STAP論文に記述されたデータを解析してみたところ、大きな間違いをみつけた――。そんな論文を科学誌に発表した理化学研究所・統合生命医科学研究センターの遠藤高帆・上級研究員が10月1日、東京都内で記者会見を開いた。
遠藤氏は、STAP論文にさまざまな疑義が指摘されるようになった今年2月から論文データの解析を開始し、ブログなどで見解を表明していた。9月下旬、その解析結果をまとめた論文を発表。遺伝子の発現を解析する際、サンプルに混入や異常がないかを検出することで細胞の性質を分析する、という方法を使って調べた。
会見で、遠藤氏は「(STAP論文で)胎盤をつくることができるとされた細胞が、単一の細胞からではなくて、2種類の細胞からの混合であることを示す結果を得た。また、STAP細胞として論文に使用されたデータから、論文で記述された方法では得ることができない細胞だったという結果を得た」と、淡々とした口調で説明した。
●「僕は理化学研究所に誇りをもっている」
遠藤氏が今回の解析をはじめた背景には、ES細胞やTS細胞の解析を普段からおこなっていたことがあるようだ。STAP論文が発表された直後、「もし自分が使えるデータがあったら調べてみたいと思った」。しかし、簡単な実験を始めてすぐ、期待していたものと違う傾向が出てきたという。
また、STAP論文については、発表直後から続々と研究不正の疑惑が向けられていた。この点については、「僕は理化学研究所に誇りをもっている。その理化学研究所が研究論文として大々的に発表するようなクオリティではないと思った」と話した。
そのうえで、「もし間違いがあれば、理化学研究所あるいは著者に認識してもらいたいと思った。間違ったデータを出す論文はままあるので、それは誠実に撤回すればいい。有名な著者をそろえて、記者会見をするくらいであれば、もっとしっかりした論文にしてほしかった」と残念そうに述べていた。
遠藤高帆上級研究員の記者会見ノーカット動画はこちら
【全録速報】 理研・遠藤高帆研究員が記者会見~STAP細胞のデータ解析を説明
https://www.youtube.com/watch?v=FL9ltGGX1Sk
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