テレビ東京の人気番組『たけしの誰でもピカソ!』が、メイン司会を務めるビートたけしの「リストラは受け入れられない」という判断の下、今年3月いっぱいで打ち切られることになった。


 テレビ業界でも不況の影響は深刻で、各局は、昨年秋頃から、それまで以上の大幅な経費削減を打ち出し、制作費のかからない番組作りに着手してきた。その一方で、タレントを抱えるプロダクションは、リストラ旋風に頭を抱えている。

「高額なギャラで、視聴率が取れないタレントがリストラの対象になる。これからは、大スターを育てるんじゃなく、何でもこなせる、ギャラが1本50万円クラスのタレントをつくることだと、大手プロのオーナーたちは真剣に考えてますよ」(大手プロオーナー)

 テレビ界でも"リストラの嵐"が吹くことを懸念した大竹まことは、レギュラーを務めるテレビ朝日の『たけしのTVタックル』で、「ギャラを下げてもいいから、番組を降ろさないでください」とジョークで言っていたが、シャレにならない現実が、その直後に起こった。皮肉にも『タックル』と同様、たけしがメイン司会を務める『たけしの誰でもピカソ!』でのことだ。

 筆者が年末に取材でたけしに会ったとき「『ピカソ』のプロデューサーからいきなり、『来年3月で、レギュラーの今田耕司とクマさん(篠原勝之)、それに渡辺満里奈に降りてもらい、若手を入れて、番組をリニューアルしたいと思うんですが』と言われたんだよ。『それって、リストラじゃん』って言ってやったよ」と漏らしていた。

 通称『誰ピカ』は1997年のスタート当初から、メイン司会をビートたけし、サブは今田とクマさん、満里奈という布陣で臨んできた。番組当初は、クマさんを審査委員長にした"アートバトル"という画期的な企画も話題を呼んだ。その後、さまざまな分野で活躍するアーティストを紹介。若手お笑いタレントを集めた"お笑い居酒屋"も、番組の目玉になった。メジャー感とマニアックさがほどよく入り交じった、他局にはマネができない番組として、テレビ界から評価されている。

 そんなテレ東の看板番組も、不況の煽りは避けられなかった。そこで、局は、脇を固めていた3人をリストラしようと考えていたのだろう。旬の若手芸人を使っていけば、ギャラは数分の一に抑えられる。

 だが、こうした安直な流れにたけしは乗らなかったという。『誰ピカ』は、彼らの存在があったからこそ存続できた番組と考えるたけしは、リストラ案を拒絶したどころか、自ら番組の降板を申し出たというのだ。「リストラするなら、最もギャラが高い自分を切ってくれ」というたけしなりの皮肉の利いた抵抗だったのかもしれない。

 もちろん、たけしなくして『誰ピカ』はない。しかし、リストラもせずに、製作費がかかる『誰ピカ』をそのまま存続するのは厳しい。結果、テレ東は、打ち切りを決定したようだ。同局は広告収入が少ないために、最近は、旅番組やグルメという低予算番組ばかりが増えている。そんな中にあって『誰ピカ』という、テレ東らしさが生かされた番組も消えることになった。

 リストラできなければ潰すしかないという今回の打ち切り劇は、今後、他局にも影響を及ぼしそうだ。
(本多圭)


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