国土交通省は1日、噴火した御嶽山周辺で土石流などが発生する恐れがあるとして、山麓の王滝川の支流・鹿ノ瀬川(木曽郡木曽町)に砂防ダムを緊急的に設置すると発表した。林野庁も同日、同じ支流の濁川(濁沢川、同郡王滝村)にある治山ダムで満杯になった石を取り除く工事を始めたと公表。県も同じ支流の湯川(木曽町)にある砂防ダムの除石工事に着手した。
また、県建設部は1日の災害対策本部員会議で、木曽町と王滝村で土石流の発生に備えた避難勧告などの発令基準を設ける準備を進めていると明らかにした。一定の降雨基準などを定める見通しで、2日に両町村と協議する。
県砂防課によると、火山灰は水を含むと固まって水を通しにくくなり、斜面などから流れ込む水が勢いを増して土石流や泥流が起きやすくなる。同省中部地方整備局の調査などで鹿ノ瀬川と湯川の上流域では降灰が確認されたほか、濁川でも降灰による濁りが生じている。
このため同省は2日から、鹿ノ瀬川に砂防ダムの設置工事を始める。鹿ノ瀬川にはこれまで砂防ダムがなかったため優先的に設置することにした。現時点では高さ4〜5メートルほど、容量2千立方メートルほどの規模を想定し、約1カ月で完成するという。
林野庁は1日から濁川への重機の搬入や工事場所の選定を開始。さらに上流には土石流を検知するセンサーや監視カメラの設置も検討する。県は湯川にある高さ14メートル、容量5万5千立方メートルの砂防ダムに埋まった石を、約2カ月かけて取り除く計画だ。