御嶽山噴火:「頂上で景色を」直後…上野原の宮地さん夫婦

毎日新聞 2014年10月02日 12時44分(最終更新 10月02日 12時57分)

 ◇2人とも山梨県上野原市の職員、死亡が確認

 御嶽山の噴火で、死亡が確認された山梨県上野原市の宮地昭さん(58)と妻よし子さん(56)は、2人とも同市の職員。27日に入山したと見られ、噴火の15分前に「頂上にいて、景色を見て下りるよ」と親族に携帯電話連絡があって以降、安否が分からなくなっていた。

 昭さんは長く同市職員として勤務。2年前から同県大月市にある「東部地域広域水道企業団」に派遣され、今年4月からは事務局長を務めていた。水道企業団の小俣滋次長は昭さんについて「4カ月先までスケジュール管理して仕事をするしっかりした人」と話す。夫婦で登山によく出かけていたようで、登山先の土産を持参して職場で振る舞うこともしばしばあったという。

 よし子さんは上野原市の保育士で、今年からは市立の保育所長を務めていた。孫が保育所に通う女性は「学芸会の時は魔女の格好をするなど、明るく元気ある先生だった」と振り返る。

 夫婦から登山に誘われたことがあるという女性(60)は「仲の良い夫婦だった。今からが楽しい年齢なのに」と話した。

 上野原市の江口英雄市長は、現地に派遣していた市役所職員から連絡を受けた後の1日午後11時半から、市役所で会見を開き、「残念で悲しいが、2人が同時に同じ場所で見つかったことが何よりの救い」と、沈痛な表情を浮かべた。【松本光樹、山縣章子、小田切敏雄】

最新写真特集