「サイト運営」についてウェブ業界20年のおっさんが言っていた今のWeb屋の現状について
0※タイトルで最初30年と表記していましたが、20年の間違いですすみません。
師匠とは結構長い付き合いで、私にWebのイロハを教えてくれた人です。久しぶりに私の師匠とも呼べる恩師にお会いしたんですけど、その時に聞いた言葉が、今のウェブサイトの現状をあらわしているのかなと思い記事にさせていただきます。
1)現状Webマーケティングが発達しすぎていてマーケティングが忘れられている
これは常々思っていたことですが、Webで何とかしようという非常に小さなスペースの中でいろんなことを考えようとします。
また、Webマーケティングはそもそも、Webサイトを中心としたリアルへの展開も考えるべき、大きなものであるにもかかわらず、最近ではそのように考える人が減っていますよね。
例えばWebサイトでキャンペーンを売っている最中に、駅の広告を変えたり、電車広告とWebをうまく連動させたりという、統括的なマーケティングを考えるのではなく、Webの中だけで何とかしようとするのです。
広告もWeb、口コミもブロガー、売上もWeb頼みという感じ。実にシンプルで考えやすいものではありますが、これだと結局うまく行かないことが多い。
また、会社のマーケティングの中の一部にWebがあるべきであり、それが必要だから作るのであって、作ってから理由をさがす企業まで増えています。
2)Web屋の飽和によって制作コストは年々高くなる
もはやピンからキリまでの絶対数が増えすぎて、どこに頼んでも一緒、値段は安ければ安いほうがいい、というような風潮があるとのこと。
さらに、お客様とWeb屋のインターネットに関する知識の差が開く一方で、いいようにお金をむしり取られている企業もある。
そんな飽和状態において、Web屋自身が様々な仕掛けを行う必要があります。そうなると、昔と今では、制作単価が変わらなくても、トータルコストは高くなる一方になっているという話。
これはほんとそうなんですけど、以前別の方が飲みの席でもらしていた、「Web制作をしたいとかんがえる企業向けの勉強会が必要」という言葉も、現実的な気がしますよね。
3)そもそももうHTMLだけで作る静的なサイトは消えるべき
これはずっと前から消えてきていると思いますが、WordPressやMovable Typeのように、製作コストを抑え、更新コストを下げることができるシステムの導入は必須に近くなっていますし、Flipsのように、Webサイトを制作する知識が一切なくても手軽にWebサイトを持つことができる時代に入っています。
これらのことから、ただの制作はどんなに奇抜で斬新なサイトだったとしても、それにお金を払う必要性はもう無いのではないかと思います。同時に、静的なサイトを作る制作はどんどん消えていくことになりますね。
4)検索による情報の出会いより、SNSによる出会いのほうが拡散する
私は以前、この先検索エンジンの利用者がどんどん減るので、SEOなんてあくまでもただのサポートになり、重要なのは結局SNSという内容の記事を書いたことがあります。
師匠の考えはこれとはことなり、検索エンジンはそのままあり、探す人も絶対数そんなに変わらないだろうと。
その代わり、そのページをみて拡散する率は、現在の集計でも80倍近く差があります。
つまり
- 検索エンジンで検索したページを拡散することを1とすると
- SNSで誰かがシェアしたページを拡散するほうが80倍高い
ということです。
これらのことから、どこに力を入れるべきかなど必然的に見えてくるわけでして、
- サイト自体のスマホ最適化
- コンテンツのスマホユーザー最適化
- 検索エンジンよりSNS
となります。
しかしながら、特定の人気キーワードで検索エンジンで上位10位にはいるより、確かにSNSのほうが楽のようにも見えます。ですが、一度検索エンジン上位に食い込むと、そこからは何もしなくても人がどんどん来るため、両方大事であることに変わりはありませんよね。
5)結局のところ今も昔もWeb屋は技術よりプレゼン力の強い奴が勝っている
これは昔から変わっていない事の一つとして。
ようするにSNSで目立つWeb屋さん、ブログで目立っている人、こういう人がサイトを作るお仕事を勝ち取っていき、どれほど学校で技術を学び、どれほど仕事で技術を結びつけても、自身のプレゼン力の無い人は消えていっているという現実。
もちろんこれは、SNS、ブログといったインターネット上だけの活動にかぎらず、自身が会話して増やしていけるリアルプレゼン力にもつながります。例えばブログやSNSなど一切やっていなくても、口コミで仕事を取る人もいます。
しかし、結局はそのどちらもプレゼン力であり、自身の魅力を伝えれる人が生き残っているわけですね。
そうなると根っからの技術屋って結局組織の中にきっちり収まっており、会社を利用することでスキルを発揮し、成果を出すことができるということですね。今年は減りましたけど、昨年まで「フリーランス」更に前まで「ノマドワーカー」なんて言葉がひとり歩きして、実際にフリーになる人もいましたけど、フリーなんでもかんでも正解というのは真っ赤なウソで、適材適所っていう言葉も重要だということです。
というわけで5つの真実、いかがでしたでしょうか。
なかなか的を得てるかなぁと思います。皆さんもこれらを元になにか考える切っ掛けとなればと思います。
それでは、また。