香港で激化する民主化デモ。抗議活動を呼びかけた憲法学者や学生のリーダー、そしてデモに対抗する中国政府の高官など、重要な役割を果たしている主な顔ぶれを紹介する。

●戴耀廷(ベニー・タイ)

戴耀廷(ベニー・タイ) AFP/Getty Images

憲法学者 49歳

香港大学の副教授で民主化運動「占領中環(オキュパイ・セントラル)」の共同発起人。香港の金融街「中環」での抗議活動を呼びかける論文を2013年1月に地元経済紙に発表した。ほか2人の活動家とともに運動の陣頭指揮をとったため、中国共産党にとっては最大の厄介者の1人となった。

●梁振英(リョウ・シンエイ)

梁振英(リョウ・シンエイ) AFP/Getty Images

香港行政長官 60歳

警察官の息子として生まれ、2012年に3代目の香港行政長官に就任した。民主派の活動家や指導者らから辞任を要求されている。行政長官の選挙方法を見直す過程で、自由選挙を求める住民の願いを考慮に入れなかったと批判されている。


●黄之鋒(ジョシュア・ウォン

黄之鋒(ジョシュア・ウォン) EPA

学民思潮(スカラリズム)のリーダー 17歳

高校生だった2012年に、香港の教育現場に「愛国教育」を導入しようとした中国政府の計画を撤回させることに成功した反対運動を率いた実績を持つ。9月26日夜には警察官に連行される姿が伝えられ、一般市民の警察に対する怒りが噴出、週末の大規模なデモにつながった。

●曽偉雄(アンディ・ツァン)

曽偉雄(アンディ・ツァン) REUTERS

香港警務処長 55歳

1978年から警察畑を一筋に歩いてきたベテラン。香港が英国の統治下にあった時代、2年にわたりロンドン警察に出向した経験も。2011年に現職に就任して以来、警察当局による実力行使の事例と拘留件数が増大した。それには抗議活動者に対するものも含まれる。


●張暁明(ジャン・シャオミン)

張暁明(ジャン・シャオミン) AP

駐香港連絡弁公室主任 51歳

香港駐在の中国政府高官としてトップの座にある。あらかじめ指名された候補者に限るとはいえ、香港の住民に行政長官の選挙を認めるという中国の提案は、香港の民主化運動にとって「大きな前進だ」と発言した。

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