ロイター為替コラム:シェールガスの恩恵とQE終了でドル高継続へ
Neal Kimberley
[ロンドン 30日 ロイター] - ドルは堅調を維持しそうに見える。米国の経常赤字縮小と米連邦準備理事会(FRB)による債券買い入れ(量的緩和)終了が重なり、ドルの供給量が減って価格が上がるためだ。
30日には主要6通貨に対するドル指数.DXYが4年ぶりの高値になったもようだが、ドルの強さはしっかりした土台に依拠している。
経常赤字の状態は、米国が輸入代金と輸出代金の差額穴埋めのために実質的にドルを海外に支払うことを意味する。これらのドルは最終的に他国の外貨準備となり、世界経済を円滑に働かせる流動性を提供する。それが圧倒的な準備通貨としてのドルの傑出した地位を確固たるものにしている。だが一方で、米国は世界のドル獲得継続に向けて永遠に経常赤字を続けなければならないことも意味してしまう。
これこそが1960年代に経済学者ロバート・トリフィンが命名した「トリフィンのジレンマ」だ。トリフィンによると、過剰な米国の赤字はドルの価値に対する信頼感を損なうが、その裏側も注目される。米国がこれらの経常赤字を解消すると、国際社会は準備を拡大する上で最大のよりどころを喪失する。
結果として生じる流動性不足は世界経済を負の連鎖へ引きずり込んで、不安定化をもたらしかねない。
実際、米国の経常赤字は近年縮小しており、赤字額は2006年第3・四半期の2160億ドルから今年第2・四半期には985億ドルまで減った。昨年第4・四半期の赤字は14年ぶりの低水準で、海外依存度の低下に伴って石油輸入が減少したことが貢献した。
米国産シェールオイル・ガスが与えてくれる恩恵は、国内製造業の生産コストも引き下げている。これによって輸出品が安くなるばかりか、米国内でも海外勢からの市場シェア奪回を可能にしつつある。 続く...