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 登山者12人の死亡が確認された御嶽山(おんたけさん、長野・岐阜県、3067メートル)の噴火で、自衛隊や警察などは30日早朝に再開した救出・捜索活動を1時間余りで中断し、昼過ぎにはこの日の活動中止を決めた。火山活動が活発になったためで、中断を余儀なくされたのは3日連続だ。

 10月1日も早朝から準備し、1時間ごとに火山活動の状況を確認して再開を判断する。心肺停止状態で山中に取り残されている24人のうち、10人程度は岩の間や火口付近で確認されているといい、救出・捜索活動が長期化するとの見方が出ている。

 陸上自衛隊と長野県警、消防による救助隊は30日、後方支援を含め、計約850人態勢で、地上と上空から山頂付近に入る予定だった。29日まで使っていた中型ヘリコプターの5倍の人員を運べる大型ヘリも準備。火山ガスのため、山頂付近での活動時間は限られるとの経験から、一度に多くの隊員が山頂付近に入って一気に心肺停止状態の人々を運び出す計画だった。

 気象庁の観測では、御嶽山の火山性微動は29日午後7時すぎに大きくなり、一時おさまったが、30日午前6時すぎに再び大きくなり、正午を過ぎても観測された。振幅は噴火があった27日の夜と同程度で、長野県災害対策本部は「27日と同程度の噴火が起こる可能性が高まった」と判断。30日午後2時すぎ、同日の活動中止を決めた。

 警察関係者の話では、心肺停止状態の人のうち、数人が火口そばの登山道下の急な斜面で見つかったほかに、数人が山頂近くの岩の間に挟まれたり下敷きになったりした状態で、救出に相当の時間が必要だという。まだ捜索できていない区域もある。警察はふもとで待機する医師らに心肺停止の人たちが死亡診断された場合に死亡確認といっている。自衛隊や警察は10月1日も地上からと大型ヘリでの活動を準備している。