経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *基本内容の「ニッポンの理想・2兆円でできる社会」もご覧ください

10/2の日経

2014年10月02日 | 今日の日経
 9月の日銀短観については、的確なレポートがいくつも出ているので、筆者が改めて解説するまでもないと思う。ただ、一つ言っておくと、日本経済は、国際的な大企業と内需型の企業に分裂していると見るべきだろう。「好悪がないまぜ」の構成であることに注意が必要だ。「明るさ」を見つけることは容易だが、それが全体に及ぶかを考えなければならない。

 景気というのは、好調な部分が他へ波及することで加速する。消費増税は、その波及を断ち切るものであるから、他の景気刺激策と組み合わせると、当然、経済・社会に二極化や分裂をもたらしていく。それを、我々は目撃しつつあるわけだ。日本のエリートは、こういう世の中にしたかったのかね。

 今日の日経の「景気先行き」を読むと、第一生命の新家さんは、今年度の成長率を更に引き下げ、マイナス0.2%に修正したようである。本コラムが8/3に見立てたとおりに、現実は進んでいる。全体のパイを減らしてまで、財政がカネを奪い取るという経済運営の当否が問われよう。これが「想定内」となると、意図的にやったことになる。

 下記のように、税収上ブレが早くに報じられることは珍しいが、追加増税の誘い水になる大きな補正ができると、財政当局はアピールしたいのだろう。しかし、自然増収があるなら、なぜ、一気の消費増税なんて、無理をしたのかね。安倍首相は「政治は結果」なのだそうだから、叱責は免れまいな。

 諮問会議に「悪天候がGDPを押し下げる」という試算が出されたようだが、そういう恥ずかしいことは、やめてほしい。お天気次第で狂うような稚拙な経済運営をしていると、世界に宣言するようなものではないか。天気が悪いために、前回不況のピークを超える在庫の山ができるとはね。これは民間が愚かにも見誤ったせいかな。「天気がねぇ」と、世間話で素人を煙に巻くならともかく、公式の場で言い張るとは思わなかったよ。

(今日の日経)
 景気回復なお鈍く・短観。ホンダが国内減産。社説・足踏みの景気を成長戦略で支えよ。景気先行き・個人消費中心に回復。税収8月末まで10.3%増、所得税伸び上振れ。社会保障改革「聖域なく」・諮問会議。年金保険料の納付45年に延長。9月新車販売2.8%減、自社登録も。大機・ドイツ国債が蒸発する日・和悦。経済教室・基礎年金に最低保障額を・高山憲之。

※この期に及んで成長戦略に頼ろうとしたことを記録にとどめておくよ。※高山先生も久しぶりの登場ですな。プロの間では低年金が問題で、諮問会議とは意識が違う。もっとも、分裂社会を繕うには限度があるがね。
ジャンル:
経済
キーワード
ドイツ国債
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