御嶽山噴火:火山性微動、捜索の壁 振幅再び大きく
毎日新聞 2014年09月30日 21時52分(最終更新 10月01日 03時35分)
長野、岐阜県境にある御嶽山(おんたけさん)(3067メートル)の噴火で、両県警や自衛隊などは30日、火山活動が再び活発になる恐れがあるとして、山頂付近などに残されている登山客らの救出活動を見送ったが、夜に入っても火山性微動は続き、長野県は、1日は早朝時点でのデータを検討し、同日の捜索を巡る態度を決めるとしている。収束しない場合、捜索は難しく、救出活動が長期に及ぶ可能性も出てきた。
気象庁によれば、この日の捜索を阻んだのは、微小な振動が続く火山性微動だった。29日午後7時20分から30日午前1時15分まで振れ幅が徐々に大きくなり、いったんは収束しかけたが、午前6時12分ごろから噴火当日の27日夜と同程度の振れ幅に戻った。
長野県警などは中断後も再開を目指したが、午後も振れ幅の大きさは変わらず断念。長野県は再開の目安を火山性微動が2時間以上収まっていること、としているが、気象庁火山監視・情報センターの宮下誠・火山防災官は「山の浅い部分で何かが起きている。深い部分で起きる地殻変動とは考えにくいが、同規模の噴火の可能性はこれまでよりも高まっている」とみる。
気象庁によると、噴煙は30日午後5時50分現在、火口の縁から約400メートルの高さで東に流れている。
今回の噴火に伴う死者は30日の時点で12人、心肺停止状態が確認されているのは24人。【稲垣衆史】