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御嶽山 戦後最悪の火山被害…死者47人に 12人は損傷死

救助活動の写真公開 東京消防庁の救助活動
東京消防庁が撮影した御嶽山での救助活動の様子
Photo By 提供写真

 御嶽山(長野・岐阜県、3067メートル)の噴火で30日までに死亡が確認された12人の死因について、長野県警は1日、いずれも損傷死だったことを明らかにした。多くは噴石が頭や首に直撃したとみられる。県警などはこの日午後まで捜索・救助活動を続け、これまでに発見して麓へ搬送した47人全員の死亡を確認。戦後最悪の火山被害となった。 

 登山者の尊い命を奪ったのは降り注いだ噴石だった。

 県警の検視から、12人の死因が損傷死と判明。いずれも噴石が頭や首に直撃したとみられ、県警はほかの死者についても身元や死因の特定を急いでいる。

 飛散した噴石について東京大地震研究所は、火口から少なくとも1キロ離れた地点まで飛んだとの分析結果を公表。頂上の御嶽神社周辺では10センチ以上の噴石が時速300キロ弱で降り注いだとみられる。分析を行った同研究所の金子隆之教授(火山地質学)は「直撃すれば相当の衝撃だっただろう」と話している。

 警察庁によると、心肺停止状態で見つかった人の発見場所は、山頂付近の主に5カ所。ほとんどは屋外で倒れていたという。

 噴火による死因をめぐっては、これまで警察は「災害死」とだけしか説明していなかった。治療に当たっていた医師たちの証言から、噴石の直撃や有毒ガスの吸引などさまざまな死因が推測されていた。麓にある長野県立木曽病院で診察した医師によると、噴石から逃れてきた人たちのケガは背中側に集中していた。

 一方、長野県警や消防、陸上自衛隊は1日早朝から、約1000人態勢で山頂付近などの捜索・救助活動を再開。地上から登山道を進んだほか、陸自のヘリで心肺停止状態の登山者ら35人を麓へ搬送。全員の死亡が確認され、噴火による死者は計47人となった。このうち、新たに5人の身元が分かり、確認されたのは17人になった。県警はほかの30人についても確認を急いでいる。

 戦後国内の火山活動による被害では、1991年に雲仙・普賢岳(長崎県)が噴火して火砕流が発生し、行方不明者を含め43人が犠牲となったのが最多だった。御嶽山はこれを上回った。

 御嶽山の山頂付近では2日以降、天候が崩れる見込みで、火山灰の上に雨が降ると土石流の懸念が高まる。水を含むと粘り気も増すため、いったん雨が降ると地面が十分に乾くまで捜索が中断される恐れもある。

 ◇気象庁が記録している戦前の主な火山災害

 ▼渡島大島(北海道) 1741年8月29日、岩屑(がんせつ)なだれや津波により死者1467人

 ▼浅間山(長野、群馬) 1783年8月5日、約3カ月にわたる噴火活動の末に大噴火。火砕流、土石なだれ、吾妻川・利根川の洪水により死者1151人

 ▼雲仙岳(長崎) 1792年5月21日、噴火によって山体崩壊(大規模な山崩れ)が起き、大量の土砂が有明海に落ちて津波が発生。死者約1万5000人

 ▼磐梯山(福島) 1888年7月15日、水蒸気爆発による噴火で山体崩壊。岩屑なだれにより、5村11集落が埋没。死者461人(477人ともされる)

[ 2014年10月2日 05:30 ]

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