引越しの際の敷金返還

引越し関連で大きなトラブルに発展する可能性があるのが
退去した家についての敷金返還トラブルです。

 

借り主側としては、できる限り敷金は多く返してもらいたいところですが
契約書の内容や、大家側の判断によってはそうはいかない場合があります。

 

敷金トラブルについてはケースバイケースなので一概には語ることは出来ませんが
最低限知っておいた方が良い知識について3点解説します。

 

1) 一般的な生活の中で生じる汚れや痛みは「借主の過失」ではない

 

社会通念上、通常の使用をした場合に生じる住宅の劣化は借り主の過失ではありません。
したがって、敷金からお金を出す必要はないということになります。

 

もともと敷金から払わなければならない金額というのは、家賃物件の「現状回復」に必要なお金となります。
例えば建物の一部を壊してしまった場合の修繕費用や、あるいは何らかの機材等を取り付けていた場合の撤去費用などです。

 

これらは、借り主側の故意、または過失であるため、現状回復費用が必要となります。
しかし、そもそも「家」というのは人が生活するためにあるのですから、年数が経てば当然多少の汚れや傷みなどは出てきます。

 

これらはあくまでも「自然消耗」の範囲内ということになりますので
「現状回復」には当てはまらない、という判断になります。

 

この点については大家側もあえて詳しい説明はしないことが多いので
「傷をつけたらすべて弁償」などと、間違った思い込みはしないように注意しましょう。

 

2) 必要以上の掃除やクリーニングはする必要なし

 

さて、そうなると問題は、「どこまでが通常の使用なのか?」という点ですが、これははっきり言ってケースバイケースなので何とも言えません。
細かな話は、退去確認時に大家側と交渉して決めることになり、もしどうしても納得がいかなければ裁判という形になります。

 

ただ、ここで一つ言えることは、借り主側は、必要以上の掃除やクリーニングをする必要はない、ということです。
なぜなら、人が住む以上、多少の汚れや傷は生じるのが当然であるため、
多大な手間やお金をかけてまで、家を新品同然の状態に戻す必要はないからです。

 

また、相手が一般的な大家であれば、どちらにせよ一度はクリーニング業者を呼ぶはずなので
わざわざこちらがお金を払ってまで、事前にクリーニングする必要はないからです。

 

3) 最低限やっておかなければならないことは?

 

私たち借り主側が、家を退去する際にやっておかなければならないことは、一般常識レベルでのお掃除、
追加した設備等の撤去、不用品やゴミなどの始末、可能であれば壊してしまった箇所の修復などであって、
家を新品同然に磨き上げる必要はありません。

 

 

敷金礼金が返ってくるにこしたことはありません、ですから
この3点をしっかり心がけて敷金返還トラブルのない気持ち良い引越しにしましょう!

 

大家さんだって敷金礼金でモメたくはないはずです。