特技は暗記。現役大学生。握手会には弁護士のファン。夢は情報番組のアナウンサー。
AKB48グループの中で異彩を放つ彼女は、憲法本の発売で、一気にその魅力が開花した。
AKB48グループにどのような新しい風を吹かせるのか、今後がとても楽しみなメンバーの1人、9月25日に19歳の誕生日を迎えた内山奈月へインタビュー。
■弁護士の方が握手会に!『憲法主義』(PHP研究所刊)を通して広がった世界
2014年7月に発売された『憲法主義:条文には書かれていない本質』(PHP研究所刊)。この一冊で彼女の魅力が一気に世に知れ渡ることになった。この本は、憲法学と日本国憲法がどんな人にもわかりやすく解説されたもの。九州大学法学部の南野森教授が先生、内山が生徒という形となり授業が展開されていく。
ネットや握手会を通じたメンバー・スタッフとのコミュニケーションによって、ファンの皆さんの意見を反映する「民主的正当性」が重視されていて、メンバーにはSNSや握手会などで「表現の自由」が与えられている(『憲法主義:条文には書かれていない本質』(PHP研究所刊)より)
このように、AKB48の活動を憲法に置き換えて語られていたりと、AKB48のファンだけでなく、ファンじゃない人にとっても、「憲法」を理解するのに、わかり易い内容となっている。でも、そもそもなぜこのような本を出すに至ったのか。なぜ憲法なのかを聞いた。
――憲法を覚えようと思ったのはなぜ?
憲法に限らず、方丈記、奥の細道、百人一首、俳句など、“名文を暗唱する習慣”がありまして、その流れで、小学6年生の時に、初めて憲法を習った時に、趣味で覚えてみようと思ったのが始まりです。
――『憲法主義』(PHP研究所刊)を出してから変わったことは?
Google+のコメントや握手会に来てくださる方で、私のことはあまり知らないけど、『憲法主義』(PHP研究所刊)で興味持ってくれる方が増えました。
裁判官、弁護士の方々も来てくれています。個人でお仕事をいただくことも増えて、すごく嬉しいです。
――今の時代を生きる上で、憲法の意義は?
最近では、憲法9条の解釈が問題になったりしていて、私たちがきちんと知っておかなければいけない時代だと思います。
解釈改憲は、内閣が勝手に閣議で決めてしまえば、私たちは知らなければ知らないまま終わってしまうけれど、日本は民主主義じゃないですか。
選挙で一票投じるときに、きちんと今の国がどんなことをやっているのかを意識した上で、一人ひとり投票する必要があると思います。
■将来は「情報番組のアナウンサー」になってハッピーをお届け!まずは“選抜入り”が目標
“憲法本”を出すという前代未聞の偉業を成し遂げ、AKB48グループ、もとい、アイドルとして異彩を放っている彼女。
“内山奈月”としての夢は朝の情報番組のアナウンサーになること。
“笑う門には福来る”が座右の銘であるという彼女、「ハッピー」を与える夢は変わらない。
――そもそも、なぜアイドルに?
アイドルに元々なりたかったわけではなく、友達がAKB48を好きで知りました。
AKB48はステージでキラキラ輝いているだけではなく、舞台裏で汗を流していたり、涙を流していたり、レッスンも厳しかったりと、体育会系な雰囲気に憧れまして、私もその中に入って夢を叶えたいと思ったので、AKB48に入りました。
――その夢(目標)は何?
アイドルとしての目標は、2つあります。
1つ目は“あなたをハッピーにしたい”が私のキャッチフレーズであり、それがモットーなので、たくさんの人をハッピーにできるアイドルになる。
それを達成するためにも、今年の目標でもあるんですが、選抜メンバーに入って、より多くの人をハッピーにしたいです。
また、憲法主義(PHP研究所刊)を出させていただいたので、AKB48の新たな部分を引き出せるアイドルになりたいです。
内山奈月としては、将来、アナウンサーになることが目標でして、朝の情報番組に出て、たくさんの人にハッピーをお届けしていきたいです。朝の情報番組はみんなが観ているし、私も朝にそういう人達をみてパワーをもらってきたので。
ちなみに、私の永遠の目標は「才色兼備」です(笑)。
■大学生活とアイドルの両立「C言語の授業が楽しい!」
――大変だったことは?
大学に入って、少し落ち着いたのですが、学校との両立がすごく大変で、高校時代は特に大変でした。
朝から夕方まで学校へ行って、公演に出る生活だったのですが、なかなかリハーサルに出られなかったり、みんなが出ているイベントに出られなかったりして、気まずい思いをしたりとか、悔しかったり、それが大変でした。
でも、大学生になり、無事乗り越えました。
――大学ではどんな勉強をしている?
経済学部を選んだのは、マーケティングに興味があるので、アイドルを始めて、ファンの人がどのようなことに興味があるのだろうかとか、Google+にはどんな時間帯にどんな投稿をすればたくさん+1が付くだろうとか、そういうのを考えながら活動しているのがすごく面白かったので、それがお勉強にも活かせないかなと思ったのがきっかけです。
今は、高校時代から習っていたフランス語をやっていたり、数学の授業は「A」の成績を取りました。
C言語の授業は、とても面白かったです。素数を導き出すプログラムとか、因数分解するやつとか、並び替えとか、色々やりました。
先生に「プログラムの道に進んだほうがいい」と言われました(笑)。
――次に出したい本は?
南野先生がすごく素敵な方だったので、憲法本の第二弾も出してみたいですし、経済学部に所属しているので、経済の分野の授業も受けてみたいです。
――最後に一言
ナッキーのAKB48 Mail、すごくいいと思うので、皆さん取ってみてください。
Google+にはない距離の近さを感じていただけることができるんじゃないかと思います。
■内山奈月と本気で学ぶ日本国憲法
憲法を暗唱するアイドルと気鋭の憲法学者による1億人のための憲法講義 もしも国民的アイドルが日本国憲法を本気で学んだら……。
■著者:内山奈月/南野 森
(九州大学法学部教授)
■出版:PHP研究所
■価格:1,200円+消費税
