私は探偵小説の面白さの条件として、出発点に於ける不思議性、中道に於けるサスペンス、結末の意外性の三つを挙げる。

江戸川乱歩『幻影城』


ストーリーをギンギンに鍛えたい14
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/2chbook/1373590340/

23: スペースNo.な-74 2013/07/14(日) 16:24:17.86
話題は変わるが、生前の黒澤明監督が自分の助監督たちに

「お前たち、いいホンを書きたかったら、推理小説をたくさん読んで勉強しろ。
 江戸川乱歩が推理小説の掟に、”発端の謎、中盤のサスペンス、意外な結末”を
 挙げてるが、映画も同じだ。探偵映画だけじゃなくて、メロドラマ、喜劇、
 アクション、青春もの・・・あらゆるジャンルにそういう要素が必要だ」

と言って教育してたらしいんけど、これって漫画にも当てはまると思う?
”発端の謎、中盤のサスペンス、意外な結末”
俺は漫画だと、そういう漫画もあるけど、小説や映画と比較すると、
そういう要素はそれほど必要なくても、受けてを面白がらすことが出来る
ジャンルだと思うんだけど・・・特に意外な結末って、フーンって感じで
案外評価されないし。
ちなみに反対意見も大いに聞きたい。

29: スペースNo.な-74 2013/07/14(日) 17:18:49.64
>>23 
意外な結末も、意外すぎて読者を置いていってしまう様だとフーンで終わってしまう 
気づいていれば結末がわかる伏線を序盤に仕込んでおけば、意外すぎる結末でもマジか!って読み返してもらえる 
あと、予想は裏切っても期待は裏切るなって、どこかのスレで誰かがいってたな
 

ユーザーは“予想できないことを望んでいる”わけではない。 80%で期待に応え、残りの20%で予想を裏切る。 予定調和とサプライズ、そのバランスこそ、エンターテインメントの正体だ。 
板垣恵介「グラップラー刃牙」キャッチコピー


36: スペースNo.な-74 2013/07/15(月) 06:27:25.71
「発端の謎」「意外な結末」っていうと、ついスタンダートな本格推理小説の 
トリックとその解明なんかを想像しがちだが、別にトリックなんていらないんだよな 
とある情報を意図的に伏せて、謎めいた感じにしておいて、 
最後にそれを巧く見せればいいのであって(その巧くやるのが大変なんだが) 

O・ヘンリーや星新一の短編とかほとんどがそうだし 
漫画なら、イートマンとか外天楼とかレベルEのディスクン星人編とかも 
ひっくり返しはしてるが、読者への情報の見せ方を操作してるだけで、 
いわゆる”トリック”ではない。

37: スペースNo.な-74 2013/07/15(月) 06:42:13.49
オチはバレバレだがオチに至るまでの経緯が不明 
作者の心変わりで違うオチになる可能性がある 
オチを言葉では想像できるが、場面では想像できない 

これがあるだけでも違うね 
妄想の余地ってやつか


話が発展して、アイディアとキャラクターの両立についての話題に。

38: スペースNo.な-74 2013/07/15(月) 07:04:41.75
星新一は上手いね。>>37のあげたようなパターンは、各作品によって切り替えて全部使ってる 
ただ、星はキャラはまったく立てない。完全に記号でやってる。 
数年前、星作品や筒井康隆作品をいろんな作家が漫画化した作品集が出たが、 
(コミック星新一 筒井漫画涜本)どっちもやっぱり普通の漫画とかなり違うんだよな 
漫画的なキャラ立てと、世にも奇妙な物語的なワンアイデアSF・ファンタジーや、 
どんでん返しは、意外と相性が良くないって事だと思う。 
でも両立がまったく不可能じゃないと思うので、なんとかやってみたいと思うが・・・

42: スペースNo.な-74 2013/07/15(月) 12:57:21.70
>>41 
それ、>>38を指して言ってる? 
もしそうなら、星新一の記号化キャラってのはそんな生易しいもんじゃない 
名前はほとんど「エヌ氏」か「エフ氏」のみで、属性とか設定どころか、 
外見描写さえ無いんだから、本当の意味での「記号」 
もし読んでないなら、彼のショートショートを、数本でいいから読んでみれば 
自分のアイデアを活かすにはキャラクター性は邪魔だって、完全に割り切ってるのが 
よく分かる

53: スペースNo.な-74 2013/07/15(月) 20:38:21.59
>>51 
>>38で書いたけど、
起承転結の構成がカッチリしたアイデア主体のストーリーって、 
漫画の王道的なキャラ立てとの両立が結構難しいんだよ 
藤子Fも、星作品ほどじゃないけど、単発短編のキャラは平凡なのが多いよね 
不可思議な設定やアイテム主体で、キャラは基本的に巻き込まれ役、驚き役に徹する、みたいな

51: スペースNo.な-74 2013/07/15(月) 20:16:11.87
星新一の話作りは凄いし参考になるけど 
漫画の王道的な作り方とは乖離してると思うなぁ 

藤子・F・藤子・F・不二雄のSF短編ですら当時は人気が出なかったって言うし

56: スペースNo.な-74 2013/07/16(火) 23:54:30.29
>>51 
キャラクター性で引っ張っていくようなタイプとは対極といえるな 

ちょっとした謎の提示とその解決、というストーリー立ては 
興味を引くのにも、短い話をまとめるのにも便利だね 
「動物のお医者さん」でもそういうミステリー仕立てが非常に多い、と文庫版解説で綾辻行人が書いてた

59: スペースNo.な-74 2013/07/17(水) 03:38:05.32
>>51 >>56 
アイデア性とキャラ性の両立って点では、なんだかんだ言っても、 
やっぱりドラえもんがお手本って気がする 
ドラに限らず、SFやアクションなら、パーマンでも魔美でも21エモンでも、 
アイデア性も高いけど、どんなキャラが出てきたかって言われると、 
すぐにパッと思い出せるのが凄い。 

SF短編だとアイデア完全優先だけど、こういうキャラものは、本来の資質は、 
アイデアマンだったFさんにとって、どうやってSF的アイデアと、 
子供受けするキャラクターとを融合させるかって、せめぎ合う戦いだったと思う

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のび太が道具を悪用してひどい目にあうところとか、キャラも道具も立っています。
ドラえもんの展開は小説の参考にもなります。