ライトノベル作家志望者が集うスレ 125
229: この名無しがすごい! 2013/07/12(金) 23:39:48.25 ID:II5AqCev

情景描写が難しんだけども誰か上達法しらん?

235: レス代行、広告付きver 2013/07/13(土) 01:47:07.87 ID:8pfcJLts
>>229
情景描写をあつかうときに、その情景を四つに分類する。

(1)人工物・近景 (2)人工物・遠景 (3)自然物・近景 (4)自然物・遠景


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遠景というのは、山とか空とか海とかの遠くの景色をいう。 
近景というのは部屋の内装とか、道を流れていく車とか、比較的近くの景色をいう。 
人工物というのは、ビルとか、店とか、(視界に入っている主な対象が)人工的なものいい、 
自然物というのは、浜辺の砂とか、雷とか、夜の虫の音とかの自然のものをいう。 

景色を書くときは、単純に考えると、視界に何があるかを述べればよい。 

「僕はあれからしばらくして目を覚ました。『机には無造作にノートと教科書がおいてある。』 
そうだ宿題の続きをしないと。そう思いペンを探すがペンは外で飼っている猫であった。」というように。 

ということは、述べる対象が多いほど書くことが多くネタに困らない。逆に少ないほど書くことが少ないということなるだろう。 
自然物と人工物では、述べる対象は人工物のほうが多い。 
また近くにあるほど物の形などを区別しやすいから、「○○な形をしている」とように書ける分だけネタが多い。 
つまり、人工物がメインに書かれる近景、(1)が一番楽で、自然物がメインに書かれる遠景、(4)が一番大変だ。 

そこで情景描写の練習をしたいときは、自然物の遠景から始めるのがよいと思う。
 


238: 235の続き 2013/07/13(土) 01:59:31.71 ID:8pfcJLts
景色を書くときは視界にあるものを書けばよいが、そもそも「ある」とは「周囲と異なっている」ことによって認識される。 
夜の空を見上げると、全体的に黒く見えるのだが、その黒の地の上に、黒くない点がばらまかれているように見える。 
黒い中に黒くないものが見える。そこで、その黒くないところに注目して「夜空に星が光っている」と書かれる。 
いわば言葉は周りとちがうところに注目してそれを表すという機能をもっている。 

情景描写でそもそも何を書けばよいかに困ったときは、情景の中の差異について言及すればよいのだ。
 
これ二つ目。 


たとえばゴキブリについてこのように書いたとする。 

「僕はゴキブリが好きだ。茶色っぽい体、スリムな六本の脚、優雅で長い触角、 
歩いてとまり、また歩いてとまりするところと、人の気配を感じるとさっと物陰に隠れるところが、奥ゆかしくて素敵だ。」 

この描写は、色、脚、触角、動きの順にゴキブリに言及しているが、 
そもそも、なぜこのように書かれるのか。それは書き手が言葉に惑わされているからだ。 
人は何かを理解するときに、分類し、部分に分けてあつかうくせがついている。 
本来ゴキブリをどうとらえるかは、いかようにもありうるが、 
小説の中にも、日常的に用いる概念上の区分を持ちこみ、 
「脚」とか「触角」とかいった区分にそって、既存の単語によって作られた枠にそって書いている。 
これは、自分の考えたことが先にあってそれを言葉で表しているのではなく、 
言葉が先にあって自分がその言葉にそった物の見方をしているのだといえる。 

自分と言葉の主従関係が逆転しないように注意して書くと執筆の助けになると思う。これ三つ目。

245: この名無しがすごい! 2013/07/13(土) 07:31:30.18 ID:59MFqY+7

情景描写の上達のためには、日常生活の中で目についたものとか気に入ったものとかを随時頭の中で、またはメモ帳などで軽く情景描写してみる癖をつけるのがいいという話を聞いたことがある。 


この方法は、単純に数をこなすことで速く上達が見込めるという効果だけでなく、 
人間がどんな情景にどんな感情や感想を抱くのかについての理解が深まる、つまり、情景に関する感性が鋭くなるという効果もある。 
ついでに、よりリアルな情景描写力が高まるという効果もあるな。 

もちろん、実際の小説では文脈によって情景描写の仕方は変わるわけだけど、それは最初の内はあまり気にしなくて構わない。 
この訓練の数をこなしていくうちに、自分がどんな状況(心情)の時にある情景をどんな風に感じるのか、どんな風に情景描写をするのかに敏感になれるから。


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訓練、訓練ッ。
ライトノベル作法研究所「情景描写の上達法」やライトノベルを書く「情景描写を考える。」も参考になります。