景気の停滞色が強まっていますが、政府・与党からは「引き上げるしかない」との声が続いています。
消費再増税は法律ですでに決まっている、的確に判断=菅官房長官 | Reuters
消費増税先送り、国債売り浴びせられると対応困難=麻生財務相 | Reuters
公明代表、消費税10%「引き上げなければアベノミクス失敗の烙印」 - 産経ニュース
これらを見聞きしていると、1997年の財政構造改革の失敗を詳しく取材した『検証 経済失政』を思い出します。当時の政府・与党・官僚が情報・分析不足のまま、空気に流されていった経緯が描かれています(一読をお勧めします)。
政調会長をつとめた山崎は、財政構造改革のタイミングに問題があったと反省している。
「総合的な戦略がなかった。大東亜戦争(太平洋戦争)の前みたいに、イケイケドンドンになっちゃった。財政構造改革はやらなくてはならんが、タイミングが早かったことは事実。同時にブレーキ(緊縮財政)とアクセル(景気浮揚)は不可能だ。橋本政権に財政再建を固守するという気持ちがあった。僕らもそれに引きずられた」
自民党の幹事長だった加藤は、経済政策の参謀本部を日本は失っているとの思いをこう話す。
「政治の側がグランドストラテジーを立てたり、(日本経済という)身体全体の体温と血流を診ていたということは、少なくとも過去30年間なかったと言っていい」
成長戦略の「女性が輝く」も、男手の損耗→女も労働力として動員(挺身隊?)を想起させます。「決めたことはやるしかない」「前進あるのみ」で経済政策が進められているようにも見えますが、気のせいでしょうか。
安倍首相が、かつて一部のリフレ派が唱えていた*1「消費税率を毎年引き上げることを決める→インフレ予想が定着する→デフレ脱却→実質成長率上昇」を信奉していることはないと思いますが。
国民の不安・不満を高めておく→「消費税率引き上げ先送り」のサプライズ→支持率上昇、を狙う作戦であることを期待します(⇐希望的観測)。
- 作者: 軽部謙介,西野智彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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