御嶽山噴火:早朝の安置所、遺族すすり泣き 長野・木曽町
毎日新聞 2014年10月02日 12時14分(最終更新 10月02日 12時31分)
御嶽山の噴火で、夜を徹して検視作業が行われた長野県木曽町の旧上田小学校に設けられた遺体安置所には、2日早朝から霊きゅう車が入っていた。午前8時前、すすり泣く女性の声が漏れるなか、遺族らと県警捜査員らがひつぎを霊きゅう車の中に収め、一緒に手を合わせた。助手席では、年配の女性が目に涙をためて悲しみをこらえていた。
1日に身元が判明した岐阜県各務原市、丹羽玲子さん(61)のいとこという木曽町の男性(74)も安置所に駆けつけ、「幼い頃から子供の面倒をみるのが好きで、親思いだった」と人柄をしのんだ。丹羽さんは噴火の1週間前、長野県上松町の実家を自分の子供たちと訪れ、稲刈りに参加したばかりだった。親族の恒例行事で、男性も一緒に稲を刈って親睦を深めたばかり。男性は「実家では『稲刈りを1週間遅らせておけば』と悔やんでいた」と目を伏せた。【松浦吉剛、荻野公一】