大嫌韓時代 (SEIRINDO BOOKS)
本書は在特会の会長の本だが、ここ5日ほど、ずっとアマゾンのベストセラーのトップだ(0時現在)。中身はよくある「嫌韓本」のコピペで取るに足りないが、有田芳生氏などの「しばき隊」が撤去させたり、書泉グランデのツイッター騒動などで、かえって売れ行きが上がったのだろう(リンクは張ってない)。

最近こういうネトウヨがよく話題になるが、その組織は小さい。在特会のデモも100人ぐらいで、「しばき隊」のほうが多いぐらいだ。それなのに「ヘイトスピーチ規制」や国会議員とのツーショットが話題になるのは、民団の組織力のおかげだろう。
朝日新聞OBを右翼が脅迫したことが話題になっているが、これは手紙を出しただけで、実際にテロをやる力はない。これに私が「自業自得」とコメントしたら騒いでいる連中がいるが、正確にいうと朝日の罪のほうが右翼よりはるかに大きい。

以前の記事でも書いたが、戦前に言論弾圧をやった主役は、蓑田胸喜などの右翼ではない。彼らの動きは派手だったが組織はなく、言動は極端なので支持者は少なかった。彼らが物理的なテロをやったわけでもない。軍部を支持して国民を戦争に引きずり込んだのは、異なる意見を圧殺する朝日新聞などの言論テロだったのだ。

この体質は、今も変わっていない。原発事故のあとも、1mSvという国の規制はないのに、それを疑う者は国賊扱いされ、原発の再稼動は「天皇機関説」のようなタブーだ。朝日の慰安婦報道を批判する者は「女性の人権」を踏みにじる悪党として罵倒される。それを批判すると「言論を萎縮させる」などと批判する人がいるが、冗談ではない。朝日の記者が萎縮しないでデマを報道したおかげで、被災者の生活や日韓関係が破壊された責任は誰がとるのか。