北星学園大:脅迫文2通 元朝日記者講師の辞職要求
毎日新聞 2014年09月30日 19時20分(最終更新 09月30日 23時54分)
北星学園大(札幌市厚別区)に5月と7月、元朝日新聞記者の非常勤講師を辞めさせなければ学生に危害を加える内容の脅迫文が2通届いていたことが、北海道警への取材で分かった。元記者は従軍慰安婦報道に携わっていたという。大学から相談を受けた道警札幌厚別署は、威力業務妨害容疑を視野に詳しい経緯などを調べている。
同署などによると、5月29日と7月28日、学長や学園理事長宛てに「元記者を辞めさせなければ天誅(てんちゅう)として学生を痛めつける。釘(くぎ)を混ぜたガスボンベを爆発させる」などと印字された脅迫文が届いた。いずれも虫ピン数本が封筒に同封されていた。
同大学生支援課によると、30日現在、学生が危害を加えられたとの情報はない。一方で「元朝日新聞記者の非常勤講師を辞めさせろ」などという電話やファクス、封書も複数届いているという。
9月13日には、慰安婦問題報道に関わった元朝日新聞記者(67)が教授を務める帝塚山学院大(大阪狭山市)に脅迫文書が届き、元記者が同日付で退職している。
大石泰彦・青山学院大教授(メディア倫理)の話 言語道断で卑劣な行為。対象者の主張が仮に間違いだったとしても、こんなことをし始めたら言論は萎縮し失われるものは大きい。慰安婦問題に対する見解の違いは別に、あらゆるメディアは一致して毅然(きぜん)と抗議しなければならない。