【オリックス】森脇監督、Ｖ夢散「この悔しさ表現する言葉見つからない」

(スポーツ報知)

◆ソフトバンク２ｘ―１オリックス＝延長１０回＝（２日・ヤフオクドーム）

　全精力を使い果たしたナインたちは崩れ落ちた。延長１０回１死満塁。松田の打球が無情にも左中間を抜けていく。９６年以来１８年ぶりの優勝は幻と消えた。森脇監督は「この悔しさを表現する言葉はまだ見つからない。勝負において悔いはない」と唇をかんだ。ソフトバンクの歓喜の輪を横目に指揮官は選手たちを促し、左翼スタンドのファンに頭を下げた。

　負ければＶ逸。勝てば優勝マジックが「１」で再点灯する一戦。最後の最後まで諦めなかった。１点ビハインドの７回２死二塁から代打・原拓が右前に執念の同点適時打を放った。先発・ディクソンが４回２／３を１失点で粘れば、自慢の中継ぎ陣もフル回転して延長戦に持ち込んだ。得意の展開だったが、最後に力尽きた。

　グランドでは正捕手・伊藤が号泣し立ち上がれない。２安打と活躍した安達も両ひざをついたままだ。全員が優勝という目標に向かって一丸になっていた。森脇監督は成長したナインを褒めたたえた。「本当に昨日より今日と、強くなっていく選手たちを見ることができて尊い。人ってこんなに変化するんだなと…」と感無量だ。

　１１日からは本拠・京セラＤで日本ハムとのＣＳ第１ステージが待っている。「ペナントにおいては優勝を逃した。だが、まだホークスと決着はついていない」。指揮官は再び福岡の地に戻り、やり返すつもりだ。（橋本　健吾）