韓国政府が景気低迷で苦境に立つ全国の中小企業132万社に対する税務調査を来年末まで免除することを決めた。不動産規制の緩和、41兆ウォン(約4兆2500億円)の財政出動を通じた大規模景気浮揚策に続き、税務調査でも企業側の事情に最大限配慮し、経済再生に総力を挙げる政府の意志の表れと言える。
韓国国税庁は29日、林煥守(イム・ファンス)庁長が全国官署長会議を開き、年商1000億ウォン(約104億円)未満の中小企業132社に対する税務調査を来年末まで猶予することを決めたと発表した。
これは法人と自営業者の合計508万カ所の26%を占める規模で、飲食、宿泊、運送、建設業など景気低迷に苦しむ業種の大半が含まれる。通貨危機直後に個人で起業した15万人の税務調査が2年間免除されたことはあるが、今回のように中小企業の税務調査が大規模に免除されるのは異例だ。
これは徴税を行う税務当局のアプローチが昨年とは180度転換したことを意味する。昨年には全面的な税務調査で税収を確保しようとしたが、むしろ景気が冷え込み、資金が地下に潜ってしまう副作用が少なくなかった。税務当局は中小企業の税務調査に対する負担を軽減し、経済心理が改善すれば、税収も増えるという好循環を期待している。
中小企業中央会のアンケート調査によると、中小企業の76.3%が昨年下半期よりも今年上半期の経営が悪化したと答えた。景気低迷が続けば、休業または廃業すると答えた中小企業は5社に1社(21.8%)に達した。林庁長は「厳しい経済条件で納税者が本業に専念できるように支援することとした。今回の税務調査猶予措置が国民の経済活性化の足掛かりになると確信している」と述べた。
国税庁は税務調査対象企業のうち、資金難が深刻な場合には、法人税の納付時期を先送りするなどの支援も行う。しかし、大企業の系列企業や風俗店、脱税の疑いが濃い企業などは今回の税務調査免除対象からは除外される。