World Football海外サッカー

本田圭佑はそのプレイでスポーツ紙の主役になった

2014.10.01

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 今のミランは、オフェンスは非常にうまく機能している。本田とメネスを見れば、今のミランに何ができて、何を重要に考えているかがよくわかる。メネスはゴール前で変化に富んだ攻撃を見せ、本田は右に控え、同じく右サイドにいるSBアバーテからのボールを受けてゴールを狙う。アバーテは今シーズンのここまでのベストアシストマンだ。

 対してもう一度見直す必要があるのが守備だろう。5試合で9失点はあまりにも多すぎる。トップが点を取っても、同じくらい失点してしまえば勝てるわけはない。勝利するチームを作るには、ゲームを組み立て、攻撃をスタートさせるDFというポジションが非常に重要だ。少なくともイタリアではそうだし、ほかの国でも多くの場合がそうだと思う。

 そしてミランは、まさにそのことをよく知っているチームのはずだ。バレージ、コスタクルタ、タソッティ、マルディーニ、ネスタ、チアゴ・シウバ……優秀なDF陣が揃っていた時代と、ミランが世界のサッカーを支配していた時期とが重なるのは決して偶然ではない。

 今のミランのディフェンスは建設中といった状態である。なかなかメンバーも揃わない。ゴールを守っていたディエゴ・ロペスはパルマ戦でハムストリングを負傷し、今は10月19日の復帰を目指している。ブラジル人のDFアレックスも2試合欠場していたが、日曜の試合でやっとピッチに戻った。アレックスは守備を改良していく上でのキープレイヤーになると思われる。

 ラミ、ザパタ、ボネーラは決して悪い選手ではないが、この守備陣には冷静にDFラインを指揮できる人間が欠けている。攻められても浮き足立つことなく冷静に対処できる存在が必要だ。チアゴ・シウバがPSGに移籍してしまったのはミランにとっては大きな痛手である。

 さて、本田に話を戻すと、エンポリ戦での彼はこれまでの試合に比べると少し活躍が少なかった。しかしこれは本田だけではなく、チーム全員に言えることだ。その中では本田はボールを持ちプレイに参加していたほうだろう。たぶんこの日の動きには、思いのほかの暑さと、7日間で3試合というタイトなスケジュールが影響していたのではないかと思う。得意なFKも、壁に当たった後、GKにファインセーブされてしまった。

関連記事

みんなはどっち?

  • JavaScript 有効にして下さい

スペシャルコンテンツ

  • 9月特集 アジア大会 2014の発見
  • 8月特集 すべてのことはスポーツ漫画から学んだ
  • 7月特集 Jリーグから始めよう

厳選連載記事

福島良一 MLBコアサイド

フォーメーション進化論 福田正博

吉井理人の「投究論」

名波浩の視点 NANAMI’S EYE

竹内由恵 たけうっちタイムス

出水麻衣 スポーツNewsの現場から

枡田絵理奈 素顔がとてもステキです

月刊白鵬

遙かなるツール・ド・フランス〜片山右京とTeam UKYOの挑戦〜

アスリートWatching 〜腕時計から見るスポーツの世界

  • Sportivaの本 スポルティーバから発売されている書籍の一覧はこちらから。
  • Twitter Official Account
  • YouTubeOfficial Account
  • Facebook Official Account

過去の記事

2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
竹内アナが取材現場でのエピソードを紹介

竹内アナが取材現場でのエピソードを紹介

テレビ朝日・竹内由恵アナウンサーが、現場で見た選手や監督の素顔とは--

  • 至高の名勝負コレクション 燃えろ! 新日本プロレス エクストラ 猪木 VS アリ戦! 好評発売中!!