始まるんですよ。
「おめえ魚屋のくせにこんな事も知らねえだろう」みたいな。
昨日もあったんですけれど。
そういうところで教えられながら新しい発見が生まれてくるっていう。
熊谷さん横で笑ってますけど。
教えなくてもいい事まで教えて。
(笑い声)八木さんVTRの中で「お抱え産地」という言葉使ってらっしゃいましたけどもまさにそれも八木さんが考えてらっしゃる産地の在り方なんですか?素材を持っていて文化を持っていて更にはこういう加工ラインまで整備されて自分たちが作りたいものを作るという時代ではなくて消費の現場の抱えてる問題をそれらを使って解決してあげる産地に変わっていければなというのが今の僕たちの思いです。
なるほど。
藤沢さんまさにそれぞれにある課題を解決するのが実はこのビジネスの在り方という…。
私の友人のフランスでミシュランの一つ星を取った日本人のシェフがいるんですが彼がよく言うのは東北は東京を見てはいけないと。
今世界中で実は日本食というのは注目をされていてフランスだけでなくてロシアだったりドバイだったりですねそこの料理人たちが日本食に興味を持ってるんですね。
そういう意味で今八木さんが地域連合お抱え産地って事をおっしゃってますが大阪だけじゃなくて世界にも僕はつながってくるんじゃないかなとそんな可能性を感じてます。
八木さんどうですか世界で戦ってみませんか?戦える武器ですから…
(益子)そうですフィーバーしましょう。
そうなってくると閉塞感が一気に求心力に変わってくるというのは大きいと思うんですよね。
マーケットをもっと大きく見据えてっていう。
熊谷さんパリのシャンゼリゼに何持ち込みましょうか?毎日作ってる…「しばて」というの分かりますか?どういうものですか?ワインにも合うぞと。
(益子)それいい。
是非熊谷スペシャルをちょっと編み出して頂いて…。
すばらしい!飲み過ぎなんです。
なるほど。
藤沢さんやっぱりそういうツールがあるので国内外問わずという事で…。
可能性が出てきているという事ですね。
真の復興はやっぱりその先にあるんですかね?あると思います。
現地の方おっしゃるのは「もう支援ではない」っていう言い方をやはりされるんですよね。
そうではなくてそういう被災地だとか復興というイメージを脱却して自分たちは新しい先端を行ってるんだという事をしていきたいんですと。
なので我々はパートナーとして東北と対等に向き合い続けるというこういう私たちが考え方を変える事が実は課題かもしれないなというふうに思ってますね。
秘密の武器が。
来年ぐらいはフランスとやり取りしてる姿が見れるんじゃないかな。
「これってトレビアンだろ?」みたいな事を熊谷さん言いそうですけどね。
ありがとうございます。
更なる飛躍を期待してます。
(2人)ありがとうございました。
八木さん熊谷さん感謝です。
ありがとうございます。
巻き込まれたくなるような感じになりますよね。
はい一緒に飲みたいです。
片山さん「ピンチはチャンス」って言いますけど大打撃を受けた東北の漁業が3年半でここまできてるというね。
ビッグチャンスにむしろつなげているというのがかなり驚きでしたね。
そうですよね。
でも3年半という月日がたって私たち何ができるのかなって考えてらっしゃる方もいると思うんですが。
そうですよね。
小さな事買って食べるそれだけでも大きな支援につながるのかなと感じました。
そうですよね。
そしてまたフィードバックって事ですよね。
さあ応援の気持ちを込めてエンディングナンバーはBRUCESPRINGSTEEN「WORKINGONADREAM」。
2014/09/14(日) 08:25〜08:57
NHK総合1・神戸
サキどり↑「被災地だからこそ新ビジネスを!」[字]

再生する日本経済を応援し、新しいライフスタイルを提案する番組。新しい時代の息吹をサキどります。【司会】ジョン・カビラ,片山千恵子

詳細情報
番組内容
津波の被害が甚大で、復興への歩みが遅れがちな東北の水産業。だが大船渡の八木健一郎さん(37)は、震災直後からネット中継で魚を売るなど新ビジネスに次々に挑んできた。彼を支えるのは「課題の多い被災地こそ新ビジネスを起こせる」という信念。この夏は飲食店などの要望を聞き最適の食材を提案する「海の御用聞き」サービスに情熱を注いでいる。八木さんの3年半の歩みと新戦略に密着し被災地の水産業再生へのヒントを探る。
出演者
【ゲスト】益子直美,RCF復興支援チーム代表…藤沢烈,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子

ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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