木曽郡王滝村と岐阜県にまたがる御嶽山(3067メートル)の噴火で、長野県警、消防、自衛隊は1日、心肺停止状態の人を新たに11人発見し、頂上付近に取り残されていた24人と合わせた計35人を全て山麓に搬送した。県警は全員の死亡を確認し、死者は計47人となった。気象庁によると、国内の火山災害としては火砕流で死者・行方不明者43人を出した1991年の雲仙・普賢岳(長崎県)の噴火を上回り、戦後最悪となった。
県警はこの日に死亡を確認した35人のうち、北安曇郡池田町池田の会社員野口泉水(いずみ)さん(59)と県外13人の計14人の身元を確認した。ほかの21人の身元確認も急いでいる。
県警などは1日、地上からとヘリコプターで計350人を頂上付近などに投入。心肺停止状態で新たに見つかった11人は、王滝頂上と剣ケ峰の間の「八丁ダルミ」などに倒れていたという。
県災害対策本部は、2日も取り残されている登山者らがいないかなどを調べる方針。同本部は9月28日時点で、家族などから安否が確認できないと連絡を受けた人が計43人いると発表したが、その後は「精査中」としている。
2日は天候が崩れるとの予報があり、雨の場合は泥流や土石流による二次災害が懸念されるため、県危機管理部は「気象庁などの助言を受け、(救助隊員らの)退避基準を作成中」と説明している。
1日午後6時すぎにテレビ会議システムを使って開いた県、国の災害対策本部の合同会議で、山谷えり子防災担当相は「台風が近づいており、大雨による土砂災害への警戒も必要になる」と述べた。