シカムドゥチって何?イナムドゥチじゃないの?
イナムドゥチだけがムドゥチじゃない。
2014年10月01日に更新
イナムドゥチとは。
イナムドゥチは、沖縄県の郷土料理。具沢山の味噌汁で、お祝い料理のひとつである。豚肉を使用した汁物で、細い短冊切りにした豚の三枚肉、こんにゃく、かまぼこ、しいたけ、油揚げなどを、九州地方特有の甘い白味噌仕立てにしたもの。盆や正月に多くの家庭で作られるほか、食堂のメニューに加えられていることもある。
出典:ja.wikipedia.org
イナムドゥチ、その奇妙な名前の由来はこうなっている。
イナは猪(いのしし)、ムドゥチはもどきという意味です。もどきが訛って「むどぅち」となっています。昔は、猪の肉を使っていましたが、現在では、猪のかわりに豚肉が使われています。
出典:okinawa-eiyo.or.jp
さて、それではシカムドゥチとは?
沖縄に猪はいたが、鹿(注1)は17世紀になって鹿児島からごく一部に移入されたのみ、ということから考えるとイナムドゥチ、シカムドゥチという名前はたぶん、味噌仕立てのカマボコの入った豚汁をイナムドゥチ、同じ材料で醤油味にしたものをシカムドゥチということにしようと、この料理を考えた人が便宜上つけた名前で、それがいつのまにか一般化したものではないだろうか、と私は考える。
注1、慶良間諸島にはケラマジカ(国指定天然記念物)が生息している。
出典:gajimaru.blogzine.jp
また、イナムドゥチに沖縄のロマンを感じている方もいる。
料理研究家の新島正子先生は、『沖縄大百科事典』のなかで、こう記しています。
「昔はイノシシの肉を使っていたのが、のちに豚肉を使うようになり、イノシシもどき……が訛って、イナムドゥチ……と名付けられたという。似た料理に、シカムドゥチ……がある。こちらは、すまし汁仕立ての汁物で、シカ肉の代わりに豚肉が使われるようになり、シカムドゥチ……と名づけられたという」
ということはですね、悦子さん(ラジオ沖縄・屋良悦子アナウンサー)。
冊封使が中国から豚を連れてくる前の、古き時代の食文化を彷彿とさせていることになりませんか、イナムドゥチは!
出典:tucker-house.com
給食でもお馴染み、ご飯によくあうイナムドゥチ。実は、シカムドゥチなんてものも存在したのだ。沖縄生まれの人でも知らない人が多いみたいだが、、、
どちらも汁物だけに調理は簡単なので、機会があれば作ってみてほしい。