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国際
占領期、3年超の機密往復書簡が発見…警察予備隊「同意」を伝達
アイケルバーガー中将×鈴木九萬公使
戦後、横浜終戦連絡事務局長として占領軍との折衝にあたった鈴木九萬(ただかつ)公使が、米第8軍司令官として占領軍でマッカーサー連合国軍最高司令官に次ぐ地位にあったロバート・アイケルバーガー中将と交わした往復書簡の写し約100通が発見された。鈴木氏個人が保存していたもので、中将の帰国後約3年8カ月にわたって講和後の安全保障をめぐる日本側の意向などを詳細に報告していた。占領期の隠れた対米チャンネルの解明につながる史料といえそうだ。(渡辺浩生)
往復書簡は、横浜を司令部に全国の占領軍を指揮した中将が離任・帰国した昭和23年8月に始まり、サンフランシスコ講和条約発効を翌月に控えた27年3月まで続いた。同封された中将の発言を報じる新聞記事や「機密」としたメモ類を含めて約400ページに及ぶ。
遺族が大阪経済法科大学の内海愛子特任教授に寄贈した鈴木氏の関連文書から見つかった。書簡の一部は、アイケルバーガー氏の文書を保存する米デューク大にも残されているが、全文がまとめて明らかになったのは初めて。
「吉田首相は、警察力強化に全面的に同意する」
注目されるのは、自衛隊の前身、警察予備隊創設など安保構想を先取りするやりとりがあることだ。中将は米国内での講演を通じて、共産主義者による騒乱に対処するため約15万人規模の警察軍創設を主張。24年3月には陸軍省顧問に就任、首脳らにも進言した。
鈴木氏は23年11月23日付で、同年4月に大阪や神戸で発生した在日朝鮮人による騒乱事件を例に「現行の警察力ではそのような事態に十分対処できない」という吉田茂首相の不安を記し、「彼(首相)は、日本の警察力を強化すべきだというあなたの見解に全面的に同意する」と伝えた。
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