エリートヤンキー田中一樹 デビューへ
2014年10月1日
何百人ものボクサーを見てきたプロの会長をとりこにした男は、やはり、し烈な格闘人生を歩んできた。小2で始めたのがキックボクシング。格闘技経験は一切ない父・正樹さんから「ハードな」英才教育を施された。
タイ式ボクシング(ムエタイ)を学ぶため、小6時には単身でタイのジムに武者修行。1人で初めて飛行機に乗せられバンコク到着まで「ずっと機内で泣いていた」と言う。
辛い料理が食べられず、白ご飯だけの日々。タイ語のメニューが分からず注文したら「カエルの腸」だった。やせ細る中、タイ人にはボコボコにされた。挙げ句、デング熱にまでかかった。
中学に入っても夏、冬、春休みのたびにタイ修行。「ひげの生えたニューハーフ」から「カズキー♡」とエールを送られながら朝、夕のロードワーク。「毎日いた。あれはきつかった」と、今でも消したい記憶だ。
父が怖いため、けんかはほぼしたことはない。ただ中学時代はけんか自慢のワルをジムに呼んではローキック一発でKO。寝屋川のワルから一目置かれる存在であり続けた。
当然、授業は遅刻ばかり。中3時には140日もの遅刻で校長から呼び出され「行く高校などあるわけないだろう。ボクシングするなら考えてやる」と言われ、興国高へ進学することになった。
「守りで蹴りを考えなくていいし、ハイキックを首に食らうこともない」とボクシング適正を徐々に発揮。K‐1のアンディ・サワー(オランダ)を見て磨いた左ボディーはボクシングでも大きな武器となった。
168センチ、58キロの右オーソドックス。もちろん、ゴリゴリの接近戦を好むハードファイターだ。「ゴロフキンが好き。メイウェザーは強いけど試合はおもしろくない。山中選手のような一撃必殺で盛り上げたい」と、強気に言い切った。
前評判がとどろき対戦相手が決まらない状況ながら、初陣は12月7日の大阪・IMPホールの予定。来年、日本ランカー入りし16年に日本王者、4年以内に世界獲りというのが、田中に敷かれたレールだ。
会長も半端ないほれこみようだ。「弱いやつとはやらない。常に五分五分の相手と組むつもり。お父さんと同じハード路線でいく」とキッパリ。さらに「今までにないタイプ。人を引きつける天性の才能がある。大学時代も彼の試合は雰囲気がガラリと変わった。会場が一体になるカリスマ性のあるボクサー。絶対に世界王者に育てます」と誓った。
くしくもバンタム級には次代のスター候補が集結する。元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎の次男・寿以輝(18)=大阪帝拳、インターハイ2年連続準優勝のイケメン、丸田陽七太(17)=関大北陽高2年、森岡ジム=はともに11月にプロテストを受ける。
「誰が来ても負けるつもりはない。自分が1番、盛り上げる試合をしますよ」。近い将来、バンタム級で覇権を争う可能性の高い“同期”との戦いを心待ちにしている。
今日の一面・終面
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