タイムスクープハンター「衝撃!戦場の偽装工作」 2014.09.12

(沢嶋)
名だたる武将たちは勇敢に戦い出世し歴史に名前を残してきた。
名を上げるのに欠かせないもの。
それは戦場で手柄を立てる事だった。
戦国時代の武士たちはどのようにして手柄を立てたのか?誰が手柄を認定したのか?そもそも「手柄」とは何なのか?「戦場での手柄」を調査するため戦国時代へタイムワープ。
ある武士に密着取材を行った。
そこで私が見たのは信じられないような仰天の光景だった!
え〜アブソリュートポジションN125W662E352S506。
ポジション確認。
アブソリュートタイムB1855941年46時18分59秒。
西暦変換しますと1582年7月5日9時23分14秒。
無事タイムワープ成功しました。
コードナンバー378462これから記録を開始します。
沢嶋雄一。
彼はタイムスクープ社より派遣されたジャーナリストである。
あらゆる時代にタイムワープしながら時空を超えて名もなき人々を記録していくタイムスクープハンターである。
念入りに鎧や刀を手入れしている若者がいる。
明日出陣を控える若き侍である。
5日前この辺りを治める領主高山備前守から出陣せよという陣触れがあった。
そのための準備だ。
名前は石森牛之助。
彼にとって初めての戦いである。
今回の取材対象は「戦場の手柄」。
初陣に赴く若者に密着し戦国時代の手柄について詳しく調査する事にした
この時代の人々にとって私は時空を超えた存在となります。
彼らにとって私は宇宙人のような存在です。
彼らに接触するには細心の注意が必要です。
私自身の介在によってこの歴史が変わる事もありえるからです。
彼らに取材を許してもらうためには特殊な交渉術を用います。
それは極秘事項となっておりお見せする事はできませんが今回も無事密着取材する事に成功しました。
すいません。
そうじゃな…その一言に尽きる。
さよう。
そうですか…。
確かにひどい事じゃがそれでも手柄は手柄じゃ。
そうですか。
牛之助の士気は高まっていた。
目には闘志がみなぎっている。
彼の夢は石森家の本家として一門を取りしきるリーダーに上り詰める事。
そのためには何としても手柄を立てて名を上げなければならない。
「一番首」とは戦が始まった時最初に討ち取った敵の首の事である。
ここで私はある疑問が湧き上がった
え〜本部本部こちら沢嶋応答願います。
はいこちら古橋です。
今戦国時代の一番首について一つ疑問が生じたんですけど。
はいどのような事でしょうか?時計も電話もない時代侍が首を討ち取った時どのようにして一番首が認められたんでしょうか?という事は一番最初に持っていった首が一番首という事ですか。
いえ実はそうではないようです。
例えば騎馬の侍と徒歩の侍が首を取れば馬で駆けつける方が当然到着が早くなりますよね。
そこで到着が遅くても時間的に早く首を取っていれば徒歩の方を一番首としました。
しかしどちらが先かを検証するには難しそうですね。
はい。
そうですかありがとうございました。
いえ。
翌朝。
陣屋には牛之助の姿があった。
いよいよ戦が始まろうとしている。
戦国時代手柄を立てるにはいくつか方法がある。
「甲陽軍鑑」では手柄の立て方が紹介されている。
まず最も評価された働きは「一番槍」。
最前線で誰よりも先に槍で敵と戦う事。
次に評価されるのは「二番槍」。
だが「三番槍」になると評価は低くなる。
「二番槍」と同等の評価は「槍下の働き」。
味方が槍で戦っている時そばで援護する者が槍の下をかいくぐり刀で敵を討つ事を言う。
そして「槍脇」は槍を持って戦う味方を刀や弓で援護する事で二番槍同様ポイントが高い。
また軍が退却する時一人抜け出して追ってくる敵と戦う事も一番槍と同じくらい評価された。
戦況によって違いはあるものの身を挺して勇敢に敵に近づき接戦を繰り広げた者が高く評価される。
若き侍牛之助。
果たして手柄を立てる事ができるのか?
はい。
現れた一人の武士。
この男こそ牛之助が尊敬してやまない武士右衛門佐であった
いえ…よ〜しその意気じゃ。
牛之助が腰に下げていた袋。
それは首袋であった
しかと肝に銘じよ。
はっ。
はっ!ええ。
そうなんですね。
ああ。
あくまでも謙遜する右衛門佐。
数々の武功をあげるもそれを誇らない。
人望が厚いのもうなずける。
2時間後。
兵士たちが指定された配備に就いた。
牛之助が右衛門佐のそばに張り付いている。
牛之助は尊敬する武士を援護しながらその戦いぶりを見習おうと考えていた。
茂みに隠れ臨戦態勢に入る。
2人は第二陣として敵の横から攻め込む役割を担う。
辺りに異様な緊張感が張り詰めていた。
今か今かとほら貝の合図を待つ。
士気が最高潮に高まる。
しかし…。
先に攻め込んでいた部隊が一斉に退却してきた
戦況は芳しくない。
パニックとなり逃げていく味方の兵士たち
一旦持ち場を離れる事にした。
右衛門佐が茂みを進んでいく。
その後を牛之助が必死に追う
退却すると思われた右衛門佐。
なんと前線を迂回して敵兵のいる方角へと向かっていく。
一体何をするというのか?
茂みを抜けるとそこには…
これは…敵のむくろでござるな。
(右衛門佐)うむ。
すると…
敵兵の死体に羽根をつけていく
「これを」とは…。
問答は後じゃ。
さっさとしろ!はっ…。
死体に印をつけていた例は多い
だが今ここに倒れている敵兵は右衛門佐が討ち取ったわけではない。
これは明らかに偽装工作であった。
あまりにも予想外の展開に動揺が隠しきれない牛之助
牛之助早く行くぞ。
疑問に思いながら牛之助は右衛門佐の後をついていく
あの…よいか。
さあ行くぞ。

右衛門佐は更に先を行く。
やがて一本の抜け道に出た
敵兵を待ち伏せするつもりなのか…。
身を隠しじっと息を潜めていた。
牛之助にとって初めて敵と接触できるまたとないチャンスだ。
おのずと槍を持つ手に力が入る。
やがて…
(右衛門佐)あの袋じゃ。
現れたのは一人の兵士。
首袋をたくさんぶら下げている
右衛門佐が茂みを飛び出した。
さすがは百戦錬磨の武士一瞬で兵士をしとめる
だが…
世の習いじゃ。
…とその時!
(勘兵衛)見たぜ。
現れた男は味方の武士佐橋勘兵衛
何を申す。
(右衛門佐)まあよい。
おぬし…なに?証拠は?先の戦の時もそうであったゆえな。
何やらまた偽装工作をたくらむ右衛門佐。
その誘いに勘兵衛の心が動き始める
笑止な。
さあ参るぞ。
相次ぐ手柄の偽装。
牛之助の中で右衛門佐に対する信頼が音を立てて崩れ始める。
これが戦場の現実なのか…。
初陣の牛之助。
気持ちの整理がつかぬままただ彼らについていく事しかできなかった。
甲州流の軍学では首取りに関する不正行為を厳しく戒めている
また戦場に残された病人や死体の首を切り取ってくる事も断じて許されない
行き着いた先は一軒の小屋。
ここに農民たちが鎧や兜を隠しているらしい
どこじゃ。
合戦が終わった戦場ではしばしば農民たちが戦死した武士から鎧や兜を略奪したという
小屋の中をくまなく探す。
すると…
ハハハハハ…!
(勘兵衛)おおっ!3つだな。
彼らが行おうとしているのは「作首」であった
3つじゃ。
(勘兵衛)3つか…。
山分けじゃな。
…とその時だった!
(丹波)何やつじゃ!
突然現れた一人の男長山丹波。
味方の武士で右衛門佐よりも位が高い
何をしておる。
さようにござりまする。
なあ!
(丹波)ふん。
まあよいわ。
槍使いなら我にはかなうまい。
(右衛門佐勘兵衛)はっ。
ははっ。
敵軍に対して待ち伏せ作戦を決行するという。
敵兵の槍の名手が向かいの茂みに潜んでいる。
丹波はたった一人槍で挑もうとしている

小屋の隙間から外の様子をうかがう
不気味な静寂
そして…。
中央に現れた赤い甲冑の男。
この男こそ敵軍の槍の名手朱槍の作左だ
(丹波)うおお〜っ!
その姿を確認すると丹波が飛び出した!
お互いに名乗りを上げ対峙する。
勝てば確実に名を上げる事ができる戦いだ
どうやら一対一で対決するみたいですね。
一体どうなるのでしょうか?
緊張の瞬間
果たして…
やあ!やあ〜っ!いやああっ!うおおっ!えいっ!やあああ〜っ!おおっ!やあっ!
勝負がついた。
丹波の勝利!だが次の瞬間…
(右衛門佐)待て。
なにぃ!?
(右衛門佐)何だと!?今牛之助さんが飛び出していきました。
大変危険な状況です。
無事に助ける事ができるんでしょうか。
敵の矢をかいくぐり牛之助が丹波の救出に向かう
きゃつめ…。
首をめぐって醜い争いが起きる

袋の中を確認する。
なんとそれは…
足軽が畑から略奪したスイカだ
牛之助が丹波を抱えて戻ってくる。
戦国時代負傷した味方の兵士を担いで戻る事戦死した味方の首を敵に渡さずに搬送する事も大きな手柄として認められた
しかし…
小屋を出ていく牛之助の姿を見送り今回の取材を終える事にした
さようか。
はい。
以上コードナンバー378462アウトします。
戦国の手柄について知られざる実態を目の当たりにした今回の取材。
卑怯な武士が存在している一方牛之助のような信念を貫く若者がいた。
その勇敢な行動は有名な武将にも引けを取らない価値ある歴史の記録である
まさかのハプニングでした!2014/09/12(金) 02:00〜02:30
NHK総合1・神戸
タイムスクープハンター「衝撃!戦場の偽装工作」[字][再]

シーズン6の第17回。時空ジャーナリストの沢嶋雄一(要潤)は戦国時代へタイムワープ。武士は戦場でどのように手柄を立てるのか?びっくり仰天の手柄の立て方を取材。

詳細情報
番組内容
今回の取材対象は戦場の手柄。戦国時代、武士が立身出世するために最前線で真っ先に敵と戦う一番槍など手柄を立てることが極めて重要だった。沢嶋雄一は初陣の若武者で手柄を取ることに情熱を燃やす石森牛之助に密着取材する。牛之助は尊敬する右衛門佐について戦場に出た。戦いは劣勢となったが、右衛門佐がとんでもない行動に出る。死体に印をつけて、いかにも自分が敵を討ち取ったかのように見せていく。手柄の偽装だ!
出演者
【出演】要潤,杏

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドラマ – 国内ドラマ
バラエティ – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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