仁川ア大会:北サッカー監督「決勝で公平な判定がなされれば」

男子サッカー決勝、36年ぶり南北対決
韓国は朴柱昊、北朝鮮は朴光竜が勝敗のカギ
2011-12年までFCバーゼルでチームメート
朴柱昊「光竜は英語が上手で時々通訳してくれた」

 「36年ぶりに南北が決勝で会った。素晴らしい試合、勝つ試合をしたい」(イ・グァンジョン韓国代表監督)

 「準備は終わった。肉体的な面も技術的な面も発揮して勝ちたい」(ユン・ジョンス北朝鮮代表監督)

 サッカー男子の南北代表が仁川アジア大会決勝で対戦する。2日午後8時、仁川市内の文鶴スタジアムで行われるこの試合は、1978年のバンコク・アジア大会以来36年ぶりとなる決勝での南北対決だ。この時は延長戦を終えても0-0で引き分けとなり、共に優勝した。だが当時とは違い、今大会はPK戦で金メダリストを決めるため、どちらか一方は笑い、もう一方は泣くことになる。韓国は28年ぶり、北朝鮮は36年ぶりの優勝を狙う。

 韓国は最近、北朝鮮にサッカーで相次いで敗れている。イ・スンウ=バルセロナ=が活躍したU16(16歳以下)代表チームは20日、アジア・サッカー連盟(AFC)選手権決勝で北朝鮮に1-2で敗れた。先月29日にはサッカー女子韓国代表がアジア大会準決勝で善戦したものの1-2で負けている。イ・グァンジョン監督は「今回は勝って報いたい」と雪辱を誓った。

 これまでのアジア大会で南北は3回対戦している。バンコク大会での引き分け後、2006年のドーハ大会で久しぶりにぶつかった南北の勝負では、キム・チウ、ヨム・ギフン、チョン・ジョグクが次々とゴールを決め、3-0で韓国が勝利した。10年の広州大会では洪明甫(ホン・ミョンボ)監督率いる韓国代表チームがグループリーグ初戦で北朝鮮に0-1で敗れた。韓国にとってはそれから4年を経てアジア大会敗戦の汚名をそそぐチャンスを迎えた。

 韓国には3人のワイルドカード(24歳以上)がおり、経験豊富な彼らの活躍が勝負を分ける可能性が高い。一番年上の朴柱昊(パク・チュホ、27)=1.FSVマインツ05=は今大会でラオス戦を除く全試合にMFとして先発出場している。香港との16強戦では痛快なミドルシュートでゴールネットを揺らした。

 朴柱昊は今回の南北戦で、かつてのチームメートと対面する。北朝鮮のFW朴光竜(パク・クァンリョン、22)=FCファドゥーツ=だ。二人は2011-12年シーズンにスイス・リーグのFCバーゼルでチームメートだった。

 スイスに留学した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者候補と言われていたころ、北朝鮮のサッカー選手たちがスイスに行くことに対し惜しみない支援をした。スイスは永世中立国ということで北朝鮮の選手たちも問題なくプレーできる。

 朴柱昊は当時のことについて「特に二人だけで会ったことはなかったが、英語が上手な朴光竜は時々僕の通訳をしてくれた」と語った。

 所属チームの日程の都合で決勝トーナメントから参加している朴光竜だが、実力をアピールするかのようにインドネシア戦でゴールを決めた。186センチの長身でポストプレーに優れており、鋭いシュート力も持っている。

 朴柱昊の次に年齢が高い金信旭(キム・シヌク、26)=蔚山現代FC=はけがの影響で交代要員となる見通しだ。金信旭は準決勝後、報道陣に「体調は100%」と自信を見せたが、イ・グァンジョン監督は「金信旭は後半に投入するつもりだ」と述べた。

 ゴールをガッチリ守るのはGK金承奎(キム・スンギュ、24)=蔚山=だ。金承奎の活躍で韓国は6試合無失点をマークしている。

 北朝鮮としては、今大会5ゴールをマークしている鄭日冠(チョン・イルグァン)の欠場が痛い。鄭日冠はイラクとの準決勝で決勝ゴールを決めたが、その後すぐにレッドカードを受けて決勝戦に出場できなくなった。

 北朝鮮のユン・ジョンス監督は「大きな石が抜けた穴はいくつかの小さな石で埋められる。イラク戦では誤審が多かった。決勝で公正な判定がなされれば、実力と実力がぶつかって良い試合ができるだろう」と語った。

仁川= チャン・ミンソク記者
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