韓国情報機関員の屈辱…インドネシア特使団スパイ失敗は「世界のスパイ史に残る」

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今月16日、訪韓したインドネシア大統領特使団の宿泊ホテルに、何者かが侵入する事件が発生した。韓国紙は21日、韓国の情報機関・国家情報院(国情院)が、インドネシア側の情報を盗もうとして侵入したと伝えた。

メディアの報道から2日経ち、明らかになるのは国情院のまぬけな姿ばかりだ。事件当日は侵入先で特使団と鉢合わせをし、肝心の機密情報を盗み出すことはおろか部屋から逃走。ホテルの監視カメラにはばっちり顔が写り、逃げた非常階段ではホテル職員に見つかるなど、コメディドラマに出てきそうなドタバタエピソードばかりだ。

国情院はこれまでも数々の失態があるようで、韓国メディアは「屈辱シリーズ」と題し、国情院が原因で外交問題にまで発展した事例をいくつか紹介した。

◆エピソード1:2010年5月4日、国連言論と表現の自由特別報道官フランク・ラ・ルエ(Frank La Rue)は、ソウル明洞にあるホテル正門前に止まる乗用車の中から、自分たち一行をビデオカメラで撮影している人物を発見した。ラ・ルエ報道官は、携帯電話で撮影していた人物の写真を撮り、2日後、チョン・ヨンウ外交相第二次官と会談した際に、「誰かが尾行していた」と抗議した。国情院と警察は関係無いと否定したが、確認した結果、乗用車はソウル瑞草区にある国情院の敷地内にあることが分かった。

◆エピソード2:2010年6月、リビア大使館に勤務していた国情院の職員が情報収集活動を行っていたことが発覚し、同国から追放された。職員はリビアの軍需物資情報や、北朝鮮労働者の動向を調べていた。リビアは事件後、道路建設に対する経済支援を要求。関係者は「情報活動を摘発した対価として、10億ドル分の無償建設を要求してきた」と分析した。

◆エピソード3:2010年6月、国情院のソウル永登浦区にある韓国進歩連帯事務室を押収・捜索する過程で、ある国情院の職員が韓国MBC放送局のロゴが入った身分証明カードを使って身元を隠そうとし、記者に捕まると逃走を図るなどの事件が発生した。

国情院のプロらしからぬ行動に、政府関係者は「今回の事件も国情院の職員がインドネシアの情報を盗もうとして行ったのなら、責任をとる必要がある」と厳しいコメント。安全保障当局者は「このような完璧な作戦失敗は、世界スパイ史において長く記憶されるだろう」と話した。


参照:NIS:国益のための情報機関、国家情報院です。 - 国家情報院公式サイト
参照:国情院「屈辱シリーズ」? - 韓国日報
参照:国家情報院大恥さらし…世界のスパイ史に一ページ - イーデイリー

(文:林由美)

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