NHK短歌 題「泡」 2014.09.14

ご機嫌いかがですか?「NHK短歌」司会の濱中博久です。
第二週の選者斉藤斎藤さんです。
今日もよろしくお願い致します。
豚丼が歌になりましたね。
気が付いたら食っていたという流れで生きてしまっているなという歌ですね。
2分前に自動販売機で押したなとあとで思い出しましたか?無意識のうちに…はい。
こんな歌もあるんですね。
「NHK短歌」今日お迎えしたゲストをご紹介致しましょう。
タレントの壇蜜さんでございます。
ようこそお越し下さいました。
よろしくお願いします。
壇蜜さんはグラビアモデルや俳優をはじめ司会のお仕事など多方面でご活躍中でございますが短歌の番組にお迎え致しました。
短歌とのご縁はどうですか?中学校高校時代に何かと修学旅行だったり行事の度に短歌を提出する義務がありまして特に校風なのか修学旅行は一泊につき十首書いてほしいという提出義務がありまして…。
十首?ある意味一日があっという間でしたね。
他見物してるどころではないですね。
見物が全て文字に見えてくるという…。
何か短歌のネタにしなくちゃという。
とにかく書かなきゃというようなところで5〜6年間やってまいりました。
当時強制的にたくさん歌を作られたんでしょうがどんな歌でしょう?一首教えて頂けませんか?ご本名が齋藤支靜加さん。
はい私の本名です。
ただこの歌の背景は?中学校の頃から日本舞踊を習っておりましてその時に高校1年生になって初めて舞扇を新調したんですね。
前のものがくたびれてしまってその時に扇を買いましてこれはまたちょっと違うタイプの扇なんですけれども開く硬さというのがこうやって開く時にどうしても硬く感じてしまって。
新しいのは硬いわけかな?新しいものって使い慣れたものより結構硬くて開きにくい。
その硬さにはじめましての感情があったのとどうしてもこの要という所に踊りのルールで小指を乗せて踊るというのが私の流派のルールでもありましたからついつい小指を乗せてしまって今も小指を乗せる癖が抜けないというそういう歌ですね。
斉藤さん高校生の時の作品ですって。
高校生とは思えない艶っぽさみたいなのを感じますし「開くかたさに」の「に」の辺りがやっぱり鍛えられた…。
この「に」ってなかなか使えないですからね。
相当鍛えられたところが出てますか。
そこを感じますね。
すごい学校ですね。
しかし驚きました。
そうですね。
初めて私も言いました。
そういう話は。
今日は短歌の番組にお招きするにあたって短歌のイメージをゲストの方にお考え頂くんですけどどんな言葉でイメージをお持ちかという…。
こちらです。
どうかな?どういう事?五七五七七の世界はものすごく広くてすごく解釈がしやすかったりしにくかったりもするという事ですね。
そのお話後ほど詳しくお聞かせ下さい。
どうぞよろしくお願い致します。
さあそれでは今週の入選歌です。
題が「泡」または自由でした。
斉藤斎藤選入選九首です。
一首目。
早速壇さんに伺いましょう。
これある意味幸せな句だと思いましてこういう小さな事までもお互いに確認し合って譲り合って初めて同居が成り立ってるって事はそのあとのトラブルって少ない気がするんですよ。
このあとの楽しい生活が待っているような期待も込めた句だと考えました。
やっぱり小さな事からすれ違い始まってしまいますからこういうところをちゃんと詰めていくっていう「認めてもらい」っていう辺りに相手への思いやりと主張のバランスがとれていてうまくいきそうなが感じがします。
指でとげないという事情が若い女性にある事もあるんですね。
恐らく爪をきれいに手入れされてる方だとお米といだ時にどうしてもぶつかってしまってという…。
ネイルね。
それでもお料理したいっていう気持ちがあるんだと思うんですよね。
では二首目です。
自由題で頂きました。
まず「病毎」という初句にちょっとびっくりしまして複数の病とつきあわれているのでいろいろ食べ物に制限がかかってくる。
バイキングであるって事が絶対条件なんでしょうね。
ただそのいろいろな病気を抱えながら「旅にはバイキングある宿捜す」という下の句のエネルギッシュなリズム感。
旅行くぞっていう意欲がにじみ出てますよね。
折り合いをつけながら楽しまれているところがすてきでしたね。
それでは三首目移りましょう。
一つは風呂場で鼻歌を歌うという意味だと思うんですけれども短歌の番組ですのでこういう歌作りの姿勢を歌ったようにもちょっと見えるところが…。
「歌ひたし」は短歌の歌作りかもしれない。
日常生活に基づきながらちょっと変身願望というかちょっと違うものも歌ってみたいなという気持ちが…。
首から下の私は日常を消して考えてみるという感じでしょうか。
その膨らみがよかったですね。
では次四首目です。
さあ壇さんいかがでしょう?全て好きなものすてきなもので埋まっている歌だと思いました。
コーラにレモン輪切りにして入れるというのは多分こだわりだと思うんですよ。
映画ピザ屋コーラ全部好きなもの誰にも邪魔されたくない空間を楽しんでいらっしゃる事が感じましたね。
おしゃるとおり絶景って至福という感じで。
至福のひとときを歌われましたよね。
さあそれでは五首目にまいりましょう。
ちょっとびっくりしましたね。
「沢庵で泡ふく」しかも「泡ふく蟹」ですからね。
釣れるんですね。
ものすごいリアリティーがある。
それから「釣りし日よ」ってカメラスーッと引いていく感じで「ふるさとの川さらさら流る」ってきれいに収める。
上句と下句のバランスがとても優れている歌だと思いましたね。
では次六首目です。
魚を歌ってこれほどペットの感じがする歌ってなかなかないと思うんですよね。
「からかへば」ってとても親密な感じがしますしかわいがりすぎて餌をあげすぎちゃったのかもしれないですね。
ほんとだ肥えてますね。
とても仲がいい感じでよかったですね。
それでは七首目に移りましょう。
壇さんいかがですか?このお茶が泡立つという状況私も陥った事があるのですがやっぱりちょっと恥ずかしいし人に見られたくないなと思うんですけれどもこの方「元気に泡立っている」というのでこれが私のお茶なのよという雰囲気がお茶を認めてる感じがとても心が広いし何でも前向きに捉えられる方なんだなと思いました。
下の句の前向きさがとてもすてきですし「鞄の中身が揺れすぎて」というところも大きな鞄の中で本とかペットボトルがぶつかってる感じその手応えが伝わってきて上の句も巧みでとてもいい歌だと思いますね。
では次八首目自由題で頂きました。
飲んべえの歌ですよこれは。
日曜の昼からお酒を飲む楽しみでしかも楽しみながらあと何回今年日曜日にお酒飲めるかなって指折り数えちゃってる感じがとてもかわいいですね。
下の句とても面白かったです。
まだ何回も飲めるぞって喜んでらっしゃる感じがよく浮かびました。
さあそれではおしまいの歌九首目です。
本当にお酒が苦手なんでしょうね。
これ結句がとてもよくて月給取りを終えるという意味だと思うんですけれどこの並びだと月給を取り終えたというふうにも読めていろんなイライラする事とか我慢と引き換えに月給をもらい続けてきたと。
それもついに終わるという解放感が結句で爆発している感じがしますね。
壇さんは飲める口ですか?私弱いんですけれども口をつけて泡をなめて酔ってしまうという感覚すごく分かります。
無理強いされるとつらいですものね。
以上入選九首でした。
ではこの中から斉藤斎藤さんの選んだ特選三首の発表です。
まず三席です。
及川三治さんの歌です。
二席です。
おのめぐみさんの歌です。
ではいよいよ一席の発表です。
石川牧子さんの歌です。
「映画観てピザ屋でコーラの」ってものすごくダイナミックな展開の上の句とそこから下の句でコーラのグラスの中の立ちのぼる泡というとても小さなところにクローズアップしていく。
グーツと引いたとこから寄っていくこの展開がとてもダイナミックでよかったですね。
映画という一番広いところから来てピザ屋でコーラ少し詰まってという事ですか?これ自体が一本のカメラの映画のような歌ですよね。
更に立ちのぼる細かい泡へ結着していく。
なるほどね。
そこが見事だという事ですね。
特選三首でした。
今日ご紹介しました入選歌と佳作の作品はこちら「NHK短歌」のテキストにも掲載されます。
是非ご覧下さい。
では「うた人のことば」です。
不眠症の母親のためにそばに行って童話を読んでやってると。
幸いにして母親が寝入ってから王子様は死ぬという終末が来て悲しい場面は母親の耳に入らなくてよかったなという親孝行みたいな親孝行でないみたいな歌になったんで。
これは安保闘争ですね1960年の。
それを見ながらですね僕もあそこの中に加わっていきたいなと思うんですが病院で寝てる人たち自分が責任を持っている病者の事を考えるとやっぱり仕事に帰っていかざるをえない。
その悔しさというのかなそういったようなものを歌ったんですが随分現代的な内容ですがそこに「小林」だの「をゆかな」だの日常言語では使われないような言葉を遣う事によって別の感情をつくり上げるというかつくりだすというのかなそれもやっぱり大事なんだよというねそういう事を考えてたんだと思いますね。
さて続いては「入選への道」のコーナーです。
皆さんから頂戴するたくさんのご投稿歌の中から一首取り上げまして斉藤斎藤さんが改作という形で手を入れます。
さあ歌がどのように変貌するかをご覧頂きましょう。
よろしくお願いします。
今回こちらの歌です。
面白いですよね。
この歌は非常に完成された歌だと思います。
ただちょっと気になるのが「不細工な」という入り方ですね。
インパクトはあってとてもいいと思うんですけれどもただ日常会話とかでも「私不細工じゃないですか」みたいな事を言う人って相手が結構気を遣っちゃうんですよね。
そんな事ないですよ。
そんな事ないですよって言った方がいいのかな?とかでも言うとほんとみたいだし。
難しいですね。
そういう気持ちを読者にさせてしまうんじゃないかという感じがちょっとするんで自虐とかはほどほどに抑えた方がいい。
あまり生々しく言わない。
そうですね。
なのでちょっとそこら辺に気を遣って改作をするとバランスがちょっと変わってこんな感じになっちゃいました。
「みっしりと」ぐらいに抑えると全体の組み立てとして「わが面」が下に来ちゃった感じですけど。
「みっしりと」だから泡一つ一つに映ってる感じはあるわけですね。
作り替え方はともかくとして自虐というのはいきすぎると読者にかえって負担を与えたりするのでほどほどにというそのバランスのところを覚えて頂けるとなと思いました。
「われわれわれに」と一つずつ流れていく感じが変わりましたね。
皆さんいかがでしたでしょうか?どうぞご参考になさって下さい。
さてそれではご投稿のご案内を致しましょう。
さあそれでは選者のお話です。
「初心者になるための短歌入門」。
今日斉藤さんのお話は「会いたくて震えない」です。
今読んで頂いたのは西野カナさんという歌手の方が2010年に出された大ヒット曲の冒頭の歌い出しの部分です。
歌の歌詞と短歌の書き方ってちょっと違ってて歌ってどうしてもメロディーがあるし歌のうまい方が歌いますから解釈をした気持ちを歌ってもそのまま伝わるんですね。
だけど短歌ってメロディーとかないですからどうしても解釈済みの言葉や気持ちをそのまま歌っちゃうと伝わりにくくなってしまうというところがあります。
歌詞の書き方って解釈済みの原因と結果ですよね。
「…したくて…する」という解釈済みの言葉なんですがそれを事実の形に置き換えた方が伝わりやすい。
濱中さんに読み上げて頂いてもあっそうだなって思って頂けるような事実の形に変えたいんですよね。
例えば「会いたくて」というのをどう事実にするかっていうと「二週間会っていない」これ事実ですよね。
検証できる事実。
「震える」も気持ちの表現に近いので「膝が震える」。
今膝が震えてるかどうかっていうのは映像とかで検証できる事実なんです。
なのでメロディーのある歌詞では「会いたくて震える」という「…したくて…する」ですけれども短歌だと「二週間会っていなくて膝が震える」というふうにすると事実を並べた短歌の形になります。
書き方の違いを覚えて頂けるといいんじゃないかなと思います。
さあこのポイントをどうぞ皆さんも参考になさって下さい。
それではゲストにお迎えしているタレントの壇蜜さんにもいろいろお話を伺ってまいります。
冒頭短歌とは何ですかという事を短い言葉にして頂きました。
もう一度ご紹介下さい。
「短歌は限られた無限」。
さあこの事は?「五七五七七」という約束事があるにもかかわらず受け取り手と詠み手との間で解釈がものすごく違う時がある。
詠み手はこういう事を表現したいけれども受け取り手はその裏を読んでしまったりとか詠み手がこういう事を表現したかったと言ってるのに全く気付いてもらえなかったりそれが面白みでもあり醍醐味でもあるんだろうなという無限さを感じました。
その事はどうですか?まあよくある事でしょうね。
短歌って作る時よりもむしろ人の作品を読む時の方がその人の個性が表れてたりして。
言葉とか文字数が限られているからこそいろいろな解釈がかえって生まれるようなところがあって全くおっしゃるとおりだと思うんですね。
先ほどの入選九首でも解釈がいろいろできるものもありましたね。
そこの自由さってやっぱり短歌の魅力だと思われます?「も」とか「が」とか「に」だけでも全然変わってきてしまう。
そこが面白いんだろうなと思いました。
今日題「泡」だったんですけれどもその「泡」を題にしてご自身の作品を作って頂いたんですよね。
それをご披露頂きたいと思います。
さあどんな歌でしょうか?これはどんな時に生まれたと聞くのも野暮な感じの歌ですが…。
難しい「逢う」という字は私特別な人に使う字として決めてまして普通は会合の「会」でも会うという意味はあると思うんですけれどやっとの思いで逢えた。
やっとの思いで約束こぎ着けたという「逢う」だとこの字を使いたいといつも思ってます。
なので今回は学生時代に初めて約束を苦労してこぎ着けた人とデートを成功したんですけれどもなかなか話が弾むというよりはその場にいるだけで恥ずかしいけど楽しい。
ずっとこの時間続いててもいいのになと思ってる間にもカプチーノは冷めちゃって泡は泡じゃなくなってしまったという現実もあるよという事ですね。
これは学生時代?20になるかならないかの頃です。
鍛えられた高校生時代ではないわけですね。
やっと卒業したぐらいでしょうね。
こうして歌が生まれてますよね。
思い出ですね。
その時のカフェーに行くと…まだそのカフェーがあるので思い出しちゃいます。
斉藤さんこの歌はどう読まれました?上の句と下の句の間にちょっとためがあるのがいいんですよね。
リズム的にも「見つめ合い」でちょっと間があるところが見つめ合う時間につながっているというのと「ただ冷めゆくは」の辺りがお互い気持ちが熱いので時間がたってカプチーノが冷めるという意味なんですけれどもちょっと気持ちのうえでも不安というかそういうふうにも「冷める」がどっちにもとれるようなところがあってその膨らみがいいんじゃないかなと。
青春の感情がギュッと入り込んだいい歌ですよね。
お話伺ったように高校時代は無理やりお作りなさいと教育されたわけですけれどもそういう方針だったわけですがその経験を踏まえて今短歌をこうしてお作りになる楽しみみたいな事につながっていますでしょうか。
やはり短歌であったり校則であったり私のいた学校は普通の学校よりもかなり厳しかったと思うんです。
ただ今大人になっていい意味でも悪い意味でも自由を手に入れた自分へのブレーキにも励みにもなっているのが厳しい校則だったり短歌十首というのをやり遂げた自分の自信だったりするのでそれが今の言葉選びにも影響してると思うととてもそれはラッキーな事だったなと思います。
今文章をお書きになったり表現されたりする時にそういう事が役に立ってるなと思う事があるわけですね。
とても大きいと思いますそれは。
そういう時間って必要なんですね斉藤さんね。
生きてますよね。
是非これからも作って頂きたい。
壇蜜歌集をお待ちしております。
ありがとうございます。
今日はタレントの壇蜜さんをお迎え致しました。
お話ありがとうございました。
どうもありがとうございました。
それでは番組からのご案内を一つ申し上げましょう。
是非壇さんもご応募下さい。
では是非にと。
ありがとうございました。
では時間でございます。
ごきげんよう。
2014/09/14(日) 06:00〜06:25
NHKEテレ1大阪
NHK短歌 題「泡」[字]

選者は斉藤斎藤さん。ゲストはタレントの壇蜜さん。女子高に通った壇蜜さん。修学旅行中、毎日短歌を十首ずつ提出する課題に挑戦したことが、今 役立っていると語る。

詳細情報
番組内容
選者は斉藤斎藤さん。ゲストはタレントの壇蜜さん。女子高に通った壇蜜さん。修学旅行中、毎日短歌を十首ずつ提出する課題に挑戦したことが、今 役立っていると語る。濱中博久アナウンサー
出演者
【出演】壇蜜,斉藤斎藤,【司会】濱中博久

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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