御嶽山噴火:大阪教育大熱気球部の先輩と後輩、突然の悲報

毎日新聞 2014年10月02日 13時44分(最終更新 10月02日 13時49分)

 御嶽山の噴火で、死亡が確認された看護師の山本奈津子さん(34)=大阪府茨木市=と大阪府立藤井寺工科高(定時制)教諭の池田啓亮(けいすけ)さん(32)=奈良県王寺町=は大阪教育大熱気球部の先輩後輩の仲だった。同年代の元部員1人を含む3人で御嶽山に登り、元部員は助かった。仲間らは突然の悲報を悼んだ。

 2人は熱気球部に所属し、アルバイトをしながら活動費を工面し、パイロットの資格を取った。池田さんは卒業後も日本気球連盟の大会に選手として積極的に参加してきた。実力は日本一を目指せるレベルで、最近では選手の技能を審査する試験官も務めていた。同連盟の須江哲洋事務局長(49)=長野県佐久市=は「イベントの企画やPRにも積極的に取り組むなど何事にも一生懸命で情熱的な若者だった。残念だ」と話した。

 池田さんは今年4月まで、大阪府立和泉総合高(定時制)で勤務し、自動車整備コースでエンジンの仕組みや分解などの実技を教えていた。戸田徹准校長(59)は「いつも笑顔で、生徒のお兄さんのような存在だった」と話す。文化祭では熱気球の体験イベントを生徒とともに実施。運動場から高さ約15メートルまで上がる気球を池田さんが操縦し、参加者に好評だったという。悪天候でイベントを中止したこともあったといい、「備えを怠らない先生だった。今回は避けられない天災にまき込まれてしまったのか」と肩を落とした。【田辺佑介、山口朋辰】

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