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独学の大物デザイナー・粟津潔が現代のクリエイターに与えた影響
- 文:内田伸一
- 撮影:佐々木鋼平
- (2014/09/30)
粟津潔(1929-2009)というクリエイターの肩書を1つ挙げるなら、グラフィックデザイナーになるでしょう。しかし、その表現の領域は、絵画やポスターから、マンガ、映画美術、さらにパフォーマンスや空間設計まで、一人の人間がここまで? と驚くほど多岐にわたります。関連するキーワードをランダムに挙げてみても、『サンパウロビエンナーレ』『大阪万博(日本万国博覧会)』「天井桟敷」、メタボリズム、出雲大社、高速道路の標識フォント(!)まで、重要にして多様な並び。
そんな粟津の活動のうち、これまで未調査だったパフォーマンスの世界にあらためて注目し、その全体像に新たなかたちを与える意欲的な展覧会『粟津潔、マクリヒロゲル1 美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス』が金沢21世紀美術館で開催中です。そこでは鷲尾友公、環ROY、スガダイローら気鋭の表現者たちも、粟津のジャンルを超えた開拓精神に共鳴した「パフォーマンス」を敢行。彼ら新世代の越境者が語る「粟津イズム」も紹介しながら、このプロジェクトの意味に迫ってみましょう。
粟津潔(あわづ きよし)
1929年東京都生まれ、2009年逝去。独学で絵・デザインを学ぶ。1955年、ポスター作品『海を返せ』で『日本宣伝美術会賞』受賞。戦後日本のグラフィックデザインを牽引し、さらに、デザイン、印刷技術によるイメージの複製と量産自体を表現として拡張していった。1960年、建築運動「メタボリズム」に参加、1977年、『サンパウロビエンナーレ』に『グラフィズム三部作』を出品。1980年代以降は、象形文字やアメリカ先住民の文字調査を実施。イメージ、伝えること、ひいては、生きとし生けるものの総体のなかで人間の存在を問い続けた。その表現活動の先見性とトータリティは、現在も大きな影響を与えている。
welcome to Kiyoshi AWAZU.com 粟津潔
アーティスト・鷲尾友公が共感したのは、拠り所がない「不安」さえも創作の原動力にしてしまうしたたかさ
金沢21世紀美術館に一度行けば忘れられないのが、館中央の円形展示室。ここで10月13日まで、『粟津潔、マクリヒロゲル1 美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス』展が開催されています。展示室に入る前に、まず目を引くのがその外壁にぐるりと描かれた50メートルの大壁画。粟津ワールドでおなじみのモチーフ、裸の赤ん坊や、巨大なウミガメ、無数の波打つラインや拡大された指紋などが縦横無尽に描かれています。
しかし粟津はすでに他界し、またこの壁画には粟津の絵にはなかったもの、たとえば目玉のついた真っ黒な手などがあちこちに描かれています。音楽好き、ストリートカルチャー好きならピンとくる人も多いはず。この壁画は、音楽レーベル・POP GROUP Recordingsのグラフィックワークなどでも知られる、イラストレーター / グラフィックデザイナーの鷲尾友公による新作です。自ら粟津潔の影響を公言する彼が、自身初のスケールで本作を手がけました。鷲尾さんが粟津潔を知ったきっかけは2007年、やはりこの美術館で開かれた『荒野のグラフィズム:粟津潔展』だったそうです。
鷲尾:友人でアーティストのさわひらきが金沢に帰省した際、僕もこの町に遊びにきて、たまたま展示を観たんです。そこですごい衝撃を受け、その後の自分の描き方が変わるくらい影響を受けました。
粟津潔『ANTI-WAR AND LIBERATION』
1971年 シルクスクリーン 109.3×79.3 金沢21世紀美術館蔵 © AWAZU Yaeko
粟津の描く奔放かつ繊細な線の魅力に魅せられ、彼が愛用した竹ペンでの描画に取り組むなどもしてきた鷲尾さん。今回は、粟津のアトリエに残された、生前に用いられた絵筆を借りて制作に臨んだとか。さらに「描き方」だけでなく、その「姿勢」にも影響を受けたそうです。
鷲尾:彼の著書『造型思考ノート』は、僕にとって道しるべのようなものになりました。冒頭から、フリーランスでどこにも所属せずにやっていく気持ちを「とにかく不安」と認めつつ、でも依頼仕事も相手のご機嫌伺いではなく、むしろ自分が今やりたい作品にしてしまおうと言う(笑)。その率直さやしたたかさは、仕事のやり方で悩んでいた当時の僕に、もっとシンプルに、そのときやりたいことを表現していけばいいと思わせてくれました。
鷲尾友公壁画制作風景 2014年9月11日 撮影:中道淳 / ナカサアンドパートナーズ
また鷲尾さんは独学による絵やデザインに加え、8ミリフィルムでの映像制作も行っています。街角や映画館を学校代わりに、やはり独学で多領域に挑んだ粟津について「知識がないところからやる辛さと、それで失敗しまくりながらも世界を広げていく」部分に共感するそうです。ただ、その想いは単なる憧れとも少し異なるようでした。
鷲尾:粟津さんもベン・シャーン(アメリカで活動したリトアニア人画家)から影響を受けたようだし、葛飾北斎の絵を描いたりもしている。誰かからの影響を認めたり、ときにはその人になりきってみるような表現にも、勇気は要るけど意味があると思う。そして今僕も、彼のやってきたことを呼吸しながら作っている感覚はあります。もちろん単に拠り所にするだけではダメだし、そこから何かを成長させるとしたら、それができるのは生きている僕らだとも思う。その意味で粟津さんって、その表現だけでなく他者とのつながりの幅広さもある。彼とつながる表現者たちの相関図を描いたらすごく面白いと思います。それは過去の話に限らず、今回も学芸員の北出さんに「環ROYさんも参加してくれるんだけど、彼のこと知ってる?」と聞かれて、「知っていますよ。一緒に仕事もしたし」という偶然があったりして(笑)。
なお今回の大壁画『seven years one day』は、鷲尾さんが粟津作品との出会いから7年を経て、その間に自分に起きた様々な出来事を「長い一日のようなもの」と捉えて描いたものでもあるとか。絵を通じたコミュニケーションツールでもあるというあのオリジナルキャラクター「手君」も含め、粟津から受け取ったものと自身の創意が同心円状に広がる絵、とも捉えられます。粟津のモチーフの1つである新生児の顔に、彼の「手君」が重なる大胆なオマージュも、そのことを観る者に伝えてくれます。
内田伸一
1971年生まれ。ライター、編集者。『キャプテン翼』命なのに卓球部の中学生、The Clashに心酔するも事なかれ主義の高校生、心理学専攻のモラトリアム大学生として成長し、初対面が苦手な編集者として『A』、『Dazed & Confused Japan』、『REALTOKYO』、『ART iT』などに参加。矛盾こそが人生哉。
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