御嶽山噴火:山頂周辺、地震計故障 5基中3基データなく
毎日新聞 2014年09月30日 20時25分(最終更新 09月30日 20時34分)
長野、岐阜両県が県境にある御嶽山の山頂周辺に設置した地震計5基中3基が、老朽化による故障などで、27日の噴火時はデータが取れない状態だったことが分かった。このうち長野県設置の1基は火口に最も近い御嶽山頂にあった。気象庁火山監視・情報センターは「データがあっても噴火警戒レベルを引き上げられた可能性はないが、火山活動の推移を追う上で、特に山頂のデータがない影響はある」と話す。
御嶽山を巡っては、両県や名古屋大などが設置した13基の地震計のデータなどを気象庁が24時間態勢で見ている。同センターによると、地震計のデータは火山性地震の震源把握に必要で、特に山頂のものは深さを知るのに役立つ。
長野県の地震計は土砂災害対策で1997〜2000年度に設置。しかし、老朽化や落雷などで毎年のように補修が必要で、昨夏以降は2基が故障したままだった。そのため県と火山観測で連携している名古屋大が近く地震計を設置予定だった。一方、岐阜県は01年度に火山対策で地震計を2基設置したが、1基はスキー場の電源で動くため、夏場は稼働していなかった。
気象庁はデータの欠測について「認識はしていた。地震計はさまざまな理由で故障するので改善要請などはしなかったが、何らかの働きかけをしてもよかったかもしれない」としている。【飯田和樹】