若者たち2014 #09 2014.09.10

(暁)理屈じゃねえんだよ!その一言で何でも片付けようとすんだよ。
あの男は。
だいたい人のために生きるなんて奇麗事だろそんなもん。
けさも「いじめられてる子犬を見つけたらどうするか?」って話になって。
俺ならまず犬の首を見るって言ったんだよ。
首輪があれば飼い犬だから助ける価値はある。
飼い主から謝礼があるかもしんないからな。
でも首輪がなければただの野良犬だから素通りする。
でまあ俺は何が言いたいかって言うとほとんどの人間は打算で動いてるってことだ。
自分に利益があるときにだけ他人に手を貸す。
人間なんていうのはしょせん自分のために生きてるんだよ。
なのにあいつは野良犬だろうと捨て犬だろうと助けに行くんだってよ。
ホント付き合いきれねえよな。
(多香子)お兄さんの話するときいつも楽しそうだよね。
違えよ。
あまりに思考が違うからバカにしてんだよ。
(多香子)けどお兄さんとあんたは光と影だから表裏一体だと思えば意外と理解し合えるんじゃない?
(暁)あり得ないね。
っていうか最近ずっと気になってたんだけどその「あんた」って呼び方どうにかなんないのかな?番号で呼ばれてた塀の中と変わりがないんだよね。
(多香子)じゃあ何て呼べばいいの?
(暁)暁でいいよ。
同じ3文字だし手間は一緒だろ。
暁?多香子。
…でいい?
(多香子)えっ?
(暁)じゃあ多香ちゃん?多香子ちゃん?じゃあ屋代多香子だからやしたか。
やしたかちゃん?やしたかちゃん?
(多香子)お好きにどうぞ。
(メールの着信音)どうしたの?
(多香子)うん?ううん。
何か最近メール見てる顔がこう…。
こうゴルゴみたいな顔になってるよ。
こうなってる。
(多香子)なってないそんな。
(旭)痛てて!?痛てて!?
(梓)ちょっちょっちょっ…。

(戸の開閉音)
(旭)痛い痛い…。
待って待って。
痛い…。
もういいでしょ…。
(梓)あっ。
おかえりなさい。
(陽)おかえり。
(暁)ひでえ面だな。
(陽)お客さんと殴り合ったんだって。
(旭)向こうから先に手出してきたんだよ。
(梓)そういうことじゃないでしょ。
(旭)痛えな!バカ!
(梓)何かあったらどうすんの?お父さんとしての自覚ちゃんと持ってよね。
(旭)自覚か。
(陽)はいはい。
じゃあ飯にするよ。
はい。
(梓)あっ。
ねえ。
旦君呼んできて。
(暁)うん。
(暁)お前まだいじけてんのか?
(旦)いじけてねえよ。
(暁)早く来いよ。
飯だよ。
(旦)あっ。
(暁)何だそれ?
(旦)いいだろ別に。
(暁)お前まさか盗聴とかしたんじゃねえだろうな?
(旦)してないよ。
ハル兄のかばんの中に入れようと思ってたんだけど結局できなかったんだよ。
(暁)没収だよ没収。
お前また変なこと考えんなよ。
(旦)うん。
(旭)ほら。
お前らも早く下りてこい。
梓の飯が冷めちまうだろ。
(暁)うるせえな!
(旭)全員だな。
よっしゃ。
よし。
いくぞ。
いただきます。
(一同)いただきます。
(旭)空揚げちゃんからいっちゃおう。
痛っ。
痛てて。
(暁)しかしお前も学習しねえな。
(旭)あっ?お前プロレスラーじゃないんだからケンカしなくていいんだよ。
(梓)そうだよ。
今度問題起こしたらあかりに会わせないからね。
(旭)分かってるよ。
もう絶対ケンカはしません。
(暁)何?聞こえなかった。
もう1回言って。
(旭)だからもう絶対ケンカはしません。
(梓)絶対だよ。
分かったよ。
(電子音)
(旭)だからもう絶対ケンカはしません。
お前何だそれ?貸せ。
お前…。
(暁)梓さん。
梓さんほら。
(旭)感染症って何だよ?あかりは大丈夫なのか?
(新城)気道が炎症を起こしただけだ。
薬がうまく作用すれば2〜3日で回復する。
(旭)本当だろうな?
(新城)状況が深刻なら夜中に連絡してるよ。
(梓)薬が効かないなんてことは?
(新城)あるにはありますが別の治療法もありますし様子を見ていきましょう。
(梓)でも万が一ってこともあるし。
あっ。
すみません。
よろしくお願いします。
(旭)頑張れよあかり。
(旭)大丈夫だって。
信じよう。
新城さんだって言ってたろ。
(梓)そうだけど。
ねえ。
もう少しここにいていい?
(ひかり)もちろん。
(ひかり)でも無理はしないでね。
しっかり栄養取ってお母さんもちゃんと休まないと。
(ひかり)じゃああかりちゃん。
呼吸測りますね。
(陽)旦。
ちょっとこのくだり読んでみて。

(旦)ホントにごめん。
香澄さん辞めることになっちゃって。
(陽)お前だけのせいじゃないよ。
(旦)いや。
でも。
いいから。
ちょっと読んでみて。
(バイブレーターの音)
(暁)つうか携帯しろっつうの。
(バイブレーターの音)
(暁)鳴ってるよ。
(バイブレーターの音)
(多香子)ありがと。
(バイブレーターの音)
(暁)こないだのメールと同じやつ?いや。
別に誰でもいいんだけど。
(バイブレーターの音)土居正登。
音楽プロデューサーの。
聞いたことない?ああ。
あんま興味ねえからな。
そいつと何かあったの?
(多香子)ううん。
昔にちょっと接点があって。
まあ大した用じゃないと思うけど。
そっか。
うち近いから寄ってく?ひかりも喜ぶし。
(多香子)うん。
(旭)ひでえな。
全然切れてねえじゃんこれ。
(ひかり)アサ兄の方が切れてないよ。
ほらほらほら。
(旭)お前よりましだって。
(ひかり)これはないでしょ。
(旭)うるさいようるさいよ。
(梓)何作ってるの?
(ひかり)鍋。
(梓)手伝う?
(ひかり)いい。
切るだけだから。
梓さん。
ほら。
たまにはゆっくり休んでて。
(梓)ありがとう。
(ひかり)ゆっくり。
(一同)おかえり。
(暁)ただいま。
(ひかり)あっ。
多香子さん。
(従業員)2,739円になります。
(旭)はい。
じゃあ3,000円でお願いします。
(従業員)はい。
3,000円からお預かりいたします。
(旭)おい。
お前も持てよ。
(暁)おい。
おいおい。
ちょっと来い。
ちょい。
(旭)何だよ?
(暁)おい。
こいつ知ってる?こいつ。
(旭)うん?ああ。
何か音楽関係のやつだろ。
ちょっと前にブームになってよくテレビとか出てたよ。
(暁)へえー。
(旭)俺はそういうチャラそうなやつは嫌いだけどな。
(暁)お前でも知ってるほど有名なんだ?
(旭)お前ってホントに一言多いよね。
行くぞ。
っていうかほら。
持てよほら。
(暁)はいはい。
ああー。
ホントおいしい。
(梓)あったかいの食べると元気出る。
(ひかり)よかった。
ちょっとぐらい作れるようになんないと嫁にいけないからな。
(陽)何?この切り方。
(ひかり)アートだよ。
(陽)アートか?これ。
(梓)料理できる人をつかまえればいいんだよ。
(ひかり)あっ。
その手があったか。
(梓)うん。
多香子さんは?
(多香子)えっ?結婚しないんですか?
(多香子)しないしない。
もらい手がいないから。
(ひかり)サト兄とかは?えっ?
(ひかり)すいません。
どさくさに紛れました。
あいつはずっと思ってる人がいるみたいだから。
(ひかり)それって…。
(バイブレーターの音)あっ。
ごめん。
ちょっと電話してきてもいい?
(ひかり)はい。
(バイブレーターの音)
(ひかり)上使って大丈夫です。
(バイブレーターの音)
(旭)・「雨上がりの飾区」・「江戸川区」
(暁)お前その歌何なんだよ?
(旭)ただいま。
(一同)おかえりなさい。
おかえり。
(旭)おい。
何だよお前ら?先食っちゃったの?
(陽)もう終わっちゃったよ。
(旭)だよ!あれ?あいつは?
(ひかり)電話しに行ったよ。
上。
(旭)皿。
皿。
皿。
(陽)はい。

(多香子)本当に返してくれるんですよね?・
(多香子)分かりました。
じゃあ金曜日。
(暁)また土居ってやつ?
(多香子)うん。
(暁)大丈夫なの?
(多香子)初めて私を認めてくれたのが土居だったの。
(多香子)上京して何をやっても芽が出なくてもう潮時だなって思ってたときに連絡をくれたの。
(多香子)土居は私をデビューさせてもいいって言ってくれた。
ある条件付きで。
(暁)条件?彼に抱かれるっていう条件。
(暁)はっ?受ける気なんてなかった。
プライドだってあったし。
でもちょうどそのときに母が倒れて。
結果が欲しかった。
家を出た親不孝者だけどこれだけ頑張ったんだっていう結果が。
それで…。
でもデビューは白紙に。
問い詰めたらある動画を見せられたの。
私と寝ている姿を盗撮した動画。
ネットに流されたくなかったら言うことを聞けって。
それから何度も呼び出された。
妊娠するまでずっと。
おろしたのは彼との間にできた子。
それが夢を諦めた理由。
(暁)その動画は?
(多香子)まだ向こうが持ってる。
だからずっと怖くて。
いつ流されるんじゃないかってずっと…。
そいつにまた呼び出されたってこと?いや。
ごめん。
こんな話して。
聞かされた方もたまったもんじゃないよね。
いや。
もう大丈夫。

(陽)はっ?いや。
どういうことだよ。
ちょっと待てよ。
(陽)そりゃ香澄はいないよ。
ちょっと待ってて。
待ってろ待ってろ。
今すぐ行くすぐ行く。
うん。
はいはい。
誰も帰すなよ。
うん。
はい。

(寺尾)弟さんが香澄ちゃんの画像をネットに流したっていうのは本当なんですか?どこでそれを?
(末長)「本当か?」って聞いてんだよ。
本当だ。
(寺尾)何だよそれ?信じてたのに。
(末長)何でちゃんと弟止められなかったんだよ?みんなにはすまないと思ってる。
(野崎)いまさら謝っても無駄だ。
今度こそ俺たちは劇団を辞める。
(陽)えっ?おい。
ちょっと待ってくれ。
なっ?なっ?頼む。
ちょっと。
なあ?頼むから。
なあ。
おい。

(旦)俺のせいだ。
(陽)言っただろ。
(陽)俺も悪かったんだ。
(旦)でも劇団はハル兄の夢だったのに。
(陽)香澄を傷つけたんだ。
当然の罰なのかもしれない。
(陽)どう償えばいいのかずっと考えてて…。
許してもらえるなんて思ってない。
だけど今度の舞台は絶対いいものにしようって思ったんだ。
香澄にももう一度芝居を見てもらいたい。
俺にはそれしかできないから。
(陽)ああー。
もうそれもできないのか?ホントに笑って別れてくれんのかよ?
(暁)命日覚えてたんだな?
(新城)忘れるわけないだろ。
(暁)分かんねえんだよ。
瑞貴が俺にどうしてもらいたいのか。
(暁)俺の幸せを願ってるっつってもよ。
(新城)自分の気持ちに素直になれ。
真っすぐに生きる。
彼女が伝えたいのはそういうことなんじゃないのか?
(新城)幸せになることに臆病になんなよ。

(旦)アサ兄。
(旭)あっ?ハル兄のことで相談があるんだけど。
(旭)うん?
(多香子)遅いよ。
いきなりで悪いんだけど今日で辞めるわ。
(多香子)えっ?
(暁)やっぱ畑仕事とか向いてねえなって。
(多香子)何それ?どういうこと?ちゃんと説明してよ。
(暁)ここにいると彼女のことを思い出すから嫌なんだよ。
俺がお前の母ちゃんからだましとった3,000万は病気になった彼女の手術費用だったんだよ。
まあ手術受ける前に死んじまったけどな。
(多香子)ちょっと待ってよ。
納得できるわけないでしょ。
何で急に?私があんな話をしたから?重くなった?だったらそう言えばいいでしょ。
梓さん。
(梓)あっ。
(ひかり)そんなに心配しなくてもいいよ。
薬も効いて感染症はよくなってるから。
(梓)分かってる。
分かってるんだけど…。
何か家にいても落ち着かなくてね。
(梓)ひかりさんの言ってたとおりだよ。
思い描いてた子育てとはまったく違う。

(戸の開く音)
(陽)うわ!?
(旭)陽!
(陽)はっ?ちょっと来い。
(陽)えっ?何だよ?
(陽)何?ねえ?何だって?
(陽)どこ行くの?
(旭)いいから来い。
(旭)ほら。
(陽)痛えな!
(旦)お願いします。
(子供)ねえ。
誰かいる。
(暁)ああ。
ごめんごめん。

(陽)どこ行くんだよ?俺帰るよ。
(旭)お前はもう。
(陽)痛っ。
(旭)いいから来い。
(陽)痛いなぁ。
(陽)ちょっ。
なあ?おい!
(陽)なあ?帰ろうぜ。
おい。
ちょっと。
やめろって。
なあ?やめた方がいい。
(チャイム)
(チャイム)
(陽)誰もいないって。
もう帰ろう。
これ以上迷惑掛けたくないんだよ。
なっ。
(旭)次はお前の番だろうが。
(陽)えっ?旦も言ってたぞ。
お前の夢のためにも彼女のためにも劇団続けてもらいたいって。
お前が彼女に気持ちぶつけないでどうすんだよ?
(暁)相変わらずおせっかいだね。
(旭)うん?
(陽)はっ?
(暁)ちょっとお借りします。
(陽)おい。
ちょっとやめろって。
なあ。
やめな。
ねえ。
(暁)これ足りねえか?延ばせんの?延ばしたこと…。
延ばせんの?
(陽)ホントに。
誰も来ないうちに戻した方がいいって。
なあ。
戻した方がいい…。
なあ!
(旭)よし。
ぶつかってこい。
(陽)香澄!香澄!少しでいいから話聞いてくれないか?なあ頼む!なあ!
(香澄)ごめん。
帰って。
(陽)いや。
劇団がなくなりそうなんだ。
旦が君にしてしまったことを知ってみんな愛想を尽かして辞めた。
(香澄)だから私に戻ってきてほしいの?そう思ってた。
ここへ来て君を見るまでは。
でも今は君の笑ってる顔が見たい。
(陽)俺は。
俺は君の輝ける場所は舞台の上だと思ってる。
そこで芝居をしてる君を見たいと思ってる。
でも演劇じゃなくてもいい。
スポーツでも勉強でも何でもいい。
君の笑ってる顔がまた見たい。
俺は俺で頑張るから。
いつか演劇に興味を持ってもらえるような劇団をつくる。
だから香澄も負けないでほしい。

(男性)おい。
何やってるんだよ!?
(旭)すいません。
(暁)ごめんなさい。
おい。
(旭)ちょっとお借りしちゃいました。
(暁)ごめんなさい。
すいません。
(陽)ごめん。
(暁)下りろ。
下りろ。
(陽)はい。
すいません。
すぐ下ります。
すぐ下ります。
(暁)痛っ。
お前踏ん…。
(陽)ああ。
ごめんごめん。
すいません。
すいません。
(男性)早く戻してくれよ。
(陽)はい。

(旭)何か差しで飲むって緊張するな。
(暁)俺も誘ったこと後悔してるよ。
(暁)私より好きな人ができたら笑って別れてあげる。
それってどういう意味だと思う?
(旭)うん?
(暁)私以上の人は絶対に現れないっていう自信の表れだよな。
(旭)分かってねえな。
それだけ相手の幸せを考えてるってことだろうその人は。
(暁)そっか。
瑞貴って人だろ。
それ言ったの。
(暁)もうあいつ以上に誰かを思うことなんてないと思ってたけど。
(旭)何だよ?いんのかよ?そういう相手が。
自分でもよく分かんねえ。
ただ彼女にどう思われようと助けてやりたいっていうか。
守ってやりたいんだよ。
(旭)無償の愛ってやつだな。
でもさ自分がだました相手の娘さんをそんなふうに思うなんて虫がよ過ぎんだよ。
(旭)うん?多香子ちゃんか。
(暁)うん。
(旭)そっか。
お前が申し訳なかったと思ってる気持ちは亡くなった昌江さんにもきっと届いてんじゃねえのか?守りたいっていう今の気持ちを大事にしろよ。
前にも聞いたことあったろ?「お前の夢何だ?」って。
(旭)うん。
(暁)旦の大学。
陽の就職。
ひかりの結婚だっけ?それ聞いて正直こいつにはかなわねえなと思ったよ。
何だよ。
気持ち悪いな。
いっつも人のことばっか考えてるお前の気持ちがやっと分かったっていうか。
(旭)ホントに分かってんのかよ?だから分かったって話をしてんだよ。
(男性)痛っ。
(旭)おお。
大丈夫?
(男性)ビールこぼれちまったじゃねえかよ。
謝れよ。
いやいや…。
そっちが先にぶつかってきたんだろ?
(男性)何だと!?あっ。
いや。
すいません。
ごめんね。
(男性)やめろ。
もうケンカしないんだもんな?カッコ悪いだろ。
(暁)だっせえな。
(旭)うるせえんだお前この野郎。
(暁)痛っ。
(旭)・「君の行く道は」
(暁)もう。
しっかり歩けよ。
(旭)・「墨田区より遠い」
(暁)危ねえってだから。
(旭)墨田区ってどこだ?痛い。
痛い!?今折れたこれ。
今折れた。
これ絶対右足いっちゃった。
これ。
これマジなやつだからな。
マジなやつ。
(暁)しばらく家空けることになると思う。
(旭)はっ?おっ。
一緒に住むのか?多香子ちゃんと。
(暁)また迷惑掛けるかもしんない。
(旭)何が迷惑だよ?お前。
一人いなくなって清々するよ。
(暁)いや。
さっきの続きじゃねえけどきょうだいのために生きてきたお前の気持ちが少しでも分かった今これだけは言っとこうと思って。
何だよ!肝心なときに。
今までホントにありがとう。

(旭)おい。
朝飯だっつってんだろ。
起きろよ。
開けんぞ。
お前…。
何だよ。
水くせえな。
はい。
屋代です。
(旭)あっ。
佐藤です。
暁の兄の。
(多香子)ああ。
(旭)あいつのことよろしくお願いします。
(多香子)何の話?あいつと一緒に暮らすんですよね?はっ?っていうか昨日あいつ辞めたし。
えっ?あれ?あっ。
そうですか。
あっ。
いやあのう。
あいつしばらく家空けるとか。
また迷惑掛けるかもしれないとか言ってたんでてっきりそうなのかと。
(多香子)他の女のところじゃない?
(旭)いやいやいや。
それはないです。
あれ?あいつじゃあどこ行ったんだ?あれ?あれ?これ。
(多香子)えっ?
(旭)いや。
あのう。
土居正登って知ってます?そいつの今日の予定が何か書いてあって。
(多香子)私のために…。
えっ?何か知ってるんですか?あいつとんでもないこと考えてるかもしれない。
どういうことですか?・
(男性)土居さん。
(土居)うん?
(男性)佐藤という男が来てるんですけど。
屋代多香子の代理の者だと言えば分かるって。
(土居)通して。
(土居)フッ。
どこかでお会いしましたっけ?屋代多香子の代理で来た。
(土居)誰ですかそれ?
(旭)盗撮の動画を返してもらおうか?
(土居)何の話でしょう?
(旭)とぼけんじゃねえよ!
(土居)お前あいつの男か?勘違いすんなよ。
一度やったからってデビューなんかできるわけないだろ。
それを分かっててあの女は俺と寝たんだよ。
CDデビューを餌に肉体関係を迫ってその一部始終を盗撮した。
それは認めるんだな?ああ。
そのとおりだよ。
(土居)これが欲しいんだろ?そう簡単にはあげないよ。
ゲームしよっか。

(ドアの開く音)
(マネジャー)ああー。
オカザキさんすいません。
土居がトラブルに遭っちゃいまして。
もうしばらく待っててもらえますか?
(オカザキ)土居ちゃんどうしたの?
(マネジャー)いや。
それが変な男がスタジオに現れて騒いでるんですよ。
土居の女関係のことで。
(オカザキ)またかよ?土居ちゃんも元気だね。
(マネジャー)すいません。
ホントに。
(オカザキ)土居ちゃん幾つになった?
(マネジャー)今ですね46ですね。
(多香子)どこにいるの?土居のところでしょ?バカなまねはやめてよね。
お兄さんにも話したけどこれは私の問題だから。
あいつに言ったのか?
(多香子)全部話した。
この件は私が自分でけりつけるから。
だからもう関わらないで。
(通話の切れる音)
(不通音)
(多香子)チッ。
(呼び出し音)
(アナウンス)留守番電話…。
(暁)出ろよ!バカ!・
(ドアの開く音)おい!
(暁)何してんだよ?おい!
(暁)お前ら!
(旭)やめろ!お前が手出したら全部台無しだろうが!
(暁)あっ?
(土居)えっ?君もこれ取りに来たの?屋代多香子のエロ動画。
(暁)おい。
やめろ。
(暁)おい!やめろ!
(男性)うるせえよ!おら!もう諦める?
(旭)あいつ。
あいつには。
あいつには手出すな!触んじゃねえよ!
(旭)生きてるよ。
(暁)余計なことしやがってよ。
(旭)しょうがねえだろうが。
お前にこれ以上誤った道を歩かせるわけにはいかねえからよ。
(旭)ああー。
うおー。
痛え。
ああ…。
(暁)痛えけど不思議と気分は悪くねえな。
(旭)大事なものを守るってのはそういうことだ。
(暁)守れてねえよ。
こんなコピーしたもん一つ奪ったってしょうがねえじゃねえか。
(旭)だったらどうするつもりだったんだ?部屋中のもんぶっ壊して土居と刺し違えるつもりだったのか?そんなことして守りたかった人が喜んでくれんのか?
(暁)うるせえよ。
震えんだよ。
俺があいつ抱き締めるとかたかた震えて必死に耐えてんの分かっちまう。
このままじゃあいつずっとおびえて生きてかなきゃいけねえんだぞ。
(旭)俺がいつそれ一つで終わりだって言ったよ?俺を誰だと思ってんだよ!うん?詐欺師の兄貴だぞ。
ハハハ。
ジャジャーン。
(旭)CDデビューを餌に肉体関係を迫ってその一部始終を盗撮した。
それは認めるんだな?
(土居)ああ。
そのとおりだよ。
(旭)これがあれば残りの全部回収できるだろ。
お前このために?
(旭)おっ。
うおー。
ああ。
俺は疲れたから先帰るわ。
ほらよ。
(旭)ああ。
痛え。
腰にきてんな。
アサ兄。
(旭)うん?俺…。
幸せになってもいいのかな?バーカ。
それが俺の夢だ。

(呼び出し音)どうして?
(暁)土居は来ねえよ。
(暁)例のデータ。

(暁)カメラも壊したしたぶんこれで全部消えたはず。
バカで最高の兄貴のおかげだ。
(多香子)何でこんなこと?決まってんだろ。
好きだから。

(暁)ああ。
ああ。
ありがとう。
(暁)仕事辞めた理由。
(暁)彼女のこと思い出すからって言ったろ?あれ逆なんだ。
(暁)多香子と一緒にいるとどんどん彼女の記憶が薄れてってそれが後ろめたくなって。
(暁)だから土居と会ってまたムショに入るつもりだった。
バカ。
もう一人でおびえなくていいよ。
うん。

(陽)一から出直しだな。

(ドアの開く音)香澄。

(ドアの開く音)
(旭)あのう。
これはあれだぞ。
(梓)名誉の負傷なんでしょ?
(旭)痛てて。
おお。
痛え。
(梓)さっき多香子さんから連絡もらったよ。
許してあげてって。
(旭)ああ。
(旭)あかり。
(梓)何それ?ジャーン。
(梓)作ったの?うん。
あかりといえばさやっぱり太陽だろ。
(ひかり)小学生か。
(旭)山下清だよ。
この野郎。
(梓)よかったね。
あかり。
(ひかり)よかったね。
(梓)さっきね手入れたら握り返してくれたんだよ。
(旭)えっ!?ホントか?
(ひかり)お父さんも触ってみれば。
(旭)えっ?いいの?
(ひかり)いいよ。

(梓)小さいよね。
でも感じるでしょ?あかりのぬくもり。
(旭)ああ。
ああ。
あったけえ。
(旭)あかり。
あかり。
俺たちが守ってやるからな。
いっぱい笑っていっぱい生きような。
2014/09/10(水) 22:00〜22:54
関西テレビ1
若者たち2014 #09[字]

「人の為に」
多香子に土居という男から度々連絡が入り怪訝に思う暁。一方、陽を連れて香澄の元へ向かった旭。久々に二人で飲み語らうが、翌朝暁は居なくなり…。

詳細情報
番組内容
 暁(瑛太)は、最近、多香子(長澤まさみ)が携帯メールを受け取る度に顔を曇らせていることが気にかかる。
 そんな折、暁が自宅に戻ると顔を腫らした旭(妻夫木聡)が、梓(蒼井優)に手当てをしてもらっていた。警備の仕事中、手を出してきた客と殴り合いになったのだという。
 別の日、旭と梓は新城(吉岡秀隆)からあかりの容態について説明を受けていた。気道が炎症を起こしているものの深刻な状況ではないと
番組内容2
言われるが、梓は不安が晴れない。そんなふたりを、ひかり(満島ひかり)が見ていた。
 一方、暁と多香子が農作業を終えた頃、多香子の携帯に「土居正登」という人物から着信があった。暁は、電話に出ずおびえる多香子に、メールの送り主と同じか、と尋ねる。多香子は、土居(鈴木一真)は著名な音楽プロデューサーで以前接点があったのだ、と答える。
 同じ頃、自宅で台本の直しをしていた陽(柄本佑)は、旦(野村周平)に
番組内容3
書き直したせりふの感想を聞く。旦は、自分のせいで香澄(橋本愛)が劇団を辞めざるを得なくなったことを謝る。
 その頃、旭は夕食の支度をしていた梓に買い物を頼まれ家を出る。旭に付き合った暁は、コンビニの雑誌コーナーで土居が特集された雑誌を見つける。
 ふたりが自宅に戻ると、ひかり、陽、旦、梓が食事を始めていた。多香子の不在に気づいた暁が聞くと、電話をしに行ったという。嫌な予感がした暁は…。
出演者
佐藤旭: 妻夫木聡 
佐藤暁: 瑛太 
佐藤ひかり: 満島ひかり 
佐藤陽: 柄本佑 
佐藤旦: 野村周平 

澤辺梓: 蒼井優 
屋代多香子: 長澤まさみ 
永原香澄: 橋本愛 

新城正臣: 吉岡秀隆
スタッフ
【原案】
山内久 
森川時久 

【脚本】
武藤将吾 

【音楽】
荻野清子 

【主題歌】
「若者たち」森山直太朗(ユニバーサルミュージック) 

【プロデュース】
石井浩二 

【演出】
杉田成道 
中江功 
並木道子 

【制作】
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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