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 3日午後8時半ごろ、熊本市西区島崎6丁目にある慈恵病院の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」に、生後間もない男児の遺体があるのを看護師が見つけ、職員が熊本県警に通報した。県警は死体遺棄の疑いで調べている。同病院によると、ポストには2007年の開設から今年3月末までに計101人が預けられているが、死亡した乳児が入れられたのは初めてという。

 県警の発表によると、男児は入れられた時点で死後数時間は経過していたとみられる。服は着ておらず、目立った外傷もないという。

 赤ちゃんポストは親が育てられない子どもを匿名で預かる施設。病院の外壁の扉の中に赤ちゃんを寝かせる保育器があり、扉を開けるとブザーが鳴り、待機している看護師らが保護する。今回は看護師が男児を見た際に様子がおかしかったことから医師が確認したところ、すでに死亡していたという。

 慈恵病院の蓮田健・産婦人科部長は取材に「非常に残念。多くの命が救われるべき場所なのに亡くなった赤ちゃんが預けられたのは理解に苦しむ」と話した。