(テーマ音楽)いえ〜っ!
(ほら貝の音)
(祝詞)
赤々と燃え盛る炎
(祝詞)
8月13日月山山頂。
亡くなった人の霊を祭る「柴燈祭」です
(祝詞)
先祖供養のために納められたそとばをたき上げていきます
(祝詞)
この炎はお盆に子孫たちの元に帰る先祖のための送り火だと言われています
山形県のほぼ中央にそびえる月山。
山岳信仰の霊場として知られる出羽三山の主峰です。
標高1,984m
8月でも残雪が多く見られます
冬日本海から吹きつける季節風によって10mを超す豪雪に見舞われるためです
(雪解け水が流れる音)
真夏でも絶える事ない豊富な雪解け水。
麓で暮らす人々に恵みをもたらしてきました
月山の麓に広がる庄内平野。
全国有数の米どころです
稲作農家の6代目工藤征則さん。
およそ9ヘクタールの水田で米作りをしています
夏は稲が立派な穂をつけるための大切な時期
工藤さんが水田に引き込むのは月山からの冷たい雪解け水です
冷たい水を入れる事で暑い夏稲が弱るのを防ぎ十分成長させる事ができるのです。
工藤さんにとって豊かな実りをもたらす月山はかけがえのない山です
このまま順調に秋を迎えてほしいなと。
何事もなく台風も来ないでいて。
そのためにまた月山に手を合わせるような感じですよね。
月山の麓にある…
江戸の昔から出羽三山への参拝者が泊まる宿坊が軒を連ねてきました
今もおよそ30軒が参拝者を迎えます
昔からの宿坊がたくさん並んでる。
しめ縄が必ずこの入口の所にあるんですね。
雰囲気がありますよね。
宿坊の入り口には2本の柱に横木を通した貫通門。
この門をくぐれば俗世と離れ神様に近づけるのだといいます
7月の山開きからお盆にかけて全国から参拝者が集まります
腐れ縁ですよね。
何言って。
腐れ縁じゃないですか。
出迎えるのは農家の工藤征則さん。
工藤さんは農作業の合間参拝者たちを山頂まで導く先達を務めているのです
頂上で供養ご先祖の供養をさせて頂くんですけども。
それが非常に私どもの心を静めるというか和やかになるっていうかそういうような感じはしますね。
毎年北海道から訪れるというこの一行
工藤さんとは30年来のつきあいになる人もいます
地元の山菜などを使った精進料理で身も心も清めます
月山への登山は宿坊からおよそ20km離れた8合目から始まります
「月山登山口」ここからですね。
何か風が吹いてきて神秘的な感じですね。
ここから山頂までおよそ3時間の道のりです
登り始めてすぐにあるのが…
標高1,400m付近に広がる湿原です
池塘と言われる池や沼が無数にあり独特の景観を作り出しています
弥陀ヶ原は日本有数の高山植物の宝庫
短い夏の間に120種類以上がかれんな花を咲かせます
ランの仲間にしては控えめな黄緑色の花をつけます
池塘には絶滅危惧種に指定されているオゼコウホネ。
雪深い月山の自然がこうした高山植物を育んでいます
(祝詞)
先達の工藤征則さんの一行が8合目にやって来ました。
まず入り口の神社で山頂までの無事を祈ります
(ほら貝の音)
同行するのは修行を積んだ山伏。
ほら貝は山の神への挨拶です
この日はあいにくの悪天候
ぬれた石やぬかるんだ地面に気を付けながら登っていきます
参拝者を気遣い声をかける工藤さん
天気が変わりやすい月山では山をよく知る先達が重要な役割を果たすのです
登り始めて1時間半。
工藤さんの一行は9合目に着きました
山頂までの唯一の山小屋佛生池小屋です。
江戸時代から続いています
どうも。
おはようございます。
御苦労さまです。
天気悪い中御苦労さんです。
おう悪い。
ほらよ。
工藤さんが麓から担いできたのは…
ありがとうございます。
いつもいいものをわざわざ。
おおっ!トマト!ありがとうございます。
自分の畑で採れた新鮮な野菜。
山に登る度に届けています
参拝者の安全を守る山小屋への感謝の気持ちです
ありがたい。
何よりです。
なま物っていうのは非常にありがたいですね。
もらってすごくありがたい。
いつも大変お世話になってるんで。
まだお世話になるんで。
そういう思いです。
あるから我々登ってても安心して登れるしな。
山小屋無いとやっぱこれが大変だからよ。
やっぱり頑張ってもらわなけりゃ。
この小屋の主工藤純平さんです
23歳の時に父を亡くし山頂までただ一軒のこの山小屋を守りたいと後を継ぎました
参拝者の中にはふだん山に登らない人や年配の人も多く体調への気遣いも必要です
「少しでも手助けをしたい」主の工藤さんは夏の間ほとんど山を下りず伝統の小屋を守り続けています
一番はこの月山っていうのは助け合いの山っていうのでお客さんも小屋を使って小屋を助けてその分小屋側も参拝者を助ける。
でまた来年も来る。
ここは毎年同じ人が来る山ですんで。
(ほら貝の音)
9合目を過ぎると山頂までは1時間余り
行く手を阻むのは大きな岩が連なる急な坂行者返し。
月山で一番の難所とされています
ハァ…ここが行者返し。
え〜ここ登るのか。
わぁ…。
よし。
かつて山頂を目指した行者が修行不足を理由にこの坂で追い返されたと言い伝えられています
よいしょ…。
行者返し大変…。
行者返しを越えると緩やかな石の道
亡くなった人の霊が鎮まるとされる月山では先祖を思いながら山を登る事そのものが供養になると言われています
頂が近づくにつれて雲の流れが速くなり目まぐるしく景色が変わります
最後の登りは白い雲の中を
8合目から3時間。
山頂です
わぁ〜着きましたね〜。
着いた着いた。
お〜っ真っ白な雲海。
はぁ〜。
見渡す限りの雲の海
はるかに見える鳥海山の雄大な姿です
眼下には庄内平野が広がります
山頂にある…
古くから残る石垣が強風から建物を守っています
先祖供養に家内安全それぞれの祈りをささげます
(祝詞)
参拝者たちを山頂に送り届けた工藤征則さん
この夏工藤さんが先達を務めるのはこれが最後。
今年も無事全員を導く事ができました
無事に登れたという事のお礼ですね。
やっぱり我々事故がないというのが一番の役目なんで。
事故がなくやっぱり登っていきたいと思ってます。
お参りのあと訪れるのは頂上にある山小屋
月山で採れた山菜が振る舞われます
うまい!ねっ。
おいしいね。
おいしいすっごいおいしい。
月山では「山で採れたものを食べると山の神と一体になれる」と考えられています
山菜を採ってくるのは山小屋の主芳賀竹志さん。
60年以上夏を山頂で過ごしてきた月山の生き字引です
特別に認められている場所で山菜を採ります
雪深い月山では春の山菜を夏のこの時期に採る事ができます
8月の雪渓の下には…
これ雪の恵みですよね。
この季節になっても雪があって。
よその山ではちょっと想像つかない事ですよね。
自然全てが信仰の対象みたいな感じですよね。
自然を大切にしていく事自体が本当の信仰じゃないかなと。
霊峰月山
峰は祈りに包まれて
(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2014/09/13(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅 シリーズ山の歌 夏「祈りの峰 導きて〜山形県 月山〜」[字]
山の歌、今回は、山形県の霊峰・月山を訪ねる。夏、先祖供養のため、白装束に身を包んだ人たちが全国から集まる。霊峰に魅了される人々と、緑映える山の物語。
詳細情報
番組内容
出羽三山の一つ、月山(標高1,984メートル)。夏、白装束に身を包んだ人たちが全国から訪れます。月山はおよそ1,400年前に開山されたとも言われ、山岳信仰の聖地として多くの参拝者が頂を目指します。月山の豊かな雪解け水の恵みを受け、米を作る麓の農家は、山の先達となり、先祖供養に訪れた参拝者を案内します。霊峰に魅了される人々と、緑映える山を訪れます。
出演者
【語り】山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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