御嶽山噴火:心肺停止、新たに7人…捜索再開、搬送進む
毎日新聞 2014年10月01日 12時05分(最終更新 10月01日 14時21分)
長野、岐阜県境にある御嶽山(おんたけさん)(3067メートル)の噴火で、両県警や自衛隊などは1日朝、山頂付近などに取り残されている登山者らの救出活動を2日ぶりに再開した。長野県側では王滝頂上から剣ケ峰までの登山道「八丁ダルミ」で、心肺停止状態の7人が新たに発見された。上空からは、さらに別の3人程度が倒れているのが見つかった。また、新たに6人の死亡が確認され、犠牲者は計18人になった。
◇死者18人に
9月30日までに心肺停止の24人が頂上付近に取り残されていた。14人が1日、自衛隊ヘリコプターで長野県王滝村に搬送され、うち6人の死亡が確認された。
同県災害対策本部は火山性微動は継続しているものの、振れ幅が一定レベルで安定していると判断、救助活動再開に踏み切った。長野側の救出活動は約1000人態勢。約180人が王滝口登山口から山頂を目指し、自衛隊の大型輸送ヘリは捜索隊約180人を山頂付近にピストン輸送した。
岐阜県側では新たな行方不明者の情報があったため、同県警などが同日、岐阜側山頂付近の捜索・救助活動を開始した。同県下呂市小坂町落合の小坂口登山口から県警と消防、市職員らの28人態勢で山に入った。噴火で負傷し入院中の男性会社員(46)=愛知県一宮市=が、岐阜県側で同僚男性(49)とはぐれたと証言しているという。
また長野県警は、噴火のあった9月27日までに登山届を出していた303人のうち、連絡が取れない安否不明者が7人いると発表した。死亡が確認された12人のうち5人は登山届を出していなかったという。
気象庁によると、1日正午現在、御嶽山の火山性微動の振れ幅は、増減を繰り返している。同庁火山課は「振れ幅は減少傾向だが、噴火は続いており、火山活動が弱まったとは言えない」としている。噴煙は同日午前8時50分現在、火口の縁から約400メートルの高さまで上がり、東に流れている。【稲垣衆史、野口麗子、谷口拓未、阿部周一】