御嶽山噴火:車古・元金沢大教授 仕事も趣味も真剣
毎日新聞 2014年10月02日 13時41分(最終更新 10月02日 14時24分)
御嶽山の噴火で、死亡が確認された石川県白山市の元金沢大教授、車古(しゃこ)正樹さん(70)と妻雅子さんは夫婦そろってスポーツ好きで、仲むつまじく登山やスキーを楽しんでいた。御嶽山へも夫婦で出掛けており、雅子さんは負傷して治療を受けているという。友人の女性(65)は「とにかく体を動かすことが好きな夫婦だった。奥さんが無事だったとはいえ言葉が見つからない」と肩を落とした。
近所の住民によると、車古さんは毎朝6時ごろから自宅近くの海岸をランニングするのが日課。フェイスブック(FB)にマラソンや登山の写真を多数アップしている。富山県黒部市で今年5月にあった「黒部名水マラソン」を5時間12分で完走。7月に石川県七尾市の能登島であったハーフマラソン後は「暑い中、水をかぶりながら何とか走り切れました。大満足です」と書き込んでいた。
また、自宅近くに借りた約200平方メートルの畑で野菜を作り、雅子さんや孫と一緒にイチゴや長ネギなどの収穫を楽しんでいた。15年来の付き合いという男性(83)は「教授らしくインターネットで栽培方法を研究し、私たちに教えてくれた」と話す。近所の女性(80)も「とてもまじめで優しい人だったのに……」と絶句した。
金沢大によると、車古さんは1967年に同大理学部(現・理工学域)に採用され、2003年には学内の情報通信ネットワークなどを整備する同大総合メディア基盤センターの教授に就任。厳しい半面、面倒見も良く、いつも周りに人が集まっていたという。
同センターの高田良宏准教授(51)は「職場では『先輩の背中を見て仕事を覚えろ』という昔かたぎの人だった。仕事でも趣味でも、何にでも真剣に取り組む人だった」と振り返った。【中津川甫、横田美晴】