総合診療医 ドクターG「めまいが長く続いて」 2014.09.12

・「花咲き花散る宵も」
(双海祥子)
私は子育てが一段落し今年バスガイドに復職しました。
東京巡りのツアーに乗務しています。
ところが2か月ほどで…なんて言うかふわふわする感じのめまいが出始めたんです
はい撮りますよ。
近頃では何度もそれも長く続くようになって…
大丈夫?ごめんなさいちょっとフラッとして。
先生私不安で不安でしかたがないんです。
どこが悪いんでしょうか?45歳。
バスガイドさん。
何だろうな。
年齢的に更年期とかどうでしょうかね。
長く続くというのもちょっと気になりましたよね。
あとふわふわするめまいってめまいにもいろんな種類がありそうなのでその辺もすごい気になりましたけど…。
自分も5月6月7月って結構めまいというか立ちくらみしたりする事が毎年あるんです。
期間限定なんですか?期間限定なんですよ。
そういう事がここ数年多いんでね今見ててひと事じゃなかったですね。
患者の声に耳を傾け体に問いかける。
総合診療医の武器は問診と診察だ。
症状は?仕事は?生い立ちは?病気を探るヒントはどこに潜んでいるのか。
意外な手がかりを一つ一つつなぎ合わせ病気を探り当てる。
私たちはその人を「ドクターG」と呼ぶ。
(玉ちゃん)今回のドクターGは北海道室蘭市の…
(拍手)患者の健康な暮らしを丸ごと支える…調子の方はどうでしたか?全然…ないですね。
前はだいぶありましたけどね。
広大な北海道医師の数にも限りがある。
草場先生のもとには日々各地の家庭医から病気の相談が持ち込まれてくる。
数あるケースの中からかつて自身が診断した難しい症例をひっ提げてやって来た。
今回のケース大変でしたか?大変でしたね。
大変でございました。
よくあるような感じでしたけど…。
めまいなので結構多い訴えなんですけども…。
家庭医ならではのアプローチ今回も…。
そうですね。
しっかりお話を聞いてきちっと診断をつけていくと。
いつもどおりの定石ですけどもやっています。
病気を探り当てるために全国から集まって頂いた研修医はこちらの3人です。
はいご紹介しましょう。
お願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さあ橋本先生は小児科希望という事で。
自分が小学校の時に入院した経験があって…。
その時お世話になった先生が非常に僕に「頑張れ」と声をかけて頂いて…。
自分も子供の味方みたいな存在になりたいなと思って…。
(玉ちゃん)さあ中西先生はどんな先生に?患者さんと話す時間を長く持てるようなそういうお医者さんになりたいと思ってます。
家庭医の先生のような事ですよね。
どうですか?今の。
めまいっていろんな病気で起こりうる症状なのでこれからの番組を注意してみたいと思ってます。
(玉ちゃん)能見先生どんな先生になりたいですか?地域に貢献できるような医者になりたいです。
(玉ちゃん)今VTR見てどうですか?どういう時に起こるめまいなのかどれだけ続くめまいなのかという事を注目しながら一生懸命頑張りたいと思います。
さあそれでは病名を探るための再現ドラマを見て頂きましょう。
ドクターGの症例に研修医が挑みます。
テレビの前の皆さんも一緒に考えて下さい。
ドクタージェネラル!失礼します。
どうされましたか?めまいがひどいんです。
どんな感じのめまいですか?うまく言えないんですがふわふわする感じで…。
めまいはどのくらい続きますか?長く続きます。
(双海)
私結婚前に勤めていたバスガイドにこの春から復帰しまして…
・「花咲き花散る宵も」仕事を始めた3月ごろは体調は良かったのですか?
はい。
若い頃に返ったみたいでむしろ絶好調でした
週3日です
2か月くらい前ですか…。
そのころから肩凝りがひどくなってきて…
おつかれさまです。
ああ。
あれ?どうしたんですか?今週からクーラー入ったでしょう。
冷えるのか肩凝っちゃって。
僕でよかったら肩おもみしましょうか?先輩。
いやいやいいのいいの。
え?あ〜…。
はい。
この辺がゾワゾワする感じです。
それと肩が凝るとあちこち具合が悪くなるでしょう。
車酔いするようになってしまったんです。
はい…
あ〜気持ち悪い。
はいこれ酔い止め薬。
あ〜ありがとう。
若い頃は車に絶対酔わないのが自慢だったのにね。
いいえあんまり。
そうこうするうちにバスに乗っているとふわふわする感じがず〜っと続くようになって…
江戸三大祭りといえば神輿深川山車神田…。
時間にして…
一度始まると30分から1時間くらいですか…
サラリーマンの夫と中学生の息子それから私の母がいます
弁当代ちょうだい。
分かった。
あしたね。
ええ。
実は…
あ〜さっぱりした。
今日は蒸し暑かったからね。
修さんは?あした早いからって寝ちゃったわ。
あ〜…。
何?肩凝り?う〜ん…クーラーのせいかしらね。
車酔いもするっていうか…。
なんかふわふわして気持ち悪くって。
あんたそれめまいじゃないの?そう言われてみれば…。
やだめまいは怖いわよ。
早く病院に行きなさい。
お父さんの脳梗塞あれだって最初はめまいだったのよ。
え?健康診断の時にねめまいを訴えたのに取り合ってもらえず結局脳梗塞を起こした時にはもう手遅れだったのよ。
そうだった。
言ってたお父さんめまいがするって。
そうよ。
お父さんだってあの時めまいを見過ごさなければあの年で亡くなる事もなかったんだから。
集合時間は30分後の11時ちょうどになります。
肩凝りとめまい以外に症状はありますか?
はい。
昨日仕事中に…
はい撮りますよ。
(2人)お願いします。
1足す1は…?
(2人)2!大丈夫?ごめんなさいちょっとフラッとして。
先生私も父みたいに脳の病気があるんでしょうか?めまいがすると胸もドキドキしてくるし…
私不安で不安でしかたがないんです。
どこが悪いんでしょうか?はいこちら今回の患者さんの双海祥子さんのバイタルデータですね。
45歳でございます。
それでは研修医の皆さん疑われる病名をフリップにお書き下さい。
(玉ちゃん)いや〜今だけじゃ難しいんじゃないかな。
気になったのがめまいだけじゃなくて肩凝りがするって言ってたじゃないですか。
それも何かヒントが隠されてそう。
この方は仕事してる時だけですかめまいとかするのは。
(玉ちゃん)どうだったんですかね。
どうなんでしょう。
今はバスガイドの…。
仕事始めてからですよね。
でも脳からきてる感じもするな。
めまいって怖い。
なんか…診療室に来た時の足取りが変な感じしましたよね。
確かに。
なんかけだるいんですよね。
ゆっくり歩いてました。
さあ研修医の皆さん病名を書き終えたようです。
それではフリップを一斉にお出し下さい。
フリップオープン!
(玉ちゃん)おお出ました!じゃあ橋本先生から病名発表お願いします。
(玉ちゃん)はい中西先生。
(玉ちゃん)能見先生。
ここからはドクターGと研修医との真剣勝負です。
カンファレンススタート!先生方皆さん違う病名が挙がりましたがまずはその病気はどういう病気なのか説明をしてもらえますか?橋本先生から。
はい。
「発作性心房細動」という病気は心臓の動きがバラバラになってしまって血液がうまく全身に送られない病気になります。
それとあと発作が出てる時に胸を押さえてる動悸がするという事からまずは心臓の病気から考えてまずこの病気を挙げさせて頂きました。
では中西先生はどうですか?動脈の解離は動脈の血管の壁が裂けてしまう事で頭にいく血の血流が減ってしまうという病気なんですけど…。
小脳への血流が悪くなりめまいが起きる事もあります。
肩というか頸まわりの違和感とめまいを来す病気として「椎骨動脈解離」を挙げました。
それでは能見先生「メニエール病」という事で。
この病気は内耳と言われる部分のリンパの流れの不調という事で生じてくると言われています。
メニエール病は耳の奥にある内耳に起きる病気です。
メニエール病は中年の女性45歳ですが中年の女性に多いと言われてます。
手足のまひとかしゃべりにくいとか中枢神経の病気を考えるような異常は今のところないのかなと思ったので頻度から考えました。
それを問診と身体診察で研修医とともに探っていく。
めまいという症状というのは非常に分かりやすそうで実は難しい症状の一つです。
なぜ難しいか?患者さんはめまいの事を…いろんなものを「めまい」と呼んでいるという事で…。
そもそもめまいはどういうタイプのめまいがあるかと。
まず大きくそこから考えてみたらいいかなと思いますがどうでしょうか?めまいの分類というか…。
(橋本)一番多いのは回転型と言われてグルグル回る感じです。
あ〜グルグル回る回転型。
回転型めまい…「回転性めまい」とよく言います。
回転性だとどんな病気がありますか?良性の頭位変換性のめまい。
別名良性の発作性頭位めまいという表現も使います。
これは耳の奥にある「耳石」と呼ばれるカルシウムの粒が移動する事で起きます。
回転性めまいの時には診察室の中でどんな診察をすればある程度それを「ある」「ない」というのは見分けられる?座ってもらって急に横になった時に目が動くかどうか。
座ってる状態で後ろにそのまま寝かせるんですね。
寝かせた時に頸を曲げながら寝かすのこうやって。
後ろをこう向くような感じでこういう感じで寝かせると。
どんな病気でそれは異常になります?良性発作性頭位めまいなどで陽性になるかなと思います。
ドクターGは双海さんにこの診察を行った。
めまいはしますか?いいえ。
更に立たせてふらつきはないか確認をした。
回転性で見逃してはいけない病気には中西先生が挙げた椎骨動脈解離や小脳梗塞がある。
「小脳梗塞」説明して下さい。
小脳は平衡感覚バランス感覚をつかさどってる部分なのでそこの障害によって…。
小脳梗塞は小脳の中や小脳に通じる血管の障害が原因で起きる病気です。
体のバランスが保てなくなり…この小脳梗塞どうしますか?レントゲンとかCTとか撮る前の診察の中ではどんなような診察ができますかね。
ちょっと中西先生とやってもらっていいですか。
え〜とじゃあ人さし指を出して下さい。
じゃあこの指とご自身のお鼻を交互に触って下さい。
ちょっと動かします。
ここに指があるのになぜか自分の鼻からこう持っていってもこう…ああっとこういうふうに動いてしまうと。
これはやっぱり指の場所をつかむ感覚が小脳がやられているので異常が出てくると。
ちょっと動かしますよ。
結構です。
どうぞ。
前失神。
なるほど。
これはどういうタイプの…?
(中西)まさに名前のとおりで倒れる前のような症状という事なんですけど気分が悪くなってバタッと倒れそうなめまい。
熱いお風呂とかに入っててよく立ち上がって出ようとする時に倒れたりしそうになるじゃないですか。
そのとおりです。
それが前失神と言うんです。
例えば橋本先生に出してもらった発作性心房細動というのはどこに入りますかね?前失神かなと思います。
それ以外にもう一個大事なのは心筋梗塞。
これは忘れてはいけないと。
前失神の方は患者さんはどういう失神の症状訴えになりますかねこの場合は。
(玉ちゃん)「ふわふわ」じゃなくて「くらくら」。
例えば目の前が暗くなるという事をよく言いますね。
目の前が暗黒暗闇になると。
つまりカーテンが下りてくるような感じと。
暗くなってふわっと倒れそうになるような…。
そういうような症状がなければあまり考えません。
いいえ。
能見先生何かありますか?浮動性のめまい。
「浮動性めまい」。
(新山)へ〜っいろいろあるんだ。
浮動性めまいはどういうめまいですか?どんな病気がありますか?
(中西)こういう浮動性のめまいが起きる事はあると思います。
…という双海さん自身の訴えから浮動性めまいの疑いは外せない。
更にドクターGは双海さんに起こりうるもう一つのめまいの可能性を挙げた。
もう一個忘れてはいけないのが「心因性」。
あ〜。
心因性。
心。
心ですね。
心が原因であるめまいも実は多いです。
すごく多いです。
(玉ちゃん)どうなっちゃうと心因性でめまいになるんだろう。
ストレスとか?いやいやいや…あ今回のケースですね。
そうですね。
例えばお父さんが亡くなっているという事でストレスがかかってくると。
「自分の脳が異常があるんじゃないか」みたいな。
不安になってくると。
心因性ですがこれはどんな病気が…?あっ!そのとおりです。
「パニック障害」。
そうなんですよ。
パニック障害という病気どんな病気かちょっと説明して下さい。
自分が死ぬんじゃないかとかそういう不安が生じてきて汗をかいたりとか動悸がしてきたりとか体の症状まで伴うような病気です。
そのまま消えてしまう可能性もよくあるんですね。
双海さんのめまいの原因として浮動性と心因性の2つが残った。
まずは診察の中だけでよくある病気と見逃してはいけない病気に関しては大体全部チェックができて可能性が低いなという形になりました。
ですのでここでどういうふうにするかという事なんですがどうしますか?中西先生だったら。
検査をしたいと…。
何の検査しますか?採血…。
普通大きな病院であればとにかくCTだとかあるいは採血だという形にいく事が多分普通だと思います。
ただ我々家庭医というのは…ここまでの診察で双海さんのめまいの原因に見逃してはいけない命に関わる病気がある可能性は低くなった。
双海さん。
はい。
症状からみてお父さんと同じ病気の可能性は低いですよ。
あっ…。
しばらく様子を見る事にしましょうか。
はい。
ドクターGは不安を取り除いたうえで経過をみて症状の変化を探る事にした。
はい。
さあ診断を絞り込むためにVTRの続きをご覧下さい。
ドクタージェネラル!失礼します。
車椅子でどうされたのですか?双海さん入り口の所で転ばれて…。
けがは擦り傷だけですが念のため車椅子で…。
どうもありがとうございました。
そうですか…。
あれからどうでした?先生から脳に問題はないと言われて安心したんですがあれからもっとめまいがひどくなってきて…。
ではその後の経過を詳しく聞かせて下さい。
(双海)
他の大きな病気の心配はないという事だったんでそのまま仕事は続けていました。
ところが最近…
え〜幕末に江戸防衛の要として建設されたお台場。
今では東京ウォーターフロントの一大観光地となっております。
大丈夫ですか?
なんて言ったらいいのかな…。
ふわふわするだけでなく脚が心もとない感じがあって…
はい。
この日の乗務のあとにも…
いや…家の鍵やっぱり車内に置き忘れたんじゃないかって。
お年寄りのご夫婦ですよね。
確認してみます。
よろしく。
いや〜困ったね。
あっありました!あった?ああそうかよかったよかった。
じゃあ連絡してくるよ。
ありがとう。
はい。
あ…。
ううっ…。
あっああ…。
う…ああ…。
乗務してない時でも気持ち悪いめまいがずっと続いて…
ああっ!あっ…。
どうしたんですか?双海さん。
ありがとう。
何か脚がもつれちゃって…。
えっ大丈夫ですか?うん。
はい
どっち…とも言えないですね
両方ですかね。
その調子だと…
はい…
手や脚だけじゃなくてもっと困った事が…
はい。
トイレが近くなってきたんです
日中は1時間我慢するのがつらい事もありました。
昨日は特にトイレが近かったんです
ちょっとクーラーききすぎじゃない?そう?
冷えるせいか肩や指先までしびれるような感じも続いていました
はい。
手の感覚が…手袋を取ってもまだ手袋をしているみたいな感じでした。
それだけでなく…。
皆様今からご案内いたしますのは…。
須田さん須田さん!
(須田)何ですか?止めて。
バスを止めて!え?トイレに行きたいの。
その先のコンビニ。
バスを止めてしまったんです。
お客さんがバスを止めても大変な事なのにガイドが止めてトイレに行くなんて…
このままでは仕事に戻れません。
先生私どうしたらいいんでしょうか?さあ研修医の皆さん考えられる病名をお書き下さい。
2週間でここまで自分に変化があったら本当に心配じゃないですか。
(玉ちゃん)落ち込みますよ。
症状がどんどん悪くなっていってるという事ですよね。
最初からちょっと症状が新しいものも加わってますし重くなってる症状もありますし。
ガイドさん1時間に1回トイレに行ってたらもうお仕事にならないですもんね。
さあ研修医の皆さん病名を書き終えたようです。
それではフリップを一斉にお出し下さい。
フリップオープン!
(玉ちゃん)はい。
おお!じゃあ橋本先生からお願いします。
(玉ちゃん)中西先生。
(玉ちゃん)能見先生。
それでは再びドクターGと研修医との真剣勝負です。
最終カンファレンススタート。
はい。
それでは先生方また新しい病名が出てきましたがさあまずどういう病気なのか。
糖尿病という状態が長い間続いていて徐々に動脈硬化が進んできて…。
そうすると神経にいく血管も詰まってしまうので手足が動かしにくいとか。
鍵を落とした時に鍵を取りづらいという事で手がまず動かしにくいという症状が一つ。
運動神経がやられたような症状が出ていて…。
でおしっこも頻回に出るという事で自律神経障害も考えられていろんな神経に障害が出てきているという事で全身性の病気。
例えばこの糖尿病のようなものが考えられるのかなと思ってこれを挙げました。
じゃあ「甲状腺機能亢進症」どういう病気か説明お願いします。
甲状腺という喉にある組織が出してる甲状腺ホルモンが過剰に分泌される事で全身性のいろんな症状を来す病気です。
全身性の疾患代謝性疾患を私は考えたんですけれども…。
鍵を取る時に手が震えていたのでそれを「振戦」と捉えてもいいのかなと感じました。
じゃあそれでは能見先生は?まれな疾患ですが中枢神経の神経細胞に変性が起こるという病気です。
歩く時のふらつき手の震えろれつが回らないなどの症状が表れます。
脚がもつれてしまうというの失調の症状なんじゃないかなと思います。
で失調は主に小脳の病変で生じてくるものかなと思います。
双海さんの症状はこの2週間でどう変わったのか。
そこに病気を読み解く手がかりがありそうだ。
患者さんが非常に特徴的な部分があったと思うんですね。
これはちょっと普通じゃないなと。
ちょっとまず気付いた部分を挙げてもらっていいですかね。
鍵をつかむ時に指を対立させるというんですか親指と小指をくっつけられないから持てないというふうに僕には見えました。
一個一個の筋肉の力が落ちてるという事で説明はする事はできなくはないけどもああいう細かな鍵を取るような動作が苦手になると。
そういったものを…聞いた事ない。
双海さんには両手の指に細かい動きができなくなる…他には気になった部分今回の画像…。
かなり歩行時のふらつきが目立ってる印象がありました。
広く言うと「歩行障害」と。
やっぱ歩きに異常が出てるという事です。
歩行障害はありそうですよね何らかの形でね。
多分能見先生は脊髄小脳変性症というの言ってるので歩き方というのに少し意識しているとは思うんですが少し詳しく一回みてみましょうか。
双海さん歩けますか?はい。
はい結構です。
はい。
…という歩き方なんです。
すり足でしたね。
これは一体どういう歩行なのか分かる方います?要はまひといった状態になって脚を曲げられずに伸ばしたまま歩くような歩行。
この歩き方に関しては少し私の方で説明すると…双海さんにはこの2週間で巧緻運動障害と痙性歩行が起きていた。
研修医たちが挙げた病気で…中西先生どうですか?どの辺が合わないですか?巧緻運動障害も来さないですし痙性歩行のような症状も起きない。
橋本先生はどうですか?痙性歩行だとやっぱり脳とか脊髄とかいわゆる中枢神経というところの病気が考えられるので糖尿病というと末梢神経という隅々の神経の病気なので合わないかなと思いました。
能見先生はどうですか?小脳の失調だと考えてましたが歩き方を詳しく見ると痙性歩行だったという点で可能性は下がるかなと…。
研修医たちが挙げた病気では2つの運動障害の説明がつかない。
そこでもう一度注目したのは双海さんが訴えたふわふわしためまい。
ドクターGはそれを浮動性めまいに分類した。
脊髄は体全体をコントロールする脳と末梢神経との橋渡し役をしています。
そして運動と感覚を伝える神経は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの2つに分かれます。
脳のところから「体動かしなさい」という命令が出ると上位運動ニューロンという神経が背骨までまっすぐいくと。
ここの部分で一旦もう一個別の神経に乗り換えてまっすぐこの信号が送っていく。
その結果脚が動くと。
大脳と脊髄を結ぶ神経が上位運動ニューロン脊髄と全身の筋肉を結ぶ神経が下位運動ニューロンです。
だから手をあげる脚を動かす笑う。
全ての行動が脳から直接にはいきません。
必ずこの2つの神経を通じていくというのが人間の体全ての神経の原理という形になってます。
これを「上位」と「下位」という形で説明します。
でその乗り換える場所が脊髄なんですね。
つまり浮動性は歩くとか姿勢を維持する事の異常なので脳から始まって脊髄を通って神経が流れていく。
脚の方にいく何らかのどこかが異常が起きてると考えると。
一番身体診察でやるのは反射ですね。
下肢筋の反射。
(玉ちゃん)よくやりますよねコンコンってガッと上がったり。
腱反射をみる場所は膝下とアキレス腱。
そして腕には3か所のポイントがあります。
上位運動ニューロンが正常なら大脳の抑制力が働いて適度な反射が起きます。
しかし異常があれば抑制力が働かず…実際にこの患者さんに浮動性という可能性が高い中でこういう診察が必要だと考えて実際にやってみました。
それをちょっと見てみましょうか。
脚を軽くたたいてみますね。
はい。
腕もみますね。
というような結果だったんですがこれをどう解釈しますか?双海さんは痙性歩行という歩行障害を起こしていた。
つまり大脳からの指令が脊髄のどこかで途絶えていると考えられる。
そして…その結果巧緻運動障害で両手の指がうまく動かせなかったのだ。
つまり頸の脊髄の異常というのをこの時点で実は疑っています。
痙性歩行と巧緻運動障害から絞り込めるのは脊髄の中でも腕の神経がつながる頸の頸椎だ。
ではそれを確認するための検査は…。
どういう検査をします?そしたら実際にこの方にもやってみたので見てみたいと思います。
曲げていきます。
イタッ!どこが痛みますか?頸肩が…。
という事でこの方最初のビデオの時にも「肩が凝る」とか…頸という所が関係があったのかなという形になるわけです。
ここから…頸の病変で言うと多いのは…背骨は椎体という骨が積み木みたいに重なってできていますがそれを支える「じん帯」があります。
これが石灰化を起こして硬くなってくる事によってその頸の脊髄を圧迫してしまう。
「後縦じん帯骨化症」は…時間がかかります。
それが一つですね。
ですのでこの患者さんの場合…他にはどうですか?ヘルニアはどういう病気ですか?頸の骨が骨というか古くなった椎間板という所が飛び出して脊髄を圧迫してしまう病気です。
なるほどね。
指先の巧緻運動障害。
多岐にわたります。
椎間板ヘルニアただいろんな症状があって…痛みとか。
今回あまりそういうのは全面的には出てませんけどね。
痛みは出るはずなのかなと思うんですけど…。
出るはずなのかなと思いますか。
神経根を圧迫していたら痛みが出てもいいのかなと思いますが単純に脊髄だけを圧迫しているのであれば痛みが伴わなくてもいいのかなと思います。
椎間板のヘルニアの出ていくものがまっすぐ脊髄の方に中心に強く飛び出てくるようになるとあまり痛みとかしびれが手に出てくるという事は目立たない。
という事でここまでお話をしてくると皆さんの診断が固まってきたんじゃないかと思うんですけども。
じゃあ最終診断をどうぞ!はい正解です。
(拍手)さあ椎間板ヘルニアよく聞きますし僕も腰椎になってますけど頸という事ですね。
そうなんです。
正式な病名は…双海さんは脊髄の通り道である脊柱管がもともと狭かった。
そこに十数年ぶりの職場復帰で負担がかかったため発症した。
その後ヘルニアの手術を受け職場復帰を目指してリハビリを続けている。
非常に難しい症状だったと思います。
「めまい」という言葉の中に実は「ふわふわする」とかあるいはまたは別の症状で「ざわざわする」とかですねいろんな症状が患者さんの口で語られたと思うんですね。
そういった問診をきちんと聞いてそこから患者さんの言葉に基づいて更に可能性のある病気を丁寧に考えていく。
そういった姿勢でみていくという事が非常に大切です。
そういった流れから徐々に最初は難しかっためまいがだんだん浮動性めまいというものに変わっていって浮動性めまいから更に最終的には頸椎の椎間板ヘルニアという病気が出てきました。
まず一番最初に考えなきゃいけないのは…それが我々臨床医にとっては一番大事な事です。
それだけ忘れないで是非これからの診療に臨んで頂きたいと思います。
ゲストのお二人いかがでした?新山さん。
手がおぼつかないぐらいグラグラしたりだったりだとか脚もおぼつかなくなるぐらいの症状が出たのにまさか原因が頸だったというのが驚いたんですが…。
(玉ちゃん)ありがとうございます。
どうでした?一番感じたのはやっぱり医者すごいですね。
だってあんなにたくさん症例のある中から一つ最後にビシッと導きだして患者さんを治療して治すのはやっぱりすごいなって目の前で見てて感じました。
ドクターGありがとうございました。
研修医の皆さんもおつかれさまでした。
次回はどんなカンファレンスが繰り広げられるのでしょうか。
さようなら!どうもおつかれさまでした。
2014/09/12(金) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
総合診療医 ドクターG「めまいが長く続いて」[字]

バスガイドに復職した45歳女性。勤務中、なぜかフワフワとしためまいがするように…。問診と身体診察を繰り返し、ドクターGが女性の訴えから注目したのは!

詳細情報
番組内容
バスガイドに復職した45歳女性。懐かしの昭和歌謡を歌いながら、東京名所の観光案内をしている。ところが、復職してから、車に酔うようになったのか、なぜかフワフワとしためまいがするように…。バスの中の冷房もつらく、疲れがでてきたのか肩こりもひどくなった。母親の話によれば、父親が脳卒中で倒れた時も、めまいを訴えていたという。女性の症状はひどくなり、とうとう、勤務中に…。ドクターGは意外な病気を診断した!
出演者
【出演】本輪西ファミリークリニック医師…草場鉄周,【ゲスト】新山千春,的場浩司,【司会】浅草キッド,【語り】小野寺一歩,佐竹海莉

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
バラエティ – クイズ
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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